カブトムシ飼育マニュアル(完全版)            


みんなの人気者、カブトムシ。
自分でつかまえてきたカブトムシが卵を産み、それが成虫になったらどんなにうれしいだろう。
カブトムシの飼育は成虫も幼虫もとても簡単だ。
カブトムシの飼育を夏だけで終わらせずに、卵、幼虫、さなぎ、そして成虫まで育ててみよう。

カブトムシの成虫のほとんどは夏の終わりには死んでしまう。
でも、それで終わりではない。
新しい命がもう誕生している。
やがて幼虫は成長し、翌年にはさなぎになり成虫になる。
カブトムシの命は永遠に受け継がれていく。

                 成虫編                

                       用意する物                    

   【水そうまたはコンテナ、衣装ケース】
    発砲スチロールは♀が破ってしまうことがあるので絶対に使用しないで下さい!
     カブトムシの行動範囲を少しでも広くしてやるために、水そうは大きいほど良い。

     横330mm×縦190mm×高さ210mmサイズの水そうが手頃。(ホームセンターでよく売っている。 乾燥しやすいのが欠点)
     もちろんそれより大きい物は大いに結構。(衣装ケースは大きい割に値段が安い)
     ☆★ 意外とおすすめなのは小型のコンテナ ★☆
         
         ◎ 横350mm×縦200mm×高さ180mmぐらいが手頃。
         ◎ ホームセンターで¥700ぐらいで1年中売っている。
         ◎ 空気が出入りしやすいようにフタに直径5mmぐらいの穴を数ヶ所あけておこう。
         ◎ 乾燥しにくいので手間がかからない。

    
   【マット】
      園芸用の腐葉土(ホームセンターの園芸コーナーにある殺虫剤等を含まない落ち葉100%の物を選ぶ)が一番良い。
     販売されている腐葉土は、落葉や枝がそのままの形で入っています。
      成虫飼育用や、卵〜初齢はふるいにかけて使用したほうが無難です。
      卵から孵化した初齢幼虫は粒子が粗いと分解できないようです。
      ふるいにかけた腐葉土はパウダー状になるため初齢幼虫でも分解することができると思われます。
      

      ホームセンターで売っているクヌギマット(クヌギ純太くん、クヌギジャンボマット、クヌギ大王、くぬぎのいいとこなど)
      は成虫には問題ないが、卵や幼虫には合わない場合がある。
      私は1997年に20匹ぐらいの弱齢幼虫をクヌギマットに入れたら全滅してしまった、という苦い経験がある。
      一般に売られているクヌギマットはどちらかというとクワガタ用で、粒子が粗く分解も進んでいないため弱齢幼虫には合わないようだ。
      また、クヌギマットは発酵が完全に終わっていないものが多く、飼育途中でガス(二酸化炭素)が発生し、
      幼虫は苦しくて上に出てきてしまう
      もぐらなければ食べないので、やがて死んでしまう。
      蛹になる直前なら、蛹室を作れず上に出てきてしまい、そこで蛹になってしまう。
      マットの上に寝転んだ状態で羽化すると羽化不全になりやすい。
      腐葉土か、完全に発酵が終わった微粒子マット(ホームセンターではなくクワガタ専門店に置いてある)がおすすめだ。
      安くて簡単に手に入り、トラブルが少ないことを考えれば、腐葉土がベストだろう。

      
前の年に卵から成虫までの飼育に成功していたら、幼虫が食べた腐葉土を捨てないで成虫飼育用マットに使おう。
      卵が生まれて初齢幼虫がふ化しても安心だ。
      前の年の幼虫によって分解され土のようになった腐葉土は初齢幼虫には最適のマットだ。
      

      ・厚さ10cmぐらい敷き詰める
      ・適度な湿り気(手でギュッと握ってだんご状に固まる程度。 ビチャビチャになると死んでしまう。)
     ・マットは成虫が昼間もぐって休む場所で、卵からふ化した幼虫が食べるえさにもなる。
    
   【止まり木】
     広葉樹の木が良い(ホームセンターで買っても、野外で拾っても良い)
    
   【えさ】
    昆虫ゼリーかバナナが良い
     スイカ、メロン、きゅうりなどは水分ばかりでカブトムシが下痢をして弱ってしまう。
     野外ではクヌギなどの樹液が主食だが、樹液はタンパク質と糖分が多く栄養タップリだ。
     えさは毎日夕方取り替えよう。(夜になると活発に食べるため)

