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【過失と因果関係の調査】
医療過誤の発生ということで相談を受けた場合、弁護士は、相談者から、診療に至る経緯や診療経過について知っていることを説明してもらい、手持ちの資料も見せてもらい、結果の発生がやむを得ないものだったのか、それとも医療機関側の過失によるものだったのかを、調査することになります。
この調査は、上で述べたように、診療行為時点で医療機関に求められていた医療水準と比較して、実際に行われた診療行為に問題はなかったのかという観点から行う必要があります( 注1)。
そのためには、相談のケースでの疾患や傷害に対する標準的な診断・治療方法を知ることが必要です( 注2)。
また、仮に医療機関側に過失が認められる場合でも、債務不履行や不法行為に基づく損害賠償責任が認められるためには、その過失と発生した結果との間に因果関係があることが必要です( 注3)。
したがって、因果関係が認められるかどうかについても調査をします。
これらの調査にあたっては、医学文献や資料を収集したり、専門医の意見を聴いたりすることになります。
【証拠保全手続】
医療過誤の可能性があるとしても、それを裏付ける中心的資料は、医療機関が保管するカルテや各種記録ということになります。
これらには患者の主訴、所見、検査結果、診断内容、治療内容、看護内容などの診療経過が、全て記載されているはずだからです。
そこで、相談を受けた弁護士は、証拠保全という手続によってカルテ等を確保することを検討します。
これは、裁判所への申立によって、これらの記録をとりあえず調べてもらうという手続です。
この手続によって、カルテ等の記録のコピーが裁判所に保管されますから、以後は記録改ざんのおそれはなくなりますし、患者側も記録の内容を知ることできます( 注4)。
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