風水の考え方
読者の方から次のようなメールをいただきました。内容は風水に関心をお持ちの方には共通する疑問だと思います。なかなか難しいご質問ですが、可能な限り誠実にお応えするのが観気研の姿勢なのです。     (・・・ ホントかなぁ)
はじめまして。 私はDr.○○さんの風水に対して疑問をもち始めていた矢先でした。毎年毎年干支のこれとこれを置きなさい、○○の置き物だとご利益が得られる、という話にあれ?って思っていました。それで○○さんの本を読むことはやめていたのです。それでも最近本当についてないことばかりで、どこかに本当に正しい風水があるはずだ!とネットで「いい風水」を探していたところ、読んでいてなるほどなるほど、やっぱりそうだよなと共感できる観気研さんのサイトを発見しました。


そこで質問です。
皆さんは何で風水を勉強されたんでしょう?確かに風水の本を書店で探しても結局はみな自分のところの商品を勧めたりすることが多く、わかりませんよね。でも、いざ龍や亀などの置き物を買おうとすると、どういうものを買ったらよいかわかりません。観気研さんのバックナンバーに全て目を通したわけではないのですが、すごく共感できて信憑性(っていう言い方が失礼だったらごめんなさい)があるので知りたいのです。「幸せにどん欲に」をモットーに、こうしなきゃダメだといった脅迫的なところが無いのがとても心地よい。ほんとに幸せになれる気がしてきますね。


最初に鑑定料金を掲載しているところも正直でいいですね。普通は「相談をお寄せください」ってだけで、鑑定料金はその際にお知らせってのが多いですから。できればなぜその料金で低コストになるのかもあわせて教えていただくともっと嬉しいかも。(ほんとに失礼でごめんなさいね。○○さんの風水本や置き物を買うのに、かなりお金を使ってしまって(^_^;)。色々あって、ただただ純粋に本当の意味での風水を勉強をして幸せになりたいだけなのです。読んでいて納得させられること、ホント多かったですよ。初心者が勉強できる資料など、できる範囲でよいので教えて下さい。よろしくお願いしますね。
埼玉県  クリス茶子
日本観気研の回答


風水のテキストについては、本当に多くの方からご質問をいただきます。しかし、『これ一冊であなたも風水師』になれるハウツー本は、私の知る限り皆無です。


そこで、現在日本で比較的簡単に入手できる、もっとも有名で真面目な風水研究書はなんだろう、と考えてみました。たぶん1931年に刊行された『朝鮮の風水』という本ではないかと思います。この本はどなたにでもお薦めできるというものではありませんが、こういった本もあるというお話しです。


著者は村山智順。社会学の研究者といえばいいでしょうか。当時の朝鮮総督府が、朝鮮半島における風水の実態調査を村山氏に命じ、その結果をまとめたものです。朝鮮総督府は1905年(明治38年)の第二次日韓協約によって、日本が韓国京城(現ソウル)に設置した官庁です。最初は『韓国統監府』と呼ばれていたのですが、1910年(明治43年)に『朝鮮総督府』として改編されました。ついでながら韓国統監府の初代統監はあの伊藤博文でした。早い話が日韓併合による、日本の植民地政策の中枢機関が朝鮮総督府であり、太平洋戦争が終結する1945年(昭和20年)まで朝鮮支配を続けたのです。


この朝鮮総督府が風水の実態調査をしたのは、風水を無視することができなかったこともありますが、朝鮮統治にあたって風水が利用できるという思惑もあったからです。それほど風水は朝鮮の風土に浸透していました。それを逆手にとって植民地政策に利用しようと考えたのです。この結果から朝鮮総督府は、朝鮮半島の風水を破壊していったのです。現在でも日帝断脈説として韓国では語り継がれています。もっとも清朝時代に中国を蹂躙した欧米列強国は、中国国内でそれ以上の破壊活動をしていましたね。