    
   【えさ台】
     ホームセンターで売っているゼリーがすっぽり入るタイプの物が便利。
     マットの上にじかに置くと、カブトムシがひっくりかえして汚れるし、マットの中にえさが沈んでしまう。
    
   【広葉樹の枝、葉】
     必ず必要でもないが、カブトムシはひっくりかえると起き上がるのが下手なので起き上がりやすいように。
    

   【ビニールか新聞紙】
     ビニールまたは新聞紙をフタとケースの間にはさむ。
     ビニールの場合は蒸れを防ぐため5mmぐらいの穴を5ヶ所ぐらい(中プラケースの場合)あける。
     こうすることで乾燥が防げて適度な湿気が保たれ、毎日霧吹きでシュッシュッなどというめんどうなことをやらなくて済む。
     毎日霧吹きでシュッシュッやりすぎると表面はちょうど良いように見えるが、底の方に水がたまりグチャグチャになることがある。
     ダニやカビも発生しやすくなり良いことはない。
     私は霧吹きシュッシュッはほとんどやらないし、おすすめしない。(めんどくさいでしょ)
     そもそも多少乾燥したところでカブトムシは決して死にはしない。
    これは幼虫飼育にも言える大切なことだ。   



                      注意すること                   
     
     1.直射日光と雨が当たらない涼しい場所に置こう
       (40度以上の高温、直射日光は厳禁!半日で死んでしまうよ。)
     
     2.アリなど他の昆虫が入ってこない場所に置こう
     
     3.1つのケースにはオス1匹、メス1〜2匹で飼おう
       オスを2匹以上入れるとケンカをして傷が絶えない。 寿命が短くなる。
       ケンカを見るのは観察としては非常におもしろいが、ケンカをさせた後はオス1匹にしておく。
     
     4.カブトムシは夜行性なので昼間はほとんどもぐっている。
       夜になるとやかましいほど活発に動き回るので、食事や交尾を観察できる。
     
     5.長い時間いじると弱るので遊ぶのは1日1回にしよう。
     
     6.ダニや線虫(2〜10mmぐらいの糸のような生き物)が大量発生した場合
        
            ダニ                     線虫

       カブトムシを飼っていれば多少のダニや線虫は発生する。 自然界にもたくさんいる。
       しかし、あまりにも大量に発生し、カブトムシにびっしりついたら水道水でハブラシを使いながらジャブジャブ洗っちゃおう。
       そしてマットはすべて取り替え、止まり木やえさ台は直射日光で半日ぐらい干そう。
       
       しかし私はカブトムシを飼育していて、今までダニや線虫が原因で死んだことはない。
       カブトムシに悪影響があるかどうかも証明されていない。
       多少のダニや線虫は気にしないようにしよう。
       ダニや線虫ばかり気にしているとカブトムシの飼育がつまらなくなってしまう。
       ダニや線虫は高温多湿が続いたり古いえさが残ったままだと大発生する。
       大発生させないためには水分補給はほどほどにして多少乾燥気味でも気にしないようにする。
       マットの表面が乾いていても中はわりと湿っているものだ。
       乾燥が気になるようなら、マットの上のところどころに木の皮などを置くと乾燥が防げる。

     
    7.死んでしまったら
       カブトムシの成虫のほとんどは夏の終わりには死んでしまう。
       標本にする人以外は、カブトムシの生まれ故郷の雑木林に埋めてあげよう。
       カブトムシの体は土に返っていくよ。
       近くに埋める場所がない場合は「燃えるゴミ」としてきちんと捨てよう。
       ゴミとして捨てるなんてひどいと思うかもしれないが、公園等に捨てるよりきちんと処分した方が環境保全が確実だ。


               卵〜幼虫編                
  
  幼虫時代に栄養があるえさをたくさん食べると大きな成虫になる。  成虫になったらもう大きくならないよ。

  
  カブトムシをオスメスいっしょに飼育していると、必ずと言っていいほど交尾し、必ずと言っていいほど卵を産む。
  ♀が数日間昼も夜もマットにもぐりっぱなしの時がある。 そういう時は産卵している確率が極めて高い。
  
  3mmぐらいの白い丸いものが見つかったらそれが卵だ。
  
  見つかったら、成虫を別のケースに移そう。 成虫がマットにもぐった時に傷つけて死なせてしまうことがあるからだ。
  成虫は卵を守りながらもぐるほど利口ではない。
  別のケースに移すのがめんどくさい、または別のケースなどない、という場合はそのままでもかまわない。
  卵は多少減ってしまうだろうが全滅はしない。
  そのまま半月ぐらいほっておこう。
  ♀はおしりから卵管を出して卵室を作り、1個ずつ産卵する。
  産卵された卵は卵室によってカビや雑菌などから守られている(のではないだろうか)。
  したがって、卵はふ化までなるべく動かさない方が安全だ。
  
