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凄まじい快楽の高波が過ぎて瞳を閉じ夢心地な気分にどっぷりとつかっていたユキの鼻先に生臭い匂いが漂ってきた。スルメに似た香り、祥一のペニスに違いない。
雄の性臭が、ユキの意識を現実の淫猥な世界へ引っ張っていく。
心地よさに後ろ髪をひかれながらも、薄っすらと瞼を開くと、血管を浮き上がらせピクッピクッと震える祥一のペニスがあった。
(あぁ、すごい……)
顔の横で正座しペニスを突きつけている祥一が無言で頷いた。
祥一が何を求めているのかわかっている。
そうだ、まだ、終わっていないんだ。まだ、二人は結ばれていない。
目の前で誇らしげにそそり立つペニスを引き寄せ、舌で先端をぺロリと舐めた。
「あぁっ、ユキちゃ……」
責めているとき怖いくらいに欲望をぶつけてきた祥一が一転して弱々しい声をだす。男から男の子になったような感じがする。
(かわいい……)
迫力のあるベニスが可愛く見えてきて、首をあげ一気にペニスを口に含んだ。
はっきりいって今までフェラチオは好きじゃなかった。
こっちは感じないし、楽しくない。ただ、顎と舌が疲れるだけ。それに、なんといっても、あの先っぽからおしっこも排出するのだ。なんで、そんな汚いものを舐めなければならないのと、嫌々ながらしゃぶっていた。
きっと、みんなも同じなんだろうな、と思っていた。
しかし、同僚であり親友の香澄はフェラチオが大好きだという。おちんちんが美味しいとさえ言った。それに何といっても好きな男が悶えるところに、感じてしまうとも言っていた。
そんな香澄が理解できなかった。肯定も否定もせず、ただ、うんうんと頷いてはいたが、心の中では彼女を蔑んでいた。色狂いって。
ごめんなさい……。
でも、今、香澄の言っていたことがわかった。
ペニスが美味しいとは思わないが、愛おしさを感じている。なぜだろう?
初めてときめきを感じている祥一のものだから? それとも初めてオンナの悦びを与えてくれたものだから? きっと、理屈じゃないのだろう。
ただ、はっきりとわかったことが一つある。
こうしてペニスを舐めて、祥一が気持ちよさそうに呻き感じてくれていることが嬉しい。
「あぁっ、気持ちいいよ、ユキちゃん」
祥一の言葉にズキンっと子宮が疼くのを感じた。
もう一つわかった。
感じている、直接的な刺激ではないが、背筋に震えが走るほど気分が高ぶっている。これが香澄の言っていたベニスを舐めながら感じるということなのだろう。
「ううぅっ」
祥一の指がグチョグチュの膣肉にヌルリとはいり、たまらずくぐもった声をあげた。
(そんなとこ弄られたら、できなくなってしまう……)
と、祥一に目で訴えるが、祥一は構わず挿入した指を動かしてくる。女の粘液でたっぷりと濡れた淫裂からクチュクチュと淫猥な音が鳴っている。
「あぁ、いやらしい、なんていやらしいおま○こだ」
「やっ」
おま○こという四文字に忘れかけていた羞恥心が急速に蘇えり、思わずペニスから唇を放した。
「だめだよ、ちゃんとしゃぶって」
「だってぇ、祥一さんが変なこと言うから……」
「いやかい?」
そう訊ねられると答えることはできない。祥一好みのオンナになりたいというのもあるが、実際に祥一の口から出るいやらしい言葉に少なからず精神的な快感を得ていたからだ。
「いい、ありのままの僕を見せるって言ったよね。僕はいやらしい言葉を言って興奮する。できればユキもそれを受け取めて欲しい。それに言葉もセックスのうちだよ」
「でも、恥ずかしくて……」
「恥ずかしいと思う心も、セックスのうちだ」
「あんっ」
祥一が膣肉を弄りだした。男の舌で一度果て敏感になっている膣壁にごつごつとした男の指が這い回り、大波小波と、止め処無く快感への波が襲ってくる。
「しゃぶって」
祥一に言われるがまま、再びペニスを咥え舌を動かしだした。
くちゅ、くちゅ、ぴちゃ、ぴちゃと上の口と下の口から聞こえる淫らな音がいっそう情欲を刺激する。
(ああっ、すごい……すごくいやらしい)
打ち寄せる快感の波に耐えながら、離すまいと頬張っている太い男のものを埋めて欲しいとの思いが心の底から湧き上がってくる。
細い指では満足できない。今すぐにでも、ヴァギナに口の中にある太いぺニスを入れて欲しい。
