| 「波動砲?」なんてボケで返すと歳がバレます。
某KTMディーラーの走行会に参加しますと、初心者の方と御一緒する事が多くなります。9月の凸凹ランドは某店長にしか嬉しくない雨天だった訳ですが、皆様期待に違わずバタバタ暴れてくれます。
見ていると、なんかこうひと味足りない。そんなに難しい事ぢゃ無いのだけど、解っていないと辛いもの・・・が解っていないのではないかな〜?と思うのですよ。
それは今まで何度か書いているのですが、重点的に抜き出して取り上げてみます。
オフロードライディングというものは、グリップが悪かったりギャップが有る中を走行するものです。そこを人より早く・確実に走破する為には、より多くのグリップを得て、車体が浮いた状態にしてやる必要があります。
車体を浮かせつつグリップを(接地力を)高めるというのは物理法則に反しています。でも「同時に」という箍を外せば決して不可能ではありません、交互にすれば良いのですよ。つまり上下の波動を作るという事。
「常にウォッシュボードの様に走れば良いじゃんと」いう例の理屈です。
しかしバイクなんていう体重の2倍もある代物を、押したり引いたりして波動を作るのは無理があります。
そこはそれ、バイクのパワーや地形を利用しますし、波というものは一つの方向に上がったり下がったりするものと思いがちですが、実態は円運動です。数学上の円の方程式も となっていまして、2つの事象の間で円運動をしているものを一方向から見た時に振動と見て取れるのです。円運動ならば連続した運動ですから、慣性を利用して波動を維持する事が出来ます。
この場合、2つの事象とは車体の位置と接地力という事になります。では波動の中で車体の位置と接地力がどうなっているかという事を図にしてみます。
上手く波動が作れれば、赤い円に沿ってA〜Dの相を遷移して行く事になります。
それぞれの相が切り替わるきっかけも記しました。ただ跨がっているだけでは1G状態の走破性&グリップにしかならないので、これらのきっかけを使って波動を作って行きます。
前段の振幅が大きければ次の振幅も大きく出来ますが、サスにもダンパーも入っていますから黙っていると減衰してしまいます。「漕いで」波動を維持しましょう。
波動を活かした走りとはどういうものでしょう?。単純な所ではジャンプやウォッシュボードの走行ですが・・・。
Aの相:最もグリップする状態。常に加速・コーナーリングをする必要は無いので、
加速したい場所、曲がりたい場所でこの相になる様に合わせる。
Bの相:駆動力を切らない限り、比較的グリップの良い状態を保てる。
マディでは意識的に多用しますね。後方注意。
Cの相:ガレ場や水たまり・クレバス等で、車体を浮かせて楽に通過。
Dの相:楽に乗っていられるところ。一息ついたり、体力の回復を図ります。
漫然と、行き当たりばったりで走っていたらこうは行きません。路面を見たら、何処でどの相を使うかを決めて、それに沿って走ります。ラインだけでなく車体の状況まで想定して走るのですから、オフロードライディングというのは非常に頭を使うのです。
波動の使い方としては以上の様に積極的な使い方も有りますが、逆に消極的な使い方もあります。どういう事かと言うと、波動の発生を検知していなかったら何もしないって事。
例えばチュルチュルの上り坂。1G以上の接地力は得られない訳ですから、登る事だけに専念して加速・コーナーはすっぱり諦めるべきです。自ずと真直ぐのまま登りきれるライン取りと助走が必要な事がお解り頂けると思います。
この考え方・走り方が出来たからと言って、何か明確に「コレが出来る様になる」というものは無いんですね。だから「〜論」の範疇を出ませんし、「テクニック」としてあまり認識してもらえません。
解っていた所で操作が出来なければ意味は有りませんし、出来た所で自分が選んだ走り方が実際のシチュエーションに合致しなければ効果無し。操作のテクニックと、どんな場面でどんな走り方をするのがベストなのか?というデータを揃えなければなりません。自分だって今でも「あ、外した」なんて場合は多々有りますから・・・。
ですから少しずつでも考えて、トライ&エラーを繰り返して行きましょう。そのうちじわじわ走破性が上がって来るハズです。
例の店長に「あれぇ?、こんな所で粘土コネてるんですか?」とか言える様になりましょう。
|