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日本漢文へのいざない


第一部 日本文化と漢字・漢文


第五章 読解のための漢文法入門


第2節 詞と短語


       

(8)状中短語2 否定句と介賓状語

<否定句>

漢文の否定句は、動詞・形容詞の前に「否定副詞」が置かれている形式が多いのですが、この「否定副詞+動詞・形容詞」も状中短語です。

次の【例句3】の謂語「不美」を英語に置き換えて説明すれば、否定副詞「not」(状語)と「beautiful」(中心語)が結合した状中短語「not beautiful」が謂語になっているわけです。

 

【例句3】

不美

(訓読)花美しからず。

(現代語訳)花は美しくない。

 

花   []   美

  [状語]  謂詞

└──────────┘

(状中短語)

主語    謂語

(第1句式)

 

<介賓状語>

「介詞(前置詞)+その賓語」が状語として謂詞を修飾している例(介賓状語)を挙げておきます。

【例句3】

幼安与文与可遊。(蘇軾『石氏画苑記』)

(訓読)幼安(ようあん)文与可(ぶんよか)(あそ)ぶ。

(現代語訳)謝幼安(しゃ・ようあん=人名)は文与可(ぶん・よか=人名)と交遊した。

 

幼安 [与文与可] 遊。(蘇軾『石氏画苑記』)

 [状語]   謂詞

└──────────┘

(状中短語)

主語   謂語

 (第1句式)

 

 この句では、「与文与可」が謂詞たる動詞「遊」を修飾しています。最初の「与」は介詞(前置詞)で、英語のwithにあたるものです。「文与可」は人名で、介詞の賓語です。「与文与可」は、「with文与可」ということで、「遊」を修飾する状語です。

このような介詞とその賓語からなる状語を「介賓状語」と呼びます。

上の句では、介賓状語「与文与可」と謂詞「遊」で「与文与可遊」という動詞性の状中短語を形成しています。

介賓状語については後述します。

 

     


公開日:2007年7月16日


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