けれど、恥ずかしくて、口には出せない。それに、こうして淫らなことをしているとはいえ、祥一自身がどんな女が好みなのか、二度目ではまだわからない。
でも、欲しい、早く入れて、との思いで、めくるめく快感に耐えながら舌をまわしつづけた。
「あぁ、ユキ、いいよ……裏筋も舐めて」
ペニスから唇を外し、雁を手で支えながら、一本の太い線に舌を這わせた。祥一が呻く。
「そう、気持ちいいよ。次は玉も……あっ、いたっ」
言われるがまま淫嚢に舌を這わすと祥一が苦しそうな声をあげ、腰をひいた。
祥一を見上げると眉をへの字に曲げていた。
「……ごめんなさい。こんなところ舐めたの初めてだったから」
「いや、いいんだ。ここは凄く気持ちいいんだけど、あまり強くされると痛いんだよ」
「ごめんなさい」
「いいさ、それよりももっとユキちゃんに舐めて欲しい」
祥一はそう言って立ち上がり、手を伸ばしてきた。
祥一の手を掴み、身体を起こし、正座した。
目の前のそそり立つ男のたくましいものに再び唇を被せる。
「そう、いいよ……今度はいやらしい音をたてて」
音をたててなんてしたことがないので戸惑った。
しかし、以前、会社の慰安旅行で温泉地にいったときに、香澄たちとキャーキャーと黄色い声をあげながら見たアダルトビデオでそんなフェラチオを見て、フェラ談義に花を咲かせたことがある。その時『こうしてやるのよ』と香澄が自分の指を銜えて音を鳴らした。
その時のことを思い出し、真似てみる。
チュッ、チュッ。
「そう、そうだ、あぁ、いやらしい、いやらしいよ、もっと、もっといやらしくしゃぶって……」
祥一が悦んでくれているが嬉しいがなかなかコツがつかめずに、祥一を見上げた。
「唇に隙間を作ってチュパッ、チュパってやってみて」
祥一に言われるがままやると、直にコツがわかった。
ブチュッ、ジュボッ、チュッ、ジュルッといやらしい音をたてながら、愛しいものを舐めまわす。
「ユキちゃん、僕を見て、見ながら舐めて……」
恥ずかしいけど思い切って祥一を見上げた。うっとりとしているような瞳で祥一が見つめている。
「そう、僕を見ながら激しく、舐めて」
亀頭の回りに激しく舌を絡める。
「あぁっ、気持ちいい。もっと、もっと激しく、あっ、だめだっ、いきそうだっ。ユッ、ユキっ、ちゃん、出していい……お口の中でだしていい?」
激しいフェラチオによって祥一が我慢できなくなり、ペニスを膣へ挿入してくれるのを待っていたのだが、祥一が望むならばいい。
ペニスから口を離さずに頷いた。
その瞬間、唇にペニスの力強い脈動を感じ、
「あっ、だめだっ、でるっ! うっ、うっ、うっ!」
祥一の呻き声と連動しビュッ、ドビュッと凄まじい勢いで口の中に生暖かくトロリとしたザーメンが広がった。
脈動を終わり、祥一がゆっくりと腰をひいた。
太いものが抜かれた口の中には生暖かく粘っこい精液が溢れんばかり広がっている。
これをどうしよう? と戸惑っていると、唇の隅からとろりと粘液が零れだし、これ以上零さないように顎を上に向けた。
(どうしようか? 飲んだほうが悦ぶんだよね)
香澄が言っていたことを思い出す。
『美味しいといえないけど、好きな男のものだったら仕方がないかな。だって、喜んでくれるしね』
初めての精液を飲み込むことにためらいはあるが、祥一に喜んでもらいたいとの一心で思い切って喉を鳴らした。
ゴクリ。
喉にツンとした刺激が走り、胃に向かって流れ込んでく。
正直、美味しくない。直にでもキッチンに行って水を飲んで喉にまとわりつく粘っこい液をとりたいくらいだ。
でも、そうすると祥一は嫌な気分になるだろう。
「あぁっ、ユキちゃん、ユキちゃんが僕のものを飲んでくれるなんて……嬉しいよ」
何て言葉を返していいのかわからないけど、たんぱく質のかたくまりのようなヌメヌメとした液体は美味しくないが、祥一が喜んでくれていることが心から嬉しくて、思い切って飲んでよかったと思った。
そんなことを思っていると、祥一が顔を寄せ、顎に張り付いた祥一自身の精子を舌で舐めとり、唇を重ねてきた。
口の中に残る粘っこい液体を拭い取るように舌を這わせてくる。
優しさのこもったキスに喉に残る不快な感じも不思議とどこかへ消えていく。
そして、祥一が手を取ってペニスへ導いた。
そこは、ほとんど硬度を失ってはいなかった。
