お茶とキリンジ
このたびキリンジがついに札幌にやってくることとなった。
11月5日、場所はサッポロファクトリーホール。以前に小野リサやシアター・ブルックを観た場所である。
人気のほどは未知数だが、根強いファンが多そうなキリンジの札幌での久々の単独ライブにしては、
ファクトリーホールはちょっと手狭に思えた。次があるかどうかもわからない。
これはまずい。うかうかしているとチケットが手に入らない可能性がある。
皆さんはチケットの電話予約って、やったことありますか?
アーチストの人気にもよるけど、大変なんですよね、あれ。
定番はローリング・ストーンズとか。
他に経験しているのはプリンス、山下達郎、そしてなぜかイッセー尾形。
かけてもかけても話し中。
たま〜に繋がったかと思ったら「込み合ってます」とか「おかけ直し下さい」のアナウンス。
リダイアルに次ぐリダイアルで1時間くらいはあっという間に過ぎてしまう。
こっちも最初のうちはちゃんと座ってかけているが、そのうち床に寝そべってみたり、起き上がって
ヒザの裏を伸ばしたり、反り返ってみたりしながら、延々と電話をかけつづけることとなる。
そこで出てくるのがお茶。
どうしても見たいライブであれば、身の回りに暇つぶしの本、ティッシュ、そしてお茶を用意して
長期戦に備えるのだ。
最近は中国茶やハーブ系のいろいろなお茶が人気だが、こういうときのお茶は、やはりふだんから
飲み慣れているものに限ると思う。
私なら、ぬるめで薄めのほうじ茶か、熱くて濃いめのウーロン茶。
カモミールティーとかプーアール茶などはどうも調子が狂うし、せっかく繋がったら売り切れなんて
こともある。まあ売り切れなのはカモミールティーのせいではないけれど。
普段の生活でお茶が出てくる場面は多い。
落ち着いて飲める場面だけではない。緊張して飲む場面もあれば、さっさと飲まなければ
いけない場面、水分補給の為に飲む場面、相手を気遣いながら飲む場面、時と場合によっては
お茶が出てきて困る場面もある。
お茶が出てきたのはいいけれど、飲むタイミングがないことも多い。
例えば床屋やカット屋。
ある床屋では髪を切り終わって、レジで会計を済ませた後で、熱々の番茶が出てきた。
入口前のレジで、立ったままお茶を飲まなければいけない落ち着かなさと、火傷しそうな熱さには困った。
行きつけのカット屋のお茶は、髪を切って細かな毛を流した後で出てくる。
ドライヤーをかけられながらお茶を飲むのはなかなか難しいが、最近ようやく慣れた。
キリンジのチケット発売当日。
仕事の私に代わって、じつは私以上のキリンジ好きである連れが、ローソンチケットに電話を
かける役目となった。彼女は気合入りまくりで、保温ポットにお気に入りの可否茶館のコーヒーまで
用意して、電話に望んだのである。
発売開始からほどなくして、私の携帯にこんなメールが届いた。
「1回目の電話で取れた。キリンジの人気ってこんなもん? うれしいような寂しいような。」
キリンジには落ち着いて飲むお茶が良く似合う。 ような気がする。
(03年8月6日)
<可否茶館>
札幌では宮越屋なんかと並んでちょっと有名なコーヒー専門店なのです。
作者は刺激物に弱いので、コーヒーは滅多に飲みませんが、オリジナルブレンドの「ナンバー15」とか
おいしいです。札幌へお越しの際はどうぞ。