第33話 北海道帯広市の「寶来」





 ご当地ラーメンブーム

 ふと考えてみると、帯広のラーメンもまだ一度も食べていないことに気づいた。
 道東方面へは夏に何度も旅行しているのに、帯広はいつも通過するだけだった。
 ぱんちょうの豚丼くらいしか食べたことがない。夏の帯広は暑いから、
ついラーメンを敬遠していたのかもしれない。

 こんなことではいけない。全国でご当地ラーメンが次々と登場している今日。
こんなホームページをやってる自分が、北海道各地のラーメンを知らないのは
ちょっとまずい。

 ところで帯広ってどんなとこだっけ? たしか十勝平野の中心地なのは知ってるけど。
 ガイドブックを見ると、然別湖、十勝川温泉、グリュック王国、幸福駅、田中義剛の牧場
・・・などが、帯広市内ではなく、帯広近郊にある。
 市内となると、お菓子の六花亭や柳月。豚丼のぱんちょう。ソーセージと地ビールの
ランチョ・エルパソ・・・。ラーメンを食べたいのに、他の食べ物ばかり紹介されても困る。


  やっぱり暑い

 とにかくこんなことではいけないので、9月に1泊2日で帯広へ向かった。
 札幌から車で走ること4時間。着いてみると帯広は天気が良くて、やっぱり暑かった。
残暑というには、あまりに厳しい暑さ。ラーメンなんて食べたくないくらいに暑い。

 向かった先は、帯広市街地の「寶来」。昭和3年創業の老舗である。
 店は古くて、ちょっと汚い。外も暑いが、店の中はもっとクソ暑い。じっと座っていても
汗が吹き出してくる。店中がとんこつ臭い、というよりケモノ臭い。
 私が醤油を、連れが味噌を注文する。
 それにしてもすごい暑さだ。


帯広、おそるべし

 ラーメンが来た。
 醤油ラーメンのスープは・・・う。
 なんか、すっぱい。大丈夫か、これ。
 匂いの強いとんこつスープに、生醤油そのままのような独特の醤油ダレ。

 それに、この麺。太くて、白くて、なにかに似てる。かん水っぽさがほとんどなくて・・・。
 そうだ。これは、うどんだ。

 味噌ラーメンのスープは・・・んん? これは、どこかで食べたことがある味だ。
 そうだ。この味は、とん汁。これじゃまるで、カップめんで売っている、
とん汁うどんではないか。
 これがラーメンと言えるのか?

 クソ暑い中、この謎の麺類を、まわりの帯広市民は皆、おいしそうに食べている。
 帯広、おそるべし。

(02年4月6日)



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