  ふ化の瞬間をどうしても観察したいというのであれば、プリンカップなどに卵を移そう。
  プリンのスプーンなどでマット
(実際に産卵されていた周りのマット)ごとすくって移そう。
  間違っても直接卵を指でつまんではいけない。(つぶれてしまう)
  
  卵を見つけて半月ぐらいたったら新聞紙へマットをぶちまけてみよう。
  5mmぐらいの小さい幼虫が見つかるはずだ。
  卵を見つけたにもかかわらず、この時幼虫も卵もなくなっていたら、それはマットが悪かったということだ。
  ふ化した幼虫はすぐにまわりのマットを食べ始める。
  えさにならないマットであればすぐに死んでしまう。

  幼虫は死ぬとまるで消えたように土になってしまう。
  
  
卵から成虫までの飼育に成功したら、幼虫が食べた腐葉土を捨てないでとっておこう。
  幼虫によって分解され土のようになった腐葉土は初齢幼虫には最適のマットだ。
  来年成虫を飼育するときにそれを使おう。

   初齢幼虫

                       用意する物                    

   【水そう、衣装ケース、コンテナ、植木鉢、ポリバケツ、ペットボトル、庭や畑など自分の好きなもの】
     幼虫が無事に見つかったら飼育容器を用意しよう。
     
発砲スチロールは幼虫がアゴで破ってしまうので絶対に使用しないで下さい!
     
ケースごとの幼虫の飼育数の目安(入れすぎると幼虫が弱ったり成長が鈍るので必ず守ろう

中プラケースや小型コンテナ 2匹
大型衣装ケースや大型コンテナ 20匹ぐらい
植木鉢 1匹
ポリバケツ(特大) 20匹ぐらい
ペットポトル 1匹
庭や畑 数十匹〜∞

     小さい容器に幼虫をたくさん入れて無事に成虫になったとしても幼虫時代のえさが少ないため成虫が小さくなってしまう。
     
大きな成虫を羽化させるには、幼虫時代にいかに大量で高栄養のえさを食べさせるかにかかってくる。
     さなぎ、成虫はO.1mmたりとも大きくはならない。
     
     自分の好みや飼育可能スペースによって何でもよいのだ。
     ただ、私のおすすめは衣装ケースかコンテナだ。
     長所は、安い、たくさん飼育できる、手間がかからない、ある程度の容積があるので温度や湿度が安定するためトラブルがない。
     欠点は、場所を取る、観察がやりにくい。
     
実は私は成虫もこいつで飼育している。
     すると産卵したあといちいち卵や幼虫を回収しなくてもそのまま幼虫飼育に移れるからだ。

     楽だよ〜♪
     ↓↓↓
 ねっ! 楽でしょ!
 広々しててカブトも大喜び?























      
     実際には雨や日光を防ぐためにフタをしておく。  空気穴はいらない。 フタのすき間から空気は出入りしている。
     
      私が使っているコンテナの大きさ
                                        ホームセンターで2千円未満
     
      これで20匹飼育できる
    
    
   【マット】
     容器の90%ぐらいマットを入れよう。
     園芸用の腐葉土(ホームセンターの園芸コーナーにある殺虫剤等を含まない落ち葉100%の物を選ぶ)が一番良い。
      販売されている腐葉土は、落葉や枝がそのままの形で入っています。
      成虫飼育用や、卵〜初齢はふるいにかけて使用したほうが無難です。
      卵から孵化した初齢幼虫は粒子が粗いと分解できないようです。
      ふるいにかけた腐葉土はパウダー状になるため初齢幼虫でも分解することができると思われます。
      