当時のことについては興味深い話も多いのですが、話がそちらに向くと止めどなく脱線しますので、この話はこの辺にしておきましょう。なお、この『朝鮮の風水』は確か十数年ほど前に、ハングル語版が出版されベストセラーになったと聞いております。また日本国内では現在も出版されているはずで、書店に注文すれば入手可能です(確認はしていませんが)。平成9年の時点では「朝鮮の風水/朝鮮総督府編」として国書刊行会から税別価格¥9,709円で出版されていました。ちょっと高いようにも感じますが、内容を考えれば高くはないでしょう。なお、大正十五年に服部宇之吉なる中国研究者が著書『支那研究』の中に『風水論』という中国の風水についての学術論文を掲載していますが、こちらは古書店で探すしか入手方法はないでしょう。


では、話を風水の勉強に戻しましょう。
まず、最初にお断りしなけれぱならないことは、自分で風水をみるということは、他人の風水もみることができるということです。「そこまでできなくてもいい」とお思いかもしれませんが、現代風水のウソ・ホントを見破るためには、やはりそれ相応の知識が必要になります。・・・と言うことは、一朝一夕にはいかないということですね。ガッカリしました? でも、時間が掛かっても、気が付いたら専門家になっていた、なんてこともありますのでがんばって損はないですよ。


さて、ステップ1は本探しです。
まず書店の風水コーナーで手当たり次第に風水本をめくってみましょう。パラパラっと走り読みするだけで、なんとなく気が合いそうな本と、読む気がしない本があることがわかります。どんなに素晴らしい本でも、自分に合わなければいくら読んでも頭には入りません。それどころか読むこと自体が苦痛になります。そこで気の合う本をできるだけ多く探しましょう。そうです、一冊ではなく2冊3冊と読まなければなりません。読み進んでいくうちに、あなたが興味を引かれる箇所がでてきます。そうなればステツプ1は終了です。


経験として、一冊の本から得られる情報はひとつあるかないかです。300頁くらいのハウツー本で、ひとつでも得るものがあれば“儲けモノ”と思っていいでしょうね。


次にその興味を引かれた箇所を追求していきましょう。例えば『気』というものに興味を引かれたら、気についての本を読みます。この段階で風水本から離れることになります。気については専門の研究者や東洋医学の関係者などが、それぞれの立場で本を書いていますので、ステップ1の風水本と同様に気の合う本を探し、その中からまた興味を引かれる箇所を追求していきます。これを繰り返していくと、風水ハウツー本から始まった勉強は『気→気功→東洋医学→道教→中国古典→仏教→日本史』などへと興味が広がっていきます。また、観相学や精神医学などに発展する場合もあります。


頭で考えると大変そうですが、こういった探求心はごく自然に連鎖的に広がります。知らず知らずのうちに、多くの知識が身に付いていることに驚かれることでしょう。楽しいですね。


さあ、ここまでくるともう大丈夫。メディアが流す風水のウソ・ホントが見えるようになります。場合によっては、思わず吹き出してしまうような風水に出会うこともあるでしょう。また、専門家向きに書かれた風水書も、読んで理解できるはずです。決して難しいことではありません。なお、付随する効果として、いかがわしい宗教や開運商法を見破る知識も備わります。あなたが開運グッズをお持ちなら、それがどういうものなのかも分かってきます・・・分からないものもありますが。




次に風水のもうひとつの要件です。
風水では「あの山は鶴が舞い降りた姿のようだ」とか、「この川は猛り狂った龍のようだ」などと形容します。聞いたことがあるでしょう。芸術的感性とでも言えばいいのでしょうか、こればかりは本で修得することは不可能です。実際に自分の目で見て、感性を磨かなければなりません。


そのために、まず日常の風景から見直してみましょう。私たちは毎日さまざまなモノを見ていますが、自分に直接関係のないモノはただ漫然と見ているだけです。普段見慣れた街も、風水的な目で見れば今までとは違って見えてきます。ついでに方位磁石も携帯しましょう。羅盤まで用意する必要はありません。方位に慣れることも必要なので、アウトドアショップなどで売っている方位磁石がいいですね。実用本位で選んでください。このトレーニングで山が玄武に、河川が青龍に見えるようになればしめたものです。ビルなどの建築物を見ても、「これは火形」「これは土形」などと判別できるようになっているでしょう。


