T はじめにー9・11が照らし出した世界
1 2001年9月11日-同時多発テロ
2001年9月11日火曜日朝、アメリカ合衆国を空前のテロが襲った。
4機の旅客機がハイジャックされ、そのうちの2機はニュ−ヨ−クの世界貿易センタ−ビルのツインタワ−に乗客・乗員もろとも激突した。衝突の衝撃でツインタワ−ビルは時を置いて北棟・南棟とも崩壊した。残り2機のうちの1機はワシントンの国防総省ビルに突っ込んだ。更に残る1機はピッツバーグ近郊に墜落した。
この惨劇による犠牲者数は4機の乗客・乗員合計266名、ツインタワ−ビルの犠牲者は2992名とされている。事件後、ツインタワ−ビル倒壊の現場は、広島・長崎の爆心地と同じ「グラウンド・ゼロ」の名称で呼ばれるようになった。
事件後、間を置かずに、アメリカのブッシュ政権はハイジャック実行犯の氏名を公表し、犯人達はオサマ・ビン・ラディンが率いるイスラム原理主義のテロ組織アルカイダのメンバ−であると断定した。そして、アルカイダが根拠地を置くタリバン政権下のアフガニスタンに対して報復戦争を開始し、タリバン政権を崩壊させた。その後もブッシュ政権は「対テロ戦争」の継続を呼号し、2003年3月には対イラク戦争を発動し、フセイン政権を崩壊させた。
こうして9・11同時多発テロはアメリカのという対テロ戦争発動という世界史的激震の起爆点となったが、ではこの事件を起こした犯人は何者で、何を目的にこの事件を引き起こしたのか。考察はこの点から開始されなければならない。
【参考文献】板垣雄三編「対テロ戦争とイスラム世界」(岩波新書)
2003年5月6日記
<戻る>