△▼△ 物語を書く △▼△▼

私の書く短編小説に出てくる主人公は、みんな何かしら葛藤を抱えている。
仕事、恋愛、家族、人生……。
その大きさや深刻さは様々だが、みんな少し不器用で、うまく生きることができない。
どこか悶々として日常を過ごしている。
かといってひどく不幸な人間でもない。どこにでもよくいるような、そんな平凡な人間。
だけど、そんなちょっと不器用で平凡な人間が、ふと輝きを見つける瞬間がある。
自分の生きるべき道を確かに示される瞬間がある。
その瞬間は、人のほんの少しの優しさや何気ない言葉、わずかな出来事によって訪れる。

ずっと心に抱えていた石を自分で「えいっ」と投げられる瞬間……。
私は、いつもそんな「瞬間」を書きたかった。
だから、私の書く短編小説には、たいしたストーリはない。

でも、きっと誰だってこんな「瞬間」を待って生きているはずなんだ。
不器用でうまく生きられない平凡な人間なら、きっと。

20歳〜24歳までただひたすら書いていた小説。
ここではその中の短編だけをいくつか紹介しようと思う。

心に小さな石を抱えた人々が、これを読んで、一瞬風を感じてくれたら……。こんなに嬉しいことはない。

また、ずいぶん前に書いたものなので、これを書いた時の気持ちや状況をそれぞれ「あとがき」として記してみた。それも合わせて読んでもらえたらとても嬉しい。


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