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季節のことば 「チューリップ」 |
| あたたかくなるとたくさんの花がいっせいに咲き出し、春という季節を明るくいろどります。「チューリップ」も見るからに春を感じさせる花ですが、もとはトルコや地中海沿岸の国々が原産で、日本で一般に栽培されるようになったのは明治時代ごろといわれています。ちなみに、だれでも知っている童謡では「赤、白、黄色」とうたわれていますが、実際は、ほかにも橙(だいだい)、紫、斑(ふ)入りなどいろいろな種類があります。 | |
| チューリップ喜びだけを持つてゐる 細見 綾子 |
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季節のことば 「雪」 |
| 「雪月花」という言葉がある通り、日本では「雪」は古くから特別に大切な「詩のことば」とされてきました。ただし、これは都のあった京都などを中心とした季節感にもとづくもので、実際には雪のふらない地方もあることを考えれば、日本全体にあてはまるとは言えないかもしれません。それでも、多くの子どもたちにとって、やはり雪は冬一番の遊び相手であることにまちがいないでしょう。 | |
| 小学校の音読河に雪降りだす 遠山 陽子 |
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季節のことば 「柿」 |
| 柿は秋を代表する果実の一つで、現在、八百以上もの品種があるということです。有名な産地で計画的に栽培されているものも多くありますが、野山に自然に近い状態で生えた木に、赤い実がたわわに実っている様子も、なつかしい日本の風景として印象的です。また、農家の軒に簾(すだれ)のように吊るされた干し柿も、秋をいろどる美しい風物詩と言えるでしょう。 | |
| 柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺 正岡 子規 |
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季節のことば 「花火」 |
| 夜空を華やかにいろどる大きな打揚(うちあげ)花火。家の庭先などで楽しむ小さな手花火。それぞれおもむきは違いますが、いずれも夏の美しい風物詩の一つです。また、花火は一瞬にして消え去ってしまうため、はかなさやさびしさを見る者に感じさせ、そうした側面が俳句に詠(よ)まれることも多くあります。みなさんは、花火からどんな気分を感じるでしょうか。 | |
| 暗く暑く大群集と花火待つ 西東 三鬼 |
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季節のことば 「たんぽぽ」 |
| タンポポには、関東タンポポ・関西タンポポ・白花タンポポなどの日本在来種と、明治時代のはじめに食用として輸入され、またたく間に全国に広がった西洋タンポポがあります。このうち西洋タンポポだけは、花の下の総苞(そうほう・芽やつぼみを包み、保護する小形の葉)がそり返って下に垂れます。あたたかな春の一日、みなさんも身のまわりのタンポポを観察してみましょう。 | |
| たんぽぽや日はいつまでも大空に 中村 汀女 |
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季節のことば 「寒し」「寒さ」 |
| 俳句では、実際の寒さとともに、心理的に感じる寒さを表現することも多くあります。また、南北に長い日本列島は、地域によって寒さの程度にもかなりの差があり、温暖な地方では、雪国のような切実な寒さを感じることはむずかしいかもしれません。さらに、最近は地球温暖化の影響で、冬の最低気温そのものも上昇してきています。私たちも、真剣に考えなければならない問題ですね。 | |
| 膝の上に寒き日暮が来てゐるなり 高柳 重信 |
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季節のことば 「月」 |
| 春の「花」に対して、「月」は秋を代表する季節のことばとして、古くから多くの詩歌に詠まれてきました。月にかかわる言葉も数多く、仲秋(ちゅうしゅう)の名月をはじめ、十六夜(いざよい)、立待月(たちまちづき)、居待月(いまちづき)、寝待月(ねまちづき)、更待月(ふけまちづき)などがあります。また、十五夜に曇って月が出ないのを無月(むげつ)、雨になると雨月(うげつ)と言ったりします。 | |
