ちょっとたまらん本たち
「たまらん本たち」よりここは軽めにいきます(笑)
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「ハッピーマニア」 安野モヨコ 祥伝社 |
くだらないと言ってしまえばそれまでなのだが、この漫画は実は奥深い。 シゲタカヨコという24歳の女の子が主人公で、とにかく彼氏を見つけるために奔走する。その奔走振りや、人間の域をすでに超越しており、読者はシゲタさんのパワーと無謀さに、気付けばズルズルと惹きこまれていってしまっている。 だいたいシゲタさんは「ヤリ捨て」られ、しばらくは「恋などしない!」と誓って生きたりするのだが、また新しい恋へと走っていく。 そんなシゲタさんを見つめるタカハシ。東大に通う金持ちだが、ダサくてさえない男。でも優しくて、シゲタさんにどんなに傷つけられてもひたむきに愛をぶつける。 シゲタさんもタカハシが本当は好きなのに、それを決して認めない。だから「ハッピーマニア」なのだ。幸せを手にするよりも、手にしたいと思って奔走することが好きなのだ。深い! テーマは深いではないか! 10巻でついにタカハシは別の女と結婚してしまった。この連載、まだまだ続くみたいだ。どうなるんだ、シゲタさん! |
「キャンディ・キャンディ」 愛蔵版 全2巻 いがらしゆみこ 中央公論社 |
子供の頃読んだという人は多いと思うが、これは大人になってからもう一度絶対読むべき! 子供の頃は「アンソニー」と「テリィ」のどっちが好き?としか聞かなかったが(ちなみに私はアンソニー派)、大人になると「やっぱステアでしょ!」「いや、アルバートさんよ!」という会話になること間違いなし! 子供の頃はヒーロー的、王子様的役割のカッコイイ人物しか見えないのだが、大人になると脇役でありながら人間性豊かな男性に惹かれるのである。 物語として読んでも、これはかなり面白い。第一にキャンディはほんまにええ子や! どんなに辛いときもくじけず、明るく、前向きで、人に優しい。 そして、もう一人忘れてはいけないのが、ステア(めがねをかけた、アンソニーのいとこ。発明好き)。彼は国を、愛する人を守るため、志願して兵士になる。そして敵と空中戦で・・・・・・。ああ、もうここで涙がどばーっと出る。 これは子供より大人向けの漫画やね。あと、ニールとイライザの意地悪振りにも注目! |
「えんじぇる」 岩館 真理子 集英社 |
私は岩館真理子の漫画が好きで好きで、たぶんほとんど持っているんだが、中でも好きなのがこれである。 岩館真理子の描く漫画の主人公はみんなちょっと変わっているんだが、この中のスウも変わっている。 独特のユーモアのセンスがまた私にはピッタリきて、なんかたまらん。 高校を卒業してお見合いでなんとなく周作と結婚してしまったスウ。けれど一緒に暮らすうちに、だんだん周作を好きになる。子供もでき、幸せなはずなのに、なぜかいつも少しだけ悲しい。 「幸せ」の中の「不安」を上手に描いているなぁと思う。好きな人がいて、うまくいっていて幸せなときって、いつも少しだけ悲しいはずだ。それはこの幸せを失ってしまうかもしれないという不安。 こういう微妙な感情を描かせたら、岩館真理子は天下一品! |
「みだれ髪 〜チョコレート語訳」 俵 万智 河出書房新社 |
「燃える肌を抱くこともなく人生を語り続けて寂しくないの」 これは俵万智が与謝野晶子の「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」という短歌を自分なりに解釈し短歌として訳したものである。 正確な言葉を巧みに使う俵万智もすごいが、改めて与謝野晶子のすごさを知る。 明治時代やで! 明治にこんなことを歌にして発表する女性がいたんやで! この激しさ、この強さ、同じ女性として尊敬してしまう。 他にももっと過激な歌があるが、それをいやらしくならないように美しく、晶子の情熱だけを残して訳している俵万智に拍手! では、私の好きな歌を一首。 「命かけて願った恋が実ってもまだ生きているこの恋のため」 |