「もっと、もっと、ユキちゃんを感じたい……今度はユキちゃんのおま○こを感じたい」
もちろん、ユキも祥一と同じく、これで終わりにはしたくなかった。
アクメに達することができたが、何かがものたりないと、子宮はズキズキと疼いている。もっと強烈な刺激が欲しいと太いものを待っている。
ユキはうんと頷いた。
祥一にそっと押し倒され、男の手が脚にかかり、膝を立てられた。
ベニスの先端がぐちょぐちょに濡れた割れ目に触れ、太い雁が膣肉を押し開き、ズンッと一気に奥まで入ってきた。
「ああぁっ! すごいっ!」
指では決して味わうことのできない膣の壁全域が押し広げられる快感にたまらず声をあげた。
ズンッ! ズンッ! と太い肉が壁を擦って子宮口に先端がぶち当たる。全身に痺れるような快感が駆け巡る。
次々と襲ってくる快感に羞恥心は雲散し、悲鳴に近い声をあげながら、両手を祥一に首に絡め、自ら腰を突き上げ、祥一に応える。
「あぁ、だめっ、だめっ、凄い、いいっ、つよい、強すぎるぅぅっ」
と、打ち寄せる快楽を貪っているとき、祥一が腰を止めた。
「やっ、やめ……」
やめないでと言おうとしたら、祥一が腕を掴み引っ張った。マットから背が浮き上がりペニスがぐっと膣の上壁を圧迫する。
そして、祥一が太いものを抜くことなく器用に後方にあった脚を前に入れ替え、向かい合い抱っこされているような格好になった。
「ユキちゃん、見てごらんよ」
祥一が両手を背後へつき背をそらした。
祥一の視線の先を追うと白濁した液で濡れている肉棒の根元が目に映る。
男と女の結合部はインターネットで何度か見たことがあるが、まさか自分の結合部を見ることになるとは思わなかった。グロテスクな肉の塊が、卑猥な肉に突き刺さっている。その、生々しさに恥ずかしくて頬が熱くなる。
「はいっているだろ」
「うん、はいってる」
「何がどこにはいっているんだか、言ってごらんよ」
「やだぁ……そんなぁ」
「言えない?」
「いじわる……」
「じゃあ、僕が言おう。ユキちゃんのいやらしいおまんこに僕のチンポが突き刺さっているよ。ユキちゃんも言ってみて」
「えぇ……わたしのお……こに祥一さんのものが……やぁぁぁん、恥ずかしい」
顔から火が出るのではないかと思うほど恥ずかしい。
「好きだよ、ユキ……」
祥一が軽くキスをしてベッドへ寝転んだ。
太いものがぐいっと深くはいってくる。
「あぁぁんっ! きつぃぃぃ!」
痺れるような快楽が立ち昇り、眉間に皺を寄せた。
「腰を動かして」
祥一に言われるがまま腰を緩やかに振りだした。
「はぁぁぁっ、だめっ、感じすぎちゃう」
女性上位は始めてではないが、自ら腰を振ったことなど今までにない。膣肉が肉棒で擦れとクリトリスが恥骨で擦れる、この二箇所から同時に上ってくる強烈な快感がたまらない。
怖いくらいに感じてしまう。
けど、怖さよりも快楽の追求の方が既に勝っている。
乳房を揺らし、髪を振り乱し腰を前後に振ると、すさまじい快楽が次から次へと襲ってくる。陰部から漏れる蜜の音がいやらしい。
祥一が左手で乳房を揉みだした。次に右手を結合部へ伸ばし、敏感なクリトリスを親指で弄りだした。
恥骨よりももっと強い刺激がクリトリスに走る。
乳房と膣肉、そしてクリトリスの三箇所同時にくる快感に我を忘れて髪を振り乱し腰を動かしつづけると大きな波が襲ってきた。
「やっ、いやぁ! あぁ、跳んじゃう! だめっ、だめっ、いっ、いきそうっ! いっちゃうっっ!」
その瞬間、脳裏に白い閃光のようなものが走りぬけ、身体がふわぁっと浮かぶような感じがし、背中から後方へ崩れ落ちていった。
「あぁん!」
再び感じた膣肉を擦る強烈な刺激に瞳を開けると眉を顰め額から汗をたらし、息を荒げている祥一がいた。
祥一の上になっていたはずなのに……。その後の記憶が飛んでいる。
ズン、ズンッと子宮を突かれ、快楽の波が再び高まっていく。
「あぁ、だめっ! 壊れちゃうっ!」
何かに掴んでいないと、跳んでいきそうな感じがし、両手を祥一の背中、両脚の腰に巻きつけた。
突き上げが一層激しくなった。
「ああぁ、いくっ、いくよっ!」
「いっ、いいっ! いくぅぅぅっ!」
再び稲妻が走ったと同時に、熱いものがお腹から乳房にふりかかったのを感じた。
*
「ゆきちゃん、最高だったよ」
精液で汚れた身体をテッシュペーパーで拭き取りながら祥一は言った。