| 満月やたたかふ猫はのびあがり 加藤 楸邨 |
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季節のことば 「夏の空」 |
| 梅雨が明けると、いよいよ夏本番。かがやく太陽、きらきらと晴れた青空、山のように盛り上がる入道雲など、夏の空には力強さと活気が満ちあふれます。一方で、夕立が去った後のさわやかな空や、大きな花火が打ち上げられる夜空も、たいへん印象的です。みなさんも、「夏の空」のさまざまな表情を、よく観察してみましょう。 | |
| 夏空へ雲のらくがき奔放に 富安 風生 |
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季節のことば 「夕焼け」 |
| 地平線上にある太陽の光線が厚い空気の層を通るとき、青い光よりも赤や黄の光のほうが地上に多く届きます。空が赤く見えるのはこのためですが、その壮大な印象が夏にふさわしいということで、俳句では「夕焼け」を夏の季語としています。同じ現象が朝に現れるのが「朝焼け」で、昔から朝焼けは天気が悪くなるきざし、夕焼けは天気がよくなるきざしと言われています。 | |
| 夕焼にさよならの手の染まりけり 中田 利子 |
| 季節のことば 「滝」 | |
| 滝は四季のいつでもありますが、その涼しげな印象から、俳句では夏の季語としています。那智(なち)の滝(和歌山県)や華厳(けごん)の滝(栃木県)のように断崖(だんがい)を一気に落下し、水しぶきを上げて大きな音を立てる滝もあれば、山道などで出合う小さな滝もあります。日本では平地から、いきなり高い山がそびえているところが多くあるので、滝の数も多いと言われています。 | |
| 未来より滝を吹き割る風来たる 夏石 番矢 |
| 季節のことば 「蜻蛉(とんぼ)」 | |
| トンボは晩春から秋まで見られますが、「秋の虫」を意味する「あきつ」という別名の通り、古くから秋を代表する風物の一つに数えられています。日本には約200種のトンボがいるそうですが、中でもオニヤンマ・ギンヤンマ・シオカラトンボ、また俗に赤トンボと言われるアキアカネなどは、子ども達に特に親しまれています。 | |
| とんぼ連れて味方あつまる山のくに 阿部 完市 |
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季節のことば 「落葉」「枯葉」 |
| 秋の終わりから多くの落葉樹は葉を落としはじめ、いよいよ冬がやって来ることを実感させます。ひらひらと舞い落ちる葉、すでに地上に散っている葉。どちらも俳句では「落葉」と言っています。また、落葉はしばらくたつとカサカサに乾いて「枯葉」となります。落葉や枯葉を集めて焚(た)き火をするのは楽しい冬の風物詩(ふうぶつし)でしたが、今はあまり見られなくなってしまいました。 | |
| 落葉踏むけふ(きょう)の明るさあすもあれ 水原秋桜子 |
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季節のことば 「寒(かん)」 |
| 「寒」は、「寒の入り」(小寒・1月5日ごろ)から「寒の明け」(立春・2月4日ごろ)の前日(節分)までの約30日間のことで、単なる寒さを意味する言葉ではありません。この間を「寒の内」とか「寒中」と言いますが、中でも1月20日ごろの「大寒(だいかん)」前後は、1年のうちで寒気が最もきびしい時季です。風邪に注意して、元気に過ごしましょう。 | |
| 帰り来て駅より低き寒の街 石田 波郷 |
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季節のことば 「しゃぼん玉」 |
| しゃぼん玉は1年中ありますが、のどかであたたかなイメージから、春の季語になっています。同じ理由で「風船」や「かざぐるま」も春の季語とされており、どれも子どもたちに親しみの深い遊び道具として、たくさんの俳句が詠(よ)まれています。明治時代ごろには、しゃぼん玉売りが「たまやぁ、たま」と言いながら売り歩いていたそうですが、いかにも春らしい感じがしますね。 | |
| しやぼん玉独りが好きな子なりけり 成瀬桜桃子 |