アララギ後継誌『短歌21世紀』所属歌人・神山卓也による平成17年短歌作品。 : Keywords = 歌集,和歌,短歌,神山,卓也,鹿児島
(注)なほ、非掲載歌も一部含む。
平成十七(二〇〇五)年 四十一−四十二歳
大久保らが通りしといふだけでこの普通の道が愛ほしくなる
それにしても名前聞くだけで微笑ましだつてさ猫のくそ小路だぜ
猫のくそ小路に近きこの辺り猫を見かけて笑ひが止まらず
東郷の生誕地跡を見たいから今宵は少し寄り道してみる
わが支店ビルの近くのこの場所に東郷生誕地の碑が建ちてをり
支店ビルがある町ここは歴史書で幾度も見かけし
加治屋町なり
江戸時代から続く家は何軒がここ
加治屋町にあるのだらうか
新潟育ち
金正日を死刑にする夢叶ふならば首斬る役は俺にやらせろ (落選非掲載歌)
金正日を斬りたしと思へどその脂肉は刀の汚れとなるかも知れず (落選非掲載歌)
鉄兜を割るがごとくに斬りしといふ
薩摩示現流のことを思へり
この街に住み得る幸せ友に語る幾度も我が語りたりしか
透明なる
鹿児島温泉の湯に浸かるこのひとときに疲れは消えゆく
霧島の温泉に浸かりてしみじみと心安らぐ静けさの中に
夜ふけて
霧島より見るあの街の灯りは
国分辺りだらうか
叶ふならば上がることなくいつまでもこの浴槽に浸かつてゐたい
折りに触れて
風邪ひけば微熱下がらぬ一週間過去患ひし腎炎し思ほゆ
だるしだるし今日も微熱は下がらねどこれから会社に行かねばならず
中国反日騒動
国交回復の頃の帰国生の友多しこの今のこと思ひ得ざりき
中国にゐる友が無事を伝へくるるメーリングリストにしばし向かへり
杜甫李白の詩を思ひつつ
通洲事件以降同じ民族のこころを思ふ
やうやくにこれで中国の実態が広く知らるるやうになるらむ
中国進出に反対して解任されし伯父のことしばしわが思ふなり
仙巌園の灯籠は妖怪に似てゐると父と二人で楽しみてをり
余りにも悲しいからと
知覧にて遺書を父は読み得ざりしか
アララギ後継誌『短歌21世紀』所属歌人・神山卓也による平成17年短歌作品オンライン歌集。鹿児島の短歌。 : Keywords = 鹿児島,和歌,短歌,神山,卓也,アララギ