「わたしも……」
祥一がテッシュを丸め、ゴミ箱に捨て、床にあるワイシャツのポケットの中からタバコを取り出し火をともした。
祥一がタバコを吸い込むとその先が明かりを強くする。
「ユキちゃん、愛しているよ」
「わたしも祥一さんが大好き」
「あ、愛しているとは言ってくれないんだ」
「……あいして……やっぱり、だめっ」
「なんで?」
「まだ、わかんないから……」
「ん!? わかんないって?」
「わたし、理屈っぽいところがあるんです。愛という言葉は重いものだと」
「ははぁん、確かにそうかもしれないね。なにしろ、愛するという言葉は、相手の全てを受け入れるということだからね。そっか、軽々しく出す言葉じゃないよなぁ……」
「そうなんですよね。でも、こんなに男の人を好きになったのは初めて……」
「はは、嬉しいなぁ」
「祥一さんは?」
「僕も同じだ」
「だめっ、ちゃんと言って」
「はは、そう言われると照れるなあ」
視線を逸らし笑いながら煙草を揉み消す祥一をジッと見つめ言葉を待った。
「僕も大好きだ……」
祥一は照れくさそうに言い、チュッとおでこにキスをし、ベッドに寝転び目を閉じた。
「祥一さん……」
「んっ?」
「いいんですか?」
「なにが?」
「このままここに居ても」
「ここに居たらいや?」
「いえ、居てくれた方が嬉しいです。でも……お家の方は大丈夫なんですか?」
「はは、心配してくれてありがとう。大丈夫だよ、オヤジはずっと愛人のところに入り浸りでうちにはいないし、お袋は外泊したって何も言わないから」
「え、社長が……」
祥一の父親である社長に愛人がいるという噂は耳にはいっていたが、まさか、家にまで帰ってないとは思わなかった。
「寂しくないですか?」
「あぁ、小学生の頃は寂しさを感じていたけど、もぉ、それが当たり前になっているから慣れてしまったけどね」
「え、そんな頃から?」
「そう、四年生のときから、ずっと家にはいないよ」
「お母様が可哀相……」
「あぁ、そうだね……僕は社長としてのオヤジは尊敬しているけど、父親としては最低な人間だと思っている……」
今、寂しさはないと祥一は言ったが、言葉のトーンから祥一の寂しさを感じた。
「祥一さん……」
「僕は決してオヤジのようなことはしない。まだ付き合ったばかりで早いかも知れないけど、僕はユキちゃんと一緒になったら、君だけを見続けていくから……」
「そ、そんなぁ……」
結婚という二文字が脳裏に浮かび、ユキは頬を染めた。
「ねぇ、ユキちゃん」
「はい」
「さっきも言ったけど、まだ早いけど、そうだ、三年……三年間、三年後にこうして付き合っていたら、結婚しないか?」
結婚だなんて、全く思ってもいなかっただけに驚きで即答できない。結婚できたらどんなに幸せだろうと思うけど、祥一はサラブレッド、自分は一般家庭で育った普通の娘、果たして釣り合いがとれるのだろうか……。愛があれば互いに好きあっていればいいとは思うけれど、ただ、そこにたどり着くまでは障害があるような予感がする。
「いやかい?」
「いえ、いやじゃありません。結婚だなんて、いきなりだったから……」
「はは、ごめん、ごめん。どうやら熱くなりすぎているのみたいだ。三年たったら改めてプロポーズするから、その時は受け止めてくれるね」
「はい……」
力強く言い祥一につられたのか、本能によるものなのか「はい」と答えてしまった。だけど、嬉しい。三年間という長い道のり、山もあれば険しい谷もあるだろう。しかし、それを乗り越えれば、きっとゴールは輝いている。障害があるような予感は消えないが、まだ三年も先のこと。今、考えても何も生まない。ともかく、今、この時を大切にしていこう。祥一だけを見つめて。
「ユキちゃん、こっちにおいで」
祥一の左腕に頭を預けた。
「ユキちゃん、俺、今、最高に幸せだ……好きだよ」
と、祥一は瞼を閉じた。
「わたしも」
ユキは祥一の胸に頬を寄せ、瞳を閉じた。
祥一の腕に包まれていることが心地よい。包み込まれているという安心感からだろうか? もぉ、記憶にはないが、母親に抱かれる赤ん坊はこんな気分なんだろうな、と思いながら、強烈な睡魔に襲われていった。
第一部 完
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