      
      ホームセンターで売っているクヌギマット(クヌギ純太くん、クヌギジャンボマット、クヌギ大王、くぬぎのいいとこなど)
      は成虫には問題ないが、卵や幼虫には合わない場合がある。
      私は1997年に20匹ぐらいの弱齢幼虫をクヌギマットに入れたら全滅してしまった、という苦い経験がある。
      一般に売られているクヌギマットはどちらかというとクワガタ用で、粒子が粗く分解も進んでいないため弱齢幼虫には合わないようだ。
      また、クヌギマットは発酵が完全に終わっていないものが多く、飼育途中でガス(二酸化炭素)が発生し、
      幼虫は苦しくて上に出てきてしまう
      もぐらなければ食べないので、やがて死んでしまう。
      蛹になる直前なら、蛹室を作れず上に出てきてしまい、そこで蛹になってしまう。
      マットの上に寝転んだ状態で羽化すると羽化不全になりやすい。
      腐葉土か、完全に発酵が終わった微粒子マット(ホームセンターではなくクワガタ専門店に置いてある)がおすすめだ。
      安くて簡単に手に入り、トラブルが少ないことを考えれば、腐葉土がベストだろう。

     ・幼虫が生まれたときのマットをケースの底に、その上に新しいマットを入れよう
      (新しいマットだけでもOKだが、初齢幼虫の場合きめの細かいマットのほうが安心だ)

     ・クワガタ飼育もしているのであれば、クワガタ幼虫の食べ残し
     ・広葉樹の朽ち木
      (野外で拾ってきた場合は細かく砕く。コメツキムシの幼虫やムカデなどカブトムシの幼虫を食べてしまう虫も入っているからだ)

     ・しいたけ栽培で使い終わったほだ木の廃材
      腐葉土だけでも十分育つが、朽ち木などを混ぜることによりさらに大きくなる。
      発酵マットももちろんえさになるが、カブトムシの幼虫は大量のマットを必要とするので発酵マットではお金がかかる。
     
    【ビニールか新聞紙】
     ビニールまたは新聞紙をフタとケースの間にはさむ。
     ビニールの場合、5mmぐらいの穴を5ヶ所ぐらい(中プラケースの場合)あける。
     こうすることで乾燥が防げて適度な湿気が保たれ、毎日霧吹きでシュッシュッなどというめんどうなことをやらなくて済む。
     毎日霧吹きでシュッシュッやりすぎると表面はちょうど良いように見えるが、底の方に水がたまりグチャグチャになることがある。
     ダニやカビも発生しやすくなるし、グチャグチャになれば幼虫は死ぬし、良いことはない。
     私は霧吹きシュッシュッはほとんどやらないし、おすすめしない。
     カラカラにならない限り決して死にはしない。
     
     ただし、衣装ケースやコンテナの場合は不要。 フタを軽くしておくだけで良い。
     容積が大きいと内部の湿度は一定となる。 表面が乾いていてもマットの内部は湿っているので大丈夫。


                      幼虫の成長                   

   8月頃 初齢(2〜3週間)
    9月頃 2齢(1ヶ月ぐらい)
   10月頃 終齢(8ヶ月ぐらい)
   11月頃〜3月頃 冬眠するためえさは食べずじっとしている。
    4月〜5月頃 ふたたびえさを食べる
    6月頃 前蛹→さなぎ
    7月頃 羽化→成虫

  注.上記はベランダ等の常温飼育の場合。 室内飼育の場合は温度が高いため2月〜5月にさなぎになる。


                      注意すること                   
     
     1.直射日光と雨が当たらない薄暗い場所に置こう
      室内でも室外でも構わないが、成虫になるまでなるべく同じ場所に置こう。
     
     
2.アリなど他の昆虫が入ってこない場所に置こう
     
     3.えさ交換をしよう
       カブトムシの幼虫の食欲はものすごい。
       したがって、たくさんのえさが必要だ。(さなぎになるまで1匹約3リットルのマットを食べるらしい)
       秋と翌年の春、2回交換するのが良い。
       交換の目安はマットがフン(5mm角の四角いやつ)だらけになっていることだ。
       
       1回目のえさ交換  10月ごろ  くわしくはここをクリック
       2回目のえさ交換   4月ごろ  くわしくはここをクリック
       
     4.寒くても平気
       野外の幼虫は雪の積もる土の中で冬眠し、翌年には元気な成虫になって出てくる。
       もちろん地熱もあるだろうが、寒さには強い。
       衣装ケースやコンテナならベランダ等に置きっぱなしで平気だ。
       私が実家の河口湖で飼育している幼虫はマイナス14℃まで下がっても平気だった。  → クリック
       
       小さい容器はマットが放熱しやすいのでベランダなどで飼育する場合はダンボールに発泡スチロールを入れ、
       その中に容器を入れると良い。 これだけでも保温効果はある。
       
