思い出の魔法

著:永瀬陽子

てるてる坊主を逆さにつるしてみたけれど、やっぱり効果はなかった。
天気は快晴。
校庭では、色とりどりの国旗が風にゆられている。
今日はボクが一年中で一番嫌いな日。
――運動会の日。
なぜ嫌いかと言うと、答えはカンタン。
ボクは体育が大の苦手で、大嫌い。
でも嫌いになるのはやめるって決めたんだ。
それは昨日の夜のこと。

「いいか、心の中にはな、小さなたんすがあるんだ。」
昨日の夜、運動会への不安をつのらせるボクに、お父さんが教えてくれた。
“思い出のたんす”のこと。
「“思い出のたんす”はな、楽しいと思った思い出だけしか、
引出しの中にしまってくれないんだ。・・・例えば――ユウ、得意なことは何だ?」
「んー?工作かなぁ・・・。」
「そうか。工作が好きか?」
「うん。得意だし、好きだよ。」
「ユウが工作が得意なのは、ユウが工作をするのが好きだからだ。
思い出のたんすの引出しは、好きな思い出をしまい込んでるから、
好きなことをしている思い出は絶対に忘れない。
だから好きなことは、やればやるほど得意になるんだ。」
「ふーん。」
「ユウが体育が苦手なのは、ユウが体育を嫌ってるからなんだぞ。
いいか、世の中嫌いになって損な事はめったにないんだ。
すべての物に好きになるか、嫌いになるかの二つの選択がある。
人世楽しく生きたいなら、たくさんの事を好きになっとくんだな。
――というわけで、明日の運動会、頑張って走れよ。応援してるからな。」

ボクが走る番になった。
――嫌いじゃないぞ。
今日から走る事も体育も、嫌いにならないって決めたんだ。
深呼吸。
落ち着いてやりなさいってお母さんも言ってた。
落ち着いて・・・もうすぐ・・・
もうすぐ―――!
「位置について、よーい!」
――――――
僕は走り出した。


→あとがきコロシアム←
ゲフゲフゲッフン。
またしてもヘボヘボモノです。短ッ!
その上季節外れー。あはーー。
もう笑ってごまかせってか?(ゴマかすな)
ちなみに、これは私の実体験をもとにしております。(だから?)
最後に。
終わりの二行間で、「フライングじゃん!」ってツッコミは無しにして下さい。
ろくでなし永瀬でした。


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