お伝えは各地に残されているので、翻刻も比較的豊富にある。また、これから所在が明らかになるものも多いと思われるし、翻刻されていないけれども所在が確認されているものもある。研究に用いる資料は広く一般に閲覧できる状態にあることが望ましいので、(正しい手続きと手段を以て作られた)翻刻が増えることは喜ばしい。
私が知る限り、出版されているお伝えには以下のものがある(2002/02現在)。底本の書写年代の古い順に排する。ただし、存在は知られていても出版されていないものはここに含めない。そういった、研究材料としてまだ使用できる状態にはないお伝えも少なからず存在する。私の知るものも含めてこれから活発に発表されるべきであろう。これらの中には、厳密に言えば影印や筆写も含むのでその違いも示した。リスト中に「翻刻」とあれば活字で表したものである。お伝えに用いられている角行系文字やレイアウトの再現に翻刻者が一様に苦心している様が窺える。もし、お伝えに関してこれ以外にご存知のものがあれば、ぜひご一報いただきたい。
| 年代/講(所在地) | 出典 | 形態 |
| 文政元年(1818)/山玉講 | 富士講アーカイブ講堂第十七講 | 翻刻(図版あり) |
| 文政8年(1825)/丸藤講?(不明) | 國書刊行會編『信仰叢書』(國書刊行會、1915)、p.473 | 翻刻 |
| 文政10年(1827)/赤池家所蔵伝空胎文書(静岡県富士宮市北山) | 富士宮市教育委員会編『史蹟人穴』(富士宮市教育委員会、1998)、p.306 | 翻刻 |
| 文政10年(1827)/赤池家所蔵伝空胎文書(静岡県富士宮市北山) | 富士宮市教育委員会編『史蹟人穴』(富士宮市教育委員会、1998)、p.310 | 翻刻 |
| 明治44年(1911)/山吉玉川講(東京都大田区下沼部) | 『大田区の民間信仰(念仏・題目・諸信仰編)』(大田区の文化財第十二集、大田区教育委員会、1976)、p.105 | 翻刻(図版あり) |
| 昭和?/丸藤宮元講社(東京都新宿区早稲田鶴巻町) | 『新宿区の民俗 (2)四谷地区篇』(新宿歴史博物館、1992)、p.189 | 翻刻(ただし、末尾の般若心経と底本の奥付を欠く) |
| 昭和3年(1928)/丸藤講(東京都足立区足立) | 富士講アーカイブ講堂第八講 | 影印 |
| 昭和4年(1929)/田端山元講社(東京都北区田端) | 『田端冨士三峰講調査報告書』(文化財研究紀要別冊第九集、北区教育委員会社会教育課、1995)、p.66 | 影印 |
| 昭和7年(1932)/丸参伊藤元講(東京都北区十条) | 『十条冨士講調査報告書』(文化財研究紀要別冊第五集、北区教育委員会社会教育課、1991)、p.168 | 翻刻(一部影印) |
| 昭和33年(1958)/田端山元講社(東京都北区田端) | 『田端冨士三峰講調査報告書』(文化財研究紀要別冊第九集、北区教育委員会社会教育課、1995)、p.78 | 翻刻 |
| 昭和61年(1986)/丸参伊藤元講(東京都北区十条) | 『十条冨士講調査報告書』(文化財研究紀要別冊第五集、北区教育委員会社会教育課、1991)、p.153 | 影印? |
| 不明/羽田木花元講(東京都大田区羽田) | 大田区教育委員会社会教育課社会教育係編『大田区の民間信仰(念仏・題目・諸信仰編)』(大田区の文化財第十二集、大田区教育委員会、1976)、p.111 | 翻刻(図版あり) |
| 不明/品川丸嘉講社(東京都品川区品川) | 『品川区文化財調査報告書 昭和49年度』(品川区教育委員会社会教育課、1975)、p.41 | 平野栄次氏による手書き。当講で現行のもの。『品川の富士講と山開き行事』p.120にも転載。 |
| 不明/品川丸嘉講社(東京都品川区北品川) | 品川区教育委員会編『品川の富士講と山開き行事』(品川区教育委員会、2002)、p.60 | 翻刻 |
| 不明/品川丸嘉講社(東京都品川区北品川) | 品川区教育委員会編『品川の富士講と山開き行事』(品川区教育委員会、2002)、p.67 | 翻刻 |
| 不明/丸吉講(田子山富士太々講)(埼玉県志木市本町) | 志木市教育委員会編『調査報告書 田子山富士』(志木市教育委員会、1996)、上巻p.164 | 翻刻・同書に他三点の部分のみ影印あり |
| 不明/丸吉講(田子山富士太々講)(埼玉県志木市本町) | 志木市教育委員会編『調査報告書 田子山富士』(志木市教育委員会、1996)、上巻p.166 | 翻刻 |