アララギ後継誌『短歌21世紀』ウィング21メール・シンポジウム「島木赤彦の歌から学ぶもの」での私の発言です。 : Keywords = 短歌21世紀,ウィング21,歌評,島木,赤彦,アララギ
短歌21世紀ウィング21
メール・シンポジウム・写生という名のもとに
「島木赤彦の歌から学ぶもの」中の拙発言
やせ松の松かさたたく小鳥らの嘴寒からんこの朝の霜に
つかま野の冬木の松のまばら松小鳥と我と住み馴れにけり
これは写生的ではないかもしれない歌だ。背景事情は分からないが、冬に郷里・信州に暮らしていた中での連作であろう。一首目は小鳥が松かさをたたく様を見ているが、寒いだろうというのは作者・赤彦の想像である。この想像に作者の暖かい視点を見ることができ、この視点に共感するものを覚える。二首目は連作の中の一環のもので、小鳥の姿を見ながら冬を過ごしている作者の感慨が現れていると思う。
雪降れば山よりくだる小鳥おほし障子のそとに日ねもす聞ゆ
これは聴覚印象を写生した秀歌である。「障子のそと」とあるから見た訳ではあるまい。「おほし」とあるから多くの個体数の声が聞こえたのであろう。雪が降る前よりも数が増えていたのであろう。多分雪が降って、山で餌が見つけられなくなって人里に降りてきたのであろう。その様子を思っている作者・赤彦の暖かな視点を感じることができる。先程の連作も同様だが、このような暖かな視点に共感を覚えるものである。
Keywords = 短歌21世紀,ウィング21,歌評,島木,赤彦,短歌