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日本漢文へのいざない |
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第一部 日本文化と漢字・漢文 |
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第五章 読解のための漢文法入門 |
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第一節 漢文法へのいざない |
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(4)三つの基本句式 ここでは、漢文の3つの基本句式について説明します。 3つの句式を分けるのは、その句の謂語に含まれる目的語(object)があるかないか、あるとしたら1つか2つかということで判断します。※ ※これは、何の目的語かというと、謂語の中心詞である「謂詞」の目的語です。謂詞は名詞である場合は当然のことながら目的語を取りませんが、謂詞が動詞・形容詞の場合は目的語を取ることがあります。 「目的語」(object)のことを漢文法では「賓語」(ひんご bīnyŭ)と呼びます。句式の分け方は、簡単にいうと、次のとおりです。 第1句式・・・謂語(述部)に賓語(目的語=object)を含まない句式 第2句式・・・謂語に賓語が一つ含まれる句式 第3句式・・・謂語に賓語が二つ含まれる句式
理解しやすくするために、図解してみます。 第1句式 (謂語に賓語を含まない)
第2句式 (謂語に含まれる賓語は1つ)
第3句式 (謂語に含まれる賓語は2つ)
句式は謂語に含まれる賓語の数で決まり、修飾語は全く関係しません。 修飾語には、名詞などの体言を修飾する語(連体修飾語) である「定語」と、動詞、形容詞などの用言を修飾する語(連用修飾語)である「状語」の二種類があります 。修飾語は、主語や謂語の成分(謂詞・賓語)を修飾します。※ ※謂詞を修飾する「状語」は謂詞の前に置かれる場合と、後ろに置かれる場合がありますが、謂詞の後ろに置かれる場合には「補語」という名称で呼ぶ人もあります。(「補語」を句式の分類に使う人もありますが、これは修飾語に過ぎないので、私は反対です。) では、次に実例を見ていただきましょう。 (a)第1句式 まず、第1句式(賓語がない句式)の例句を見ていただきます。 【例句1】 義帝天下之賢主。(蘇軾『范増論』) (訓読)義帝は、天下の賢主なり。 (現代語訳)義帝は、天下第一の賢明な君主であった。
上の句は、謂語の中心となる語である「謂詞」が名詞になっている例です。 図式は次のように単純化することにします。
義帝 [天下之] 賢主。(蘇軾『范増論』) [定語] 謂詞 └─────────┘ 主語 謂語
(b)第2句式 第2句式は、謂語に賓語が一つだけ含まれるものです。 【例句2】 軾七八歳時始知読書。(蘇軾『上梅直講書』) (訓読)軾、七八歳の時、始めて読書を知る。※ ※「読書を知る」は「書を読むを知る」、「書を読むことを知る」と訓読してもよい。 (現代語訳)私は七歳か八歳のころに、はじめて本を読んで勉強を始めた。
図式の単純化は次のとおり。
軾 [七八歳時] [始] 知 読書。(蘇軾『上梅直講書』) [状語] [状語] 謂詞 賓語 └───────────────────────┘ 主語 謂語
(c)第3句式 謂語が、二つの賓語を含む句式です。 【例句】 或問之年。(蘇軾『志林』) (訓読)或、之に年を問う。 (現代語訳)ある人が、彼ら(三人の老人)に年齢を聞いた。
これも図式を単純化しておきます。 或 問 之 年。(蘇軾『志林』) 謂詞 賓語 賓語 └───────────┘ 主語 謂語
漢文の基本句式は以上の三つです。 これらを見ると、漢文の句式(構文)は、「英語と似ている」と思われた方も多いと思います。英語と似ているので、英文の読解法をある程度参考にすることができるのです。 上の句式の図式において、謂語の部分は記号(└──┘)でくくっています。これは、謂語は詞の集合、すなわち「詞組」(word groups)であることを示しています。謂語は一つの詞(単語)であることもありますが、修飾語(状語・定語)や賓語を伴って、「短語」(phrases)と呼ばれる詞組になることが多いのです。
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公開日:2007年7月16日 |
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