このレベルになるともう誰に聞かなくても、自分に必要な知識が何なのかが分かります。もちろん、ひと月やふた月で修得できるものではありませんが、これがもっとも確実で間違いのない方法です。大変そうに感じるかも分かりませんが、大変なのは最初の風水ハウツー本を読むことぐらいではないでしょうか。そこさえクリアーすれば、後は人間がもつ『知識欲』という強力な本能があなたを引っ張ってくれます。


風水の素晴らしさは、その奥に潜んでいる宇宙の真理であり、人間の真理です。これを言葉で説明するのは困難ですが、風水の勉強を続けていけば必ず会得できます。風水はあなたの人生に力強いパートナーになりますので、ぜひチャレンジしてください。
さて、日本観気研の鑑定料金についてです。
日本観気研の場合、現在は住宅風水¥30,000円、商業風水¥100,000円の鑑定料です。これはあくまでも通信鑑定であり、よほど特別な場合を除いて出張鑑定はしておりません。ではこの鑑定料金は高いのか安いのか?依頼する方は高いと思い、依頼を受ける側は安いと感じている、と言ったところですね。


例えば、生年月日や名前をパソコンに入力すれば、メールで鑑定書が送られてくるという、占いのサイトはたくさんあります。そういった事前に何種類もの鑑定パターンを作成しておき、鑑定依頼がくればPCが自動的に鑑定書をチョイスして、依頼人に返信するというシステムを作っておけば、誰でも占いサイトが開設できます。そういったソフトもあります。これであれば自動販売機と同じですから、鑑定料金は¥100円でもいいでしょう。


日本観気研に風水鑑定の依頼をされた方はご存知ですが、依頼人にとって日本観気研へ鑑定依頼するのはとても面倒です。最初にご送付いただく鑑定資料も、依頼人にとっては結構手間が掛かると思いますし、その後も鑑定報告書が完成するまでに、何度もご質問させていただいたり、追加の資料をお願いしたりすることもあります。
当然のことですが、鑑定報告書のフォーマットがPCにある訳でもなく、一件一件すべてが手作りの報告書になります。一件の鑑定に要する時間も平均2週間は掛かっています。また、一カ月にお受けできる鑑定件数はせいぜい5〜6件でしょうか。がんばればもっとできるのでしょうが、鑑定作業は精神的にかなりの重圧が掛かるのです。それに風水は時代とともに進歩するため、勉強する時間も必要です。そうなると月5〜6件の鑑定依頼もきつくなることがあります。仕事嫌いという本人の性格もありますが・・。




鑑定を依頼される方は、多くの場合何らかの問題を抱えておられます。鑑定作業はそれらを自分の中に蓄積させることになります。鑑定が終わってもそれを簡単にリセットできないこともあります。正直に言えば、ビジネスとしてもう少し適当に、世間が期待しているようなもっともらしい鑑定書を作成し、風水グッズの通信販売をしたいなぁ、なんて願望(野望?)がないとは言いません。しかし、いざ鑑定依頼がくると、どんどん深みにはまっていくのです。いずれはまともな風水関連グッズなどの販売もするような気がしますが、それを探してくるまでにはまだまだ時間が掛かりそうです。結論としては、現在の鑑定料金は生産性からはじき出した、最低限の料金設定ということになりますでしょうか。


本音を少し言いますと、できれば有料の風水鑑定はしたくないのです。毎日、本を読んで、のらりくらりと暮らすのが理想なのです。しかし、今の日本は呼吸しているだけでもお金が掛かります。荘子のように生きることは不可能です。


他の風水鑑定人が、どのような考えを持って運営されているのかは知りませんが、日本観気研の考え方がスタンダードだとは思っておりません。風水鑑定もサービス業と考えれば、依頼人が喜ぶものを提供することが最上の方法ともいえます。しかし、勝手なことを言わせていただければ、我々は風水をサービス業とは考えておりません。お金は戴いても気持ちはNPO(非営利組織)なのです。だから、牛歩のごとき観気研・・なんですね。
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