そぼくな疑問


質問 2006/11/177号
高麗手指鍼療法とは何ですか?
東京都(Y・K)
回答
日本高麗手指鍼療法研究会 東京事務局
   小 松 隆 央 先生
こまつ鍼灸整骨院
東京都練馬区石神井町3-20-11 2F
TEL&FAX 03-3904-4611
HP http://homepage2.nifty.com/holistic/
Eメール snb42391@nifty.com

(1)はじめに
高麗手指鍼療法(以下手指鍼)とは、1975年に韓国の柳 泰佑(ユー・テーウ)氏(現高麗手指鍼療法学会会長)が創案されたものです。
言葉の由来は、高麗(コウライ・古くから韓国を指す言葉)+手指鍼(シュシシン・一般的な身体に刺す針と区別するため)+療法(リョウホウ・鍼を中心に各種治療法があるため)の合成語です。
その内容は両手の手掌・手背・手指に、全身全ての器官(臓器)と(図1参照)(本誌参照)、人体を流注する十四経絡(十四気脈と呼ぶ)に345の経穴(気穴と呼ぶ)(図2参照)(本誌参照)が縮図化して存在することを発見され、その病変に対応した手指に小さい針や灸で弱い刺激を与え、自己治癒力を引き出して、他者や自己の健康管理及び病気を改善することを目的とした治療法です。韓国では約300万人の人が利用しています。
図1.に在る様に、自分の手のひらは自分自身の正面像、手の甲は自分自身の後姿、右手の小指は右足、右手の薬指は右腕、右手の親指は左足、右手の人差し指は左腕です。(この手と身体の対応関係については、日本大学名誉教授谷津三雄医学博士により、サーモグラフィーを使った実験で科学的に証明されています。)
そして、身体の異常は必ず対応する手指に現れ、その部位に針をはじめ各種の治療器具を使用し、また独自の診断法と併せ、おおよそ考えうる全ての疾患が安全に、簡単に、手(掌・背・指)のみで治療できます。(一部診断法を除き、手以外患者に触れる必要はありません。)
一般的に局所を利用して治療するもの(耳鍼・頭皮鍼・手根足根鍼等)は、単純な反射療法として捉えがちですが、前述したとおり十四気脈と気穴(全要穴)が有るので経絡治療も可能となります。
(2)治療法
中心となるものは刺針であり、手指鍼にも局所治療(相応療法と呼ぶ)と全体治療・本治法(五治処方と呼ぶ)があります(同時に行います)。相応療法(そうおうりょうほう)は身体の病変に対応した部位(相応部といいます)、例えば右膝関節に痛みがあればそこに対応する右手第五指のPIP関節の周りを、提針の様な先端の丸いもので押し、特異な痛みを訴えたところが診断点であり即治療点となります。右眼の疾患の場合は右手第3指の対応する部位に、心臓疾患であれば、手掌側第3指MP関節の中心部に、専用の針管で専用の針を(皮内針での代用も可)数本刺入して30分置きます。
手指鍼の五治処方(ごちしょほう)は、補法を正方(せいほう)・瀉法を勝方(しょうほう)と呼び、69難の3経治療にあたります。例えば腎経の補方の場合、まず自経の太谿・復溜、脾経の商丘、肺経の経渠にあたる第4.5指の気穴に刺針します。完全に五行論に沿った配穴となっています。気脈と気穴は全てアルファベットと数字で表記され、難しい漢字を覚える必要もなく、指関節を等間隔で配列されているため素人でも1〜2時間もあれは全要穴の取穴が可能です。(気穴は全て覚える必要はなく、30〜60穴で全ての治療が可能です)
さらに手指鍼には、十二経の補瀉(正方・勝方)のみならず、五悪に侵された場合の処方も存在します。すなわち、風邪→風方 熱邪→熱方 湿邪→湿方 燥邪→燥方 寒邪→寒方と呼びます。
その他・病変に対応した手指に、無痕灸・円皮針・小さめの磁石・圧鋒と呼ばれる専用の金属製治療器具もよく利用されます。
(3)診断法
局所治療の診断法は、前述したとおり病変に対応した手指の圧痛点を探すだけですが、
五治処方における診断法(証の決定)には以下の方法があります。
1.単純に症状から決定する。(これが非常に簡単で、効果も高い)
2.三一体質と呼ばれる腹診により、三つの体質に区分する。
3.陰陽比較脈診と呼ばれる、寸口・扶突の脈差診により決定する。
4.筋肉テストや入江FTを利用して決定する。
どれも簡単なものであり、特に4を利用した場合本人も自覚していない病変が見つかる場合もあります。

(4)特徴
次に手指鍼と体鍼(身体に刺す鍼を全てこう呼びます・経絡治療、中国針・パルス等)を比較した場合、手指鍼には次のような特徴があります。
1. 治療肢位を問いません。(立っても、座っても、寝ていてもできる、置針中でも物理療法や体鍼との併用が可能です) 2. 治療部位は全て手指のみであるので、衣服を脱がず全疾患に対応できます。(例えば子宮や膀胱の治療点は手掌の近位部です) 3.医療過誤が起き難い(折針・気胸など) 4.禁忌疾患が少ない(例えば骨癒合促進は30〜50%早めることができますが、骨折の患部には刺針しないので法的な問題も発生せず、ギプスをしていても手指が出ていれば施術が可能です。また末期がんの疼痛緩和・肝炎・高熱時等でも可能です) 5.鍼そのものの効果が高く、治療システムが完成されているので、個人の能力にあまり左右されず、誰が治療しても一様の効果が出せる。(リウマチ疾患の血液中リウマチ因子の減少・重度の高血圧・糖尿病血糖値降下他は決められた処方で結果が出せます) 6.自分自身の治療ができます。 7.日本における修得者がまだ少ないので、遠方からの来院が多い。(当院は東京で開院していますが、現在奈良県から、過去には沖縄県、福岡県、海外からも治療を受けに来られています。治療院激増の時代、真の差別化と言えるでしょう)
(5)おわりに
高麗手指鍼療法は、アメリカ・ヨーロッパを中心に全世界に普及しておりますが、
日本での普及は当初医師が中心であり、また日本語版のテキストが無かったため(現在は出版済み)出遅れましたが、平成17年東京での普及活動を許可され現在第2期のセミナーを開催させて頂いております。第1期では遠く長崎から、第2期では兵庫県からも参加され、また現役の医師も参加、セミナーの内容も年々充実しております。
全10回の内容で、開業鍼灸師として遭遇するであろう全疾患と、難病に対する治療法を指導しています。

現在日本で手に入る手指鍼関係の書籍はつぎのとおりです。
「高麗手指鍼講座」日本語版
たにぐち書店
(当セミナーのテキストです)
「てのひらツボ療法」
柳泰佑著  地湧社
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