通算NPB守備得失点−遊撃手編−



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セリーグチーム守備得失点
年度 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 平均
巨人 -15.9 -23.8 -25.0 -20.6 -17.7 -18.9 -5.4 -17.3 -34.8 4.1 -17.5
最多選手 川相 二岡 二岡 (元木) 二岡 二岡 二岡 二岡 二岡 二岡  
ヤクルト 20.8 2.8 -0.1 20.7 -3.6 -4.1 -4.8 18.5 -3.4 -25.8 2.1
最多選手 宮本 宮本 宮本 宮本 宮本 宮本 宮本 宮本 (宮本) 宮本  
横浜 8.3 5.8 4.7 14.6 1.7 4.5 -5.3 8.9 0.5 -4.1 3.9
最多選手 石井琢 石井琢 石井琢 石井琢 石井琢 石井琢 石井琢 石井琢 石井琢 石井琢  
中日 1.4 15.7 9.4 -6.4 20.9 13.1 30.7 -3.6 23.9 22.0 12.7
最多選手 (久慈) 福留 (福留) 井端 井端 井端 井端 井端 井端 井端  
阪神 -4.0 12.2 0.5 0.4 14.9 7.5 -5.7 11.2 8.8 -11.5 3.4
最多選手 今岡 今岡 田中秀 (沖原) (田中秀) 藤本 藤本 鳥谷 鳥谷 鳥谷  
広島 -10.8 -12.4 9.7 -6.9 -15.7 -1.4 -9.0 -17.0 5.9 15.8 -4.2
最多選手 野村 ディアス 東出 東出 東出 シーツ シーツ (山崎浩)  
標準偏差 12.2 13.9 11.8 13.9 14.3 10.2 13.8 13.8 17.8 16.2  
 「最多選手」はチームで最長イニング守備についたと推測される選手.
 うち()つきは推計個人守備イニングがチーム守備イニングの半分以下の選手.

 まず,様々な要因で数字にぶれがある点は覚悟願いたい.「何で2005年だけ中日の得点が極端に低いの?」とか「何で2007年にいきなり巨人の得点が上がってるの?」とか「何でショート福留なのに1999年と2000年の中日の得点がプラスなの?」と聞かれても「まあ色々な要因があったんでしょ.ともかく大まかな傾向を見てみて」としか答えようがない.

セリーグ個人守備得失点
代表選手 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 総計
井端 弘和 -3.0 12.4 19.5 ☆30.3 ☆-3.6 ☆24.8 ☆23.0 103.2
宮本 慎也 29.1 ☆0.6 ☆0.5 ☆18.8 ☆7.7 ☆-4.0 0.4 23.2 -19.0 57.4
石井 琢朗 ☆11.4 5.6 -0.6 14.4 2.6 5.9 -1.1 8.9 1.0 4.5 52.6
梵 英心 9.2 21.5 30.7
鳥谷 敬 11.1 8.8 -9.6 10.3
藤本 敦士 0.5 8.6 9.1
今岡 誠 -5.4 7.2 1.9
田中 秀太 1.6 1.6
川相 昌弘 -0.1 -0.1
東出 輝裕 19.2 -10.0 -13.2 -4.0
ディアス -5.1 -5.1
野村 謙二郎 -10.3 -10.3
シーツ -2.4 -11.2 -13.6
福留 孝介 -16.4 -16.4
二岡 智宏 -19.8 -3.0 -12.6 -20.2 -7.6 -17.0 -35.8 2.6 -113.3
 推計個人守備イニングがチーム守備イニングの半分以上の選手対象
 太字はリーグ最高値
 ☆はゴールデングラブ賞受賞

 個人守備成績絶対値を見る上ではいくつか注意が必要である.絶対値が落ちたからといって,守備範囲が狭くなったとは限らない.打撃等,守備以外の理由で出場機会が減れば,数字は落ちる.能力値とみなす為には「144試合あたり」みたいに換算する必要があるかも.

 その上で合計値を見ると,中日井端が堂々の1位で,2位は宮本.宮本は左腕補正前はもっと高い値を示していたのだが,毎年左腕先発投手の多いヤクルトにあって,補正により少し値を落とした.イメージと比べると毎年の数字にムラが多いのが不思議.2007年度の大きな失点を見ると,2008年は正念場か.

 これに対し,優勝した年を含め左腕不足が毎年指摘されていた横浜にあって,左腕補正でかなりの守備得点の上積みが与えられたのが3位の石井琢朗.宮本とは対照的に,「リーグ平均的よりちょっと上の守備を28歳から37歳まで10年続ける」ということを実現している.