       室内で飼育する場合は玄関など温度が一定で薄暗い所が良い。
       冬に暖房など必要ない。 春が来たかと幼虫が目覚めてしまって余計なエネルギーを使ってしまう。
       温度を高くして飼育するとさなぎになる時期が早まり、場合によっては3月か4月頃に成虫になることもある。
       ただ、早く生まれた成虫は死ぬのも早い。
       真夏にカブトムシの成虫が元気なのがいいのなら、自然と同じく冬は寒い所で飼育するのがよい。

     5.ダニや線虫(2〜10mmぐらいの糸のような生き物)が大量発生した場合
        
            ダニ                     線虫


       成虫飼育と同様多少のダニや線虫は発生する。 自然界にもたくさんいる。
       以前、幼虫にダニがくっついていたのでハブラシでそっと取り除いたがまたついてしまってきりがないのでやめた。
       それでもその幼虫は無事成虫になった。
       ダニは幼虫の何らかの分泌物を吸っているだけで害はないのかもしれない。
       ただ、あまりにも大量発生して気持ち悪い場合は、マットをすべて取り替えるか日光浴させてダニを死滅させたほうが良い。
       
       卵にくっついているのはよろしくない。
       あれは卵そのものを吸っているのではないだろうか。
       卵にはさわらずにダニだけをうまく取り除き(慣れないとむずかしいがセロテープを使う人もいる)、
       マットをすべて取り替えるか日光浴させてダニを死滅させたほうが良い。
       
       ダニや線虫は高温多湿が続いたり古いゼリーなどが残ったままだと大発生する。
       大発生させないためには水分補給はほどほどにして多少乾燥気味でも気にしないようにする。
       マットの表面が乾いていても中はわりと湿っているものだ。 マットは深ければ深いほど良いわけだ。
       乾燥が気になるようなら、マットの上のところどころに木の皮などを置くと乾燥が防げる。
       

6.幼虫がマットの上に出てきてしまったら
       これは明らかに異常である。
       原因として考えられること
       @過密飼育(小さい容器にたくさん入れ過ぎ)によるえさ不足、酸欠等→ケースごとの飼育数を守ろう
       Aフンだらけになってしまいえさ不足→新しいえさと交換する
       Bマットの深さが十分でない(最低20cmは必要。深ければ深いほどよい)
       Cマットの発酵が完全に終わっておらずガス(二酸化炭素)が発生してしまっている。
         →新聞紙等に2〜3日広げ、ガス抜きをする。
          クヌギマット等の昆虫用マットは発酵が完全に終わっていないものが多いので、
          腐葉土の方がトラブルが少ないのでおすすめ。
       D5月頃マットの上に出てきてしまう
        →さなぎ部屋(蛹室)を作りたいがマットがやわらかくて蛹室を作れず上に出てきてしまうのだ。
         黒土を適度に湿らせて、ケース底から最低10cmぐらいの高さに強く固く押し固め、その上に腐葉土を普通に入れ、
         その上に幼虫を入れる。
         数日すれば幼虫は固い土の中に蛹室を作るはずだ。
         幼虫の体が黄色く、しわが増えていれば前蛹の直前だ。こうなればえさはほとんど食べず、蛹室作りに専念するため
         クヌギマット等はいらない。
         かえってガス(二酸化炭素)が発生して上に出てきてしまう。
         黒土が一番無難だ。

     7.カビが生えてしまったら
       白カビ、緑カビ、青カビ、黒カビ等が多少生えていてもさほど深刻ではない。
       カビだけ取り除いてやればよい。
       それでも大発生するようならマットを交換して水分補給をやり過ぎないようにしよう。
       飼育におけるカビの主な原因は水分過多である。
       表面が多少乾燥気味でも内部はそこそこ湿気は保たれているので、こまめに水分補給をしなくても大丈夫だ。
       さなぎの近くでカビが発生すると厄介だが、うっかり動かして羽化不全の原因になってしまっては元も子もない。
       無事を信じてそのまま見守るか、さなぎを取り出してマットを取り替え、人工蛹室を作ってさなぎを入れ直す。
       ただし、さなぎの扱いに慣れていることがことが前提だ。

     8.幼虫が病気になってしまったら
       何匹かを同じように飼育していても、なかには何らかの原因で病気になってしまうことがある。(経験上5%ぐらいの確率)
       悲しいことだが人間には治せない。
       おもな病気は
       @何かの菌に侵される。 体が黒く変色したり黒い斑点ができて、ぐったりしてぶよぶよになってしまう。
       Aカビに侵される。 白い粉のようなものが噴き出してくる。
       死んでしまったら雑木林に埋めてあげよう。

