「猫を飼ってる」というのには抵抗を感じます。猫は飼いならすような生き物ではないので余計にそういう気持ちが強いのかもしれませんが、「猫と共に居る」そういう表現の方がより相応しく感じます。古来より多くの人を魅了しつづけ、そして愛されてきた猫は詩や小説にも数多く登場します。このコーナーでは猫に関わる人間の姿を幾つかの作品を通して紹介していきたいと思います。 【画像は在りし日の健太郎君。NYの自宅窓よりワールドトレードセンターを眺めている所を撮影/無断転載はご遠慮くださいね】
「共生論」 松田幸雄
ソファーを頒かち合いながら ヘーリオスとぼくは眠る 彼は寝返りを打ち 足をぼくの脇腹に突っ張る ぼくは寝返りを打ち 腕を彼の上に乗せる
が いつとはなしにどちらかが譲って ふたたび平和に眠っている ルールとして 彼はけっしてぼくの眼に爪を立てないし ぼくは彼の髭をへし折ることはしない つまらない矜りがそれぞれの魂を守っている それを知るぼくらは等人格で等猫格だ
やがて 彼は起き上がって扉を引っ掻く ぼくが開けてやると 何事もなかったように じつに自然に 闇の中へ消えて行く ぼくは帰りながら(どこへ?) 思う すべての人間もこのように生きられたらいいのにと
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