 注目すべきは4位の梵で,この守備を5年続けられれば,「名手」と呼ぶにふさわしい得点が稼げる可能性がある.ちなみに,今年の梵・東出のRFがやたら高いことについて,「土のグラウンドである広島市民球場は内野手が守備機会を増やすのに有利なのが大きな原因」という意見があるが,上記データを見る限りこの説は支持しかねる.なぜなら,梵以前の広島遊撃手が常にRRF基準でマイナスを重ねていることが説明できないからである.鳥谷はもう少し様子見かな?

 やはり推測した数字のばらつきは避けられないところで,1999年には中日のチーム得点と福留の個人得点が30点ずれているが,いくらなんでも二番手遊撃手の久慈が,いくら久慈とはいえチーム全体の半分も守っていないのに守備得点をこれだけ稼いだとも思えず,特に守備イニングが少ない場合など,大きな誤差は覚悟せざるを得ないというところである.

パリーグチーム守備得失点
年度 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 平均
ロッテ 39.9 35.8 26.9 29.4 31.8 23.8 19.8 20.3 -0.3 9.3 23.7
最多選手 小坂 小坂 小坂 小坂 小坂 小坂 小坂 小坂 西岡 西岡  
日本ハム -32.0 -25.5 -27.8 -22.3 -7.4 -11.7 6.6 0.2 14.7 3.7 -10.1
最多選手 奈良原 田中幸 田中幸 奈良原 金子 金子 金子 (金子) 金子 金子  
西武 16.2 17.3 29.2 19.7 2.4 26.7 -8.9 -7.2 1.0 -11.1 8.5
最多選手 松井 松井 松井 松井 松井 松井 中島 中島 中島 中島  
近鉄→楽天 16.4 6.4 -11.7 9.5 -13.5 -8.8 -9.3 -18.5 -1.2 -4.4 -3.5
最多選手 武藤 (吉田剛) 武藤 (前田) 阿部 阿部 阿部 (沖原) (沖原) 渡辺  
オリックス -41.8 -27.6 -18.1 -25.4 -11.0 -23.0 -11.6 -1.8 0.6 7.8 -15.2
最多選手 小川 (小川) 塩崎 塩崎 塩崎 (後藤) (後藤) 阿部 (後藤) 大引  
ホークス 1.2 -6.1 0.7 -11.0 -2.6 -5.9 4.0 8.7 -14.4 -6.7 -3.2
最多選手 井口 井口 (鳥越) 鳥越 鳥越 鳥越 川崎 川崎 川崎 川崎  
標準偏差 28.6 22.6 21.6 20.8 15.2 18.5 11.2 12.2 8.4 7.6  
 「最多選手」はチームで最長イニング守備についたと推測される選手.
 うち()つきは推計個人守備イニングがチーム守備イニングの半分以下の選手.


パリーグ個人守備得失点
代表選手 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 総計
小坂 誠 40.9 ☆33.7 ☆26.1 ☆28.6 31.1 21.8 14.7 ☆16.3 213.2
松井 稼頭央 ☆17.8 17.3 29.4 18.9 ☆3.1 ☆28.3 114.8
金子 誠 -6.4 -0.8 16.7 11.3 7.5 28.3
川崎 宗則 ☆4.9 13.0 ☆-3.9 4.5 18.5
鳥越 裕介 15.9 5.2 -4.8 16.3
武藤 孝司 20.1 -4.0 16.1
井口 資仁 10.6 4.9 15.5
西岡 剛 -0.1 ☆10.9 10.8
大引 啓次 9.2 9.2
渡辺 直人 -6.9 -6.9
阿部 真宏 -11.4 -6.6 6.9 2.7 -8.5
小川 博文 -29.5 -29.5
奈良原 浩 -21.8 -14.0 -35.7
中島 裕之 -8.9 -15.2 -12.1 -12.4 -48.6
塩崎 真 -18.0 -15.3 -15.6 -48.9
田中 幸雄 -18.5 -33.3 -51.8
 推計個人守備イニングがチーム守備イニングの半分以上の選手対象
 太字はリーグ最高値
 ☆はゴールデングラブ賞受賞

 最高得点はもちろん小坂.遊撃手の中ではもちろん,内外野すべての選手の中でおそらく最高.現在のNPBでは勝利の価値は「大体5点で貯金1つ」となっているので,小坂の守備でロッテが得た貯金はざっと40弱,という計算になる.2位の松井もマイナスの年がない.

 3位は川崎だが,何で彼は守備得点の低い年にGG賞を受賞し,高い年には逃すのであろうか.謎だ.あと,金子誠ももっと評価されるべきだろう.西岡,大引の今後に期待.

 野村謙次郎といい田中幸雄といい,ベテランと呼ばれる年齢になってから遊撃手で平均以上のアウトをとるのは極めて困難であることがわかる.

 というわけで,この表を見て野村謙次郎とか久慈とか川相とか池山とか小川とか奈良原とか田中幸雄の全盛期を知りたいという人がいたら,是非是非計算してみてください.


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