【Q】日本共産党は死刑制度についてどう考えているの?

最近、身勝手な凶悪犯罪が増え、そういった犯罪者に対し被害者側の感情も考慮し死刑を叫ぶ声が多く聞かれるような気がします。共産党は死刑についてどのような考えを持っているのでしょうか?

 政治や社会の深刻なゆきづまりを背景に、社会の病理現象ともいうべき凶悪犯罪が続発しています。その被害者・ご家族のやり場のない怒りや悲しみを思うと、私たちも胸が痛みます。
 私たちは、理不尽な犯罪の被害者となった方や、その家族・遺族のみなさんが、強い怒りや深い悲しみをおもちになることは、当然だと思います。犯罪被害者側への犯罪情報開示や被害者の人権保護、諸外国にくらべても遅れている被害補償、被害者のケア対策の充実など、犯罪被害者への対策強化を、いっかんして国会で追及してきたところです。
 昨年12月1日の参院本会議で、犯罪被害者を支援する基本理念や施策を定めた「犯罪被害者基本法」が、全会一致で成立しました。同基本法は、「すべて犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する」と明記。政府に「基本計画」の策定を義務づけ、@相談および情報の提供A損害賠償請求の援助B給付金支給制度の充実C保健医療・福祉サービスの提供―など13項目の基本的施策を定め、内閣府に設ける「施策推進会議」が「基本計画」案の作成などにあたることを規定しています。
 国会審議にあたって、日本共産党の吉井英勝議員は、犯罪被害者の「個人の尊厳」と「権利」を明記したことについて「不十分さはあるが、何らの権利規定もない現行の被害者施策からみれば改善だ」と評価。従来の犯罪被害者等給付金支給法は「お見舞い」という考え方に立った制度であり、「犯罪被害者の要望にこたえるには、いっそうの拡充が必要だ」と強調し、13項目の基本的施策の多くが財政措置をともなう点を指摘し、「予算措置をきちんととるのは当然だ」と強く求めました。
 日本共産党は、犯罪被害者への支援の拡充に、引き続き努力してまいります。
 同時に、死刑については、刑罰として適切なものではなく、できるだけ早く廃止される必要があると考えています。
 意外に思われるかもしれませんが、死刑は、国家が人の生命をうばうという重大な結果をもたらすにもかかわらず、凶悪な犯罪を抑えるという効果をあまりもっていません。
 殺人などの凶悪な犯罪は、たいていの場合、激情や自制心を失った状況で、あるいは自分だけは処罰を逃れられるだろうとの考えで犯されています。世界で多くの国が死刑を廃止していますが、これらの国ぐにで死刑廃止後に凶悪な犯罪がとくに増加したということもありません。
 ですから、国連が1989年、死刑廃止条約を採択し、91年に発効したことも、社会の進歩と発展の方向にそうものです。
 また、私たちは刑事裁判など、司法制度の民主的改革をめざしていますが、それが実現した状況を考えても、「誤判」の生じる可能性を完全にとりのぞくことは不可能です。「誤判」で死刑が実施された場合、それによって無実の人の生命をうばうという取り返しのつかない重大な誤りをおかすことになります。わが国でも、免田、財田川、松山、島田と4つの死刑確定事件の再審裁判で無罪判決が出て、「死刑囚」とされていた人たちが釈放され社会にもどったという事態は、この点についての深刻な問題をなげかけています。
 なお、日本共産党も含む超党派でつくる「死刑廃止を推進する議員連盟」は、終身刑の導入及び死刑制度調査会設置法案をまとめています。同法案は、死刑制度の存廃や死刑制度に関する事項について調査を行うため、衆参両院に死刑制度調査会を設け、調査会設置日から4年間、死刑の執行を停止するとしています。また、死刑と無期刑の間の中間刑として重無期刑(重無期懲役刑及び重無期禁固刑)を創設し、重無期刑には仮出獄を認めないとしています。
 以上、ご参考になれば幸甚です。

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