神奈川総合法律事務所  
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韓国にて(2009年1月発行第38号掲載)

嶋﨑 量

 08年9月、韓国に行ってきました。日本労働弁護団の派遣法改正プロジェクトチームの調査旅行です。調査目的は、日本と似た法制度を持ち非正規労働者の問題が深刻化している韓国で、非正規労働者の実態を調査することでした。
 わずか2泊3日の強行日程でしたが、韓国の労働組合、労働弁護士、研究者と交流ができ、充実した調査旅行となりました。
 実際に現地へ行き調査をすることによって、文献では分からない現地の空気を体感できたのは、とても有意義な体験でした。
 例えば、民主労総(韓国の2大ナショナルセンターの1つ)を訪問した際には、公安警察が建物の周囲を取り囲み入場者をチェックする中建物に入ったり、組合幹部が逮捕されていることを聞かされつつ訪問したりしました。現在の日本では、労働組合活動で、頻繁に刑事事件化するというのは考え難い事態ですから、大変驚きました。
 ただ、事務所の先輩弁護士に言わせれば、日本でも、昔は労働事件が刑事事件化するのは珍しくなかったとのこと。現在の日本の状況は、長年の権利闘争の結果、労働問題への警察権力の安易な介入を排除できているからにすぎないのであって、獲得した過程があるのです。また、この獲得した権利の有り難みを忘れると、ズルズルと権利が弱まっていく虞もあるのでしょう。
 先輩方が獲得した権利を前提に仕事ができる私のような若手弁護士にとっては、こんなことも、韓国に足を運んだからこそ実感できたこと。そんな意味でも、韓国では貴重な体験ができたと思います。
 韓国の組合関係者の話を聞いてみて、私がもっとも影響を受けたのは、「団結」することの重要性です(労働運動においては、ごく当たり前のことですが)。韓国で話を聞いてみて、とにかく労働問題が起きれば、必ず組合に加盟し組織化して、労働組合だけでなく関係諸団体が協力して、団結して争議を行うというエネルギーに圧倒されました(裏返せば、韓国でも、組織化しなければ非正規労働者が闘うのは難しいのだそうですが)。

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 08年の年末、日本でも大量の有期契約の労働者や派遣社員に対する解雇、雇い止めのニュースが連日の様に飛び込んでいます。この問題は、弁護士だけで何かできる類の問題ではありません。日本でも労働者が「団結」して闘えるように、弁護士も労働組合等諸団体と協力していかねばならないし、私もそのお手伝いできればと思います。