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99.長沢 亜沙美ー3
亜沙美は急に恥かしくなった。
(わたしったら……祐輔さんを疑ったりして。花が好きな人に変な人は居ないわ! 内容も知らないみたいだし……良かったわ〜あれ? わたし、どうしてそんなに気にするの?)
亜沙美は奥からビデオの入った袋を持ってきた。
「あぁ、スミマセン! お礼に、じゃないけど、草取り手伝いますよ」
「そう、じゃぁ、お願いしようかしら?」
「だけど、近所の人が変に思わないかな? 訳の分からないオトコが奥さんと親しそうにしていたら」
「あら、大丈夫よ! もし聞かれたら、従弟だって言うわ!」
「そうですね! 従弟なら不自然じゃないですね」
祐輔は荷物を部屋に置き、花壇に向かった。
亜沙美は何故かウキウキしていた。
小さな花壇……雑草を取るのは、そんなに大変ではなかった。
それなのに、亜沙美はあえて祐輔に手伝ってもらった。
自分でも不思議だったが、それは単に花好きという理由だけだったのか?
この時の亜沙美は、祐輔を特別なオトコだとは思っていなかった。
30分ぐらいで花壇は見違えるようにキレイになった。
「ふぅ〜〜」
「凄いわ〜ありがとう」
「最後は、花壇の周辺にも水をまきましょう」
「そうね! でも、ウフッ……」
「エッ! なぁに?」
「顔が汗と土で……うふふ」
「そういう奥さんだって」
「エッ! そぉ〜お?」
亜沙美は建物の横から散水用のホースを持ってきた。
「じゃぁ、いいわよ〜蛇口をひねって〜」
「いきますよ〜」
祐輔は蛇口をひねって出てきた。
勢いよく水が宙に飛び、夏の暑い光に輝いていた。
「キレイだ!」
「エッ?」
「キレイですね〜」
「えぇ、暑いけど気持ちがいいわね〜」
「奥さんも輝いてキレイですよ!」
「エェ〜〜ッ!! 冗談ばっかり〜」
「ホント、本当ですよ〜」
亜沙美はドキッとして言葉が続かなかった。
「あれっ?」
ホースから急に水が出なくなった。
亜沙美はホースの先を見たり振ったりした。
「キャァ〜〜ッ!!」
突然、水が出始め、亜沙美の胸や脚がびしょ濡れになった。
「大丈夫〜?」
祐輔が少し悪戯っぽい表情で現れ、足でホースを踏んで見せた。
「あぁ〜〜〜、子供みたいなことをしてぇ〜」
亜沙美はホースの先を祐輔に向け追い回した。
近所の人が見たら不思議な光景だったはずだが、幸運にも誰の目にも触れず、ふたりだけの無邪気な世界だった。
「あぁ〜あ、どうするの?」
「スミマセン……つい!」
「もぉ〜〜仕方がないわね〜さぁ、中に入って!」
亜沙美は祐輔を連れて家の中に入った。
「どうしようかしら? 困ったわ〜」
「平気ですよ! 夏だし、このまま帰りますよ」
「ダメよ! みんなに変な目で見られちゃうわ! あと3時間もすれば息子の隆司が帰ってくるから……この暑さなら、2時間も干せば乾くかも? ねぇ、シャワーを使って! ジーンズとTシャツ干すから」
「奥さんは?」
「わたしは……後で……ほら、早く!」
亜沙美は祐輔を浴室に連れていった。
「脱いだら、そこに置いて入って」
祐輔は亜沙美の言うとおりにして浴室に入った。
祐輔のジーンズやTシャツは、思ったほど濡れていなかった。
(これなら、すぐに乾くわ!良かった)
亜沙美は軒下にジーンズとTシャツを干して戻った。
「すみませ〜ん、奥さん……」
「ん? 何ですか?」
亜沙美は洗面所のカーテンの傍で聞き返した。
「着る物が……下着は濡れてないからいいけど……トランクス1枚では、ここから出れなくて……」
「あっ、そうね……悪いけど、そこのバスタオルを巻いて……」
「あ、はい……じゃぁ……」
すぐに腰にバスタオルを巻いた祐輔が出てきた。
「ごめんなさいね、祐輔さんに合う物が無くて……」
「いえ、かえってご迷惑をお掛けして、僕の方こそ」
亜沙美は祐輔の逞しい胸板、腹筋を見てドキドキした。
(イヤだわ〜わたしったら……遥か年下の学生に……)
亜沙美は祐輔の裸の上半身を見て、例の3Pハードコアの外人たちを思い出していた。
(バカ、バカ、何を考えてるの!)
亜沙美は祐輔を奥の部屋に案内した。
「ここなら誰にも見られないから……しばらく休んでいて」
ソファとテーブル、奥に畳のスペースのある部屋だった。
亜沙美は着替えを持って浴室に向かった。
ジーンズと乳房の膨らみが張り付いたTシャツを脱ぎ、裸になった自分を久し振りに鏡に映して見た。
(ふぅ〜〜もう年よね……最近、すっかりオバサンしてる。そう言えば、祐輔さん、わたしの濡れたTシャツ姿……膨らみがハッキリ分かったはずだわ……どう思ったのかしら……? あぁ、イヤだわ〜わたしったら……)
亜沙美は深く考えないで浴室に入っていった……。
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