       
              さなぎ〜羽化編               
     
   5月下旬から6月上旬になると幼虫はさなぎになる準備を始める。
   (ただし飼育環境の温度によって前後する。 暖かいとさなぎになるのが早くなる)
   このころの幼虫の体は黄色くなっている。
   衣装ケースやコンテナだと、観察するのは慣れないと難しい。
   観察が不要なら、成虫になって出てくるまでほっとくのが一番である。
   観察するならペットボトルやビンに幼虫を移す。   

  マットの上でさなぎになってしまったら・・・
  
  ペットボトルやビンに幼虫を移した時、ケース底から最低10cmを固く固めるのを忘れてはいけない。

  やわらかい状態だと幼虫が蛹室を作れなくなってしまう。
   (2回目のえさ交換の「えさ交換手順」を参照)
   
マットがやわらかいままだとマットの上でさなぎになってしまう場合がある。
  この状態で羽化してしまうと羽がくしゃくしゃになってしまうこともある(羽化不全)
  羽化不全の個体は正常になることはなく、正常個体よりも寿命が短くなってしまう。

   
もし、マットの上でさなぎになってしまったときは人工蛹室を作ってあげよう。
  @黒土を適度に湿らせ高さ10cmぐらいにしてぎゅうぎゅうと固く押し固める。
  Aトイレットペーパーの芯ぐらいの直径で深さ10cmぐらいの円柱状に指で穴を掘って部屋を作る。
   壁が崩れないように適度な湿り気の土が良い。

  Bさなぎを縦にそっと入れる(さなぎはおしりをフリフリするので驚いて落とさないように注意)

  紙コップの内側に湿らせたティッシュをつけ、その中にさなぎを入れる方法もある。

   
   
   
   やがて幼虫は同じ場所にとどまり、さなぎ部屋(蛹室)を作る。
   体をクネクネさせてまわりの土を固める。 形は縦長の丸い部屋だ。
   ♂の部屋は♀より長い。(角があるからだ)
   やがて体のつやがなくなってしわしわになり、動かなくなる。(死んでしまったと勘違いしてはいけない)
   こうなったら羽化まで容器を動かさずじっと観察しよう。
   上の写真のようにビンの側面に部屋を作ってもらうにはまわりを黒い紙などで覆って真っ暗にしてやると良い。
   幼虫は明るいのをいやがるため、暗いと固い側面を使って部屋を作ることが多い。
   
   1週間ぐらいで皮を脱いでさなぎになる。(蛹化)
   そして3週間でさなぎの皮を脱ぎ成虫になる。(羽化)
   羽化しても1週間〜10日ぐらいは体が固まるのをじっと待っているため地上には出てこない。
   心配しないで自分で出てくるのを待っていよう。

     
   さなぎになって1日目               16日目                       21日目
   
    
                         ♀のさなぎ


カブトムシの飼育に成功すると生まれてきた幼虫の数に愕然となる。
数ペア飼育していると100匹や200匹になることもめずらしくない。
飼育の前に、生まれてきた幼虫をどうするのか考えておいたほうがよい。
人気のある昆虫なので育ててくれる人を何人か確保しておくのも良いだろう。

カブトムシは雑木林のなかで生きている。
雑木林は昔から人間の手で作られてきた環境だ。
つまり人間のすぐそばで生活しているのだ。
幼虫〜さなぎは土の中、成虫になったら木の樹液を吸い、また樹液を求めて林の中を飛び回る。
雑木林のてっぺんから下まですべての空間を行き来している。

雑木林にはカブトムシだけではなく、様々な生き物や植物が生きている。
でも、人間が好きな生き物ばかりではない。
やぶ蚊、ゴキブリ、ガ、スズメバチ、ムカデ、クモ、カエル、ヘビ・・・気持ち悪いのもいっぱいいる。
モグラやカラスなどカブトムシには意外と天敵も多い。
そんななかでもカブトムシはたくましく生きている。
みんな森の住人だ。

自然界でのカブトムシの暮らしぶりを思いながら飼育すると一層楽しい。
それがわかればカブトムシの身になって飼育することができ、いろんな工夫もできる。
カブトムシはデパートで生まれたわけではなく、ホームセンターで育ったわけでもない。
夏休みには雑木林に飛び出して生き生きとした野性のカブトムシをぜひ観察してみよう。
店で見るよりも比べものにならないぐらい大きな感動がある。

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