最新情報(2005年2月)






2005/2/27 「過労死なくして」松本の緊急集会、遺族訴え
信濃毎日新聞 (2月27日18時46分)

 「過労死・過労自殺をなくすための緊急集会」が二十六日、松本市の勤労者福祉センターで開かれた。昨年九月に自殺した松本署交通課勤務の警部補男性=当時(50)=の公務災害認定を一月に請求した妻など、働き盛りの夫を自殺や病気で亡くした遺族が「私たちのような家族が増えてほしくない」などと訴えた。

 「県過労死を考える家族の会」と「働くもののいのちと健康を守る会県センター」(長野市)の主催。警部補の妻は「『行ってきます』の夫の最後の言葉が忘れられず自責の念に苦しんだ」と打ち明けた。「夫との会話を思い出すことはつらく苦しかったが、子どものためにがんばろうと決心した」と、公務災害認定請求に踏み切るまでの経緯を話した。

 深夜勤務が長く続いた後に自殺した会社員、頭痛を訴えながらも休めず出張先でくも膜下出血で死亡した会社員などの家族が、過密な労働状況や労災申請までの歩みを涙ながらに報告した。


2005/2/25 サービス残業30億支払い 派遣最大手スタッフサービス
(共同通信) - 2月25日2時32分更新

 人材派遣会社最大手「スタッフサービス」(グループ本部・東京)が、サービス残業をさせた全国の社員と退職者計約4000人に対し、過去2年間にさかのぼって総額約30億円の未払い残業代の支払いを始めたことが24日、分かった。
 大阪労働局は同日、同社が組織的にサービス残業をさせた疑いが強まったとして、労働基準法違反(割増賃金不払いなど)の疑いで、持ち株会社「スタッフサービス・ホールディングス」(東京)を家宅捜索。既に岡野保次郎会長と中山堯社長から数回にわたり事情を聴いており、近く同容疑で法人としてのスタッフサービスと幹部数人を書類送検する。 関係者によると、スタッフサービスの就業規則では労働時間は午前9時から午後5時半までと定められているが、大阪本社で労働時間が実質的に13時間を超え、土曜、日曜の出勤も恒常化するなど全国で長時間労働とサービス残業が行われていたという。


2005/2/25 ビックカメラを書類送検 残業代不払い1億2000万円
(共同通信) - 2月25日12時43分更新

 社員に不払い残業を続けさせていたなどとして、東京労働局は25日、労働基準法違反(割増賃金不払いなど)の疑いで家電量販店大手ビックカメラ(本部・東京都豊島区)と新井隆司社長(58)ら役員8人を東京地検に書類送検した。
 労働局はこれまでの捜査で、不払い額は1億2000万円あまりに上り、新井社長ら役員が不払いを指示していたと認定した。著名企業の社長が同容疑で立件されるのは異例という。
 調べによると、ビックカメラは2003年12月−04年11月に東京の池袋本店や新宿西口店で、フロア責任者ら主任職計110人に対し総額1億2700万円の残業代を期日までに支払わなかった疑い。


2005/2/24 日本郵政公社が不払い残業、32億円分を一括追加支給
(読売新聞) - 2月24日20時33分更新

 日本郵政公社(本社・東京都千代田区)で昨年10―12月を中心に、管理職を除く職員約5万7000人に総額約32億円分の不払い残業があり、18日に1人平均約5万6000円の不払い分を追加支給していたことが24日、わかった。

 同社によると、簡易局を除いた全国の郵便局と本社・支社全部局で実態調査した結果に基づき支給した。同社人事部は「不払い残業はあってはならないもので、根絶を目指す」としている。

 同社は昨年、福岡県で複数の郵便局が労働基準監督署から是正指導を受けるなどして不払い残業が問題化。12月には日本橋郵便局の現職課長代理が「ずさんな労働時間管理でサービス残業を強いられた」と約252万円の支払いを求め、東京地裁に提訴している。


2005/2/23 過労死防止には7時間睡眠必要 労働科学研
(2005年2月23日(水)「しんぶん赤旗」)

 日本労働弁護団は二十一日、東京都内で「睡眠衛生学の観点からみた労働時間規制のありかた」と題した講演会を開きました。講演した労働科学研究所の佐々木司研究員は、過労死など脳・心臓疾患を防ぐには質のよい睡眠を適切にとることが重要だと研究結果をおりまぜ指摘しました。

 佐々木氏は、一日の睡眠時間が五時間未満になると心拍数があがり脳・心臓疾患の危険が高まることから、五時間以下の睡眠を過労死認定基準は問題としているが、連続すると五時間でも危険が高まり、六時間でも心臓に悪影響が起こる事例があると指摘しました。

 さらに同氏は、今日、裁量労働制のもとで「たくさん働き、まとめてたくさん休めばいい」という主張があるが、長時間過密労働に体が慣れると休息に入ったとき突然死する場合があると強調。必ず、一日七時間以上の睡眠を確保すべきだと主張しました。

 また、七時間の睡眠を確保しても(1)長時間過密労働(作業後すぐに眠れない)(2)二十四時間労働(昼間の就寝は人間の生体リズムに反し眠りが浅い)(3)神経=感情労働(就寝前や起床後にストレスがあると眠りが浅い)―の場合は、睡眠の質が落ち疲労回復が不十分になると述べました。

 これらから、勤務時間内の休憩などで疲労回復することを原則に、一日の自由時間を確保し、生体リズムや睡眠覚醒(かくせい)リズムにかなった労働時間規制であるべきだとしています。


2005/2/23 32億円払わせた 郵政公社 未払い残業代 塩川議員 「まだ氷山の一角」 衆院委
(2005年2月23日(水)「しんぶん赤旗」)

 日本郵政公社の労働者約五万七千人にサービス残業代(未払い残業)として約三十二億円が支払われたことが二十二日、明らかになりました。同日の衆院総務委員会で、日本共産党の塩川鉄也議員の質問に、郵政公社の広瀬俊一郎理事が答えました。

 郵政公社は昨年十二月に「勤務時間管理に関する実態調査」の通達を出し、同年十月から十二月まで三カ月分のサービス残業を調査、今年の二月十八日に支給しました。

 塩川氏は、「今回の是正措置は、サービス残業根絶に向けた一歩」と評価。同時に「サービス残業を申請できる条件のあったごく一部の労働者についてのみ支払いを認めたもので、氷山の一角にすぎない」と指摘しました。

 塩川氏は、恒常的に長時間サービス残業がある部署では、三カ月で五十万円のサービス残業代が支払われた例を紹介。法的義務のある二年前までさかのぼって調査を徹底することや、サービス残業をしなくてもすむ人員配置など抜本的な体制をつくるよう求めました。

 広瀬理事は「サービス残業根絶のために実態をよく把握し、対応していきたい」とのべました。

 郵便局のサービス残業問題については、塩川氏が同委員会で繰り返し取り上げ、根絶に向け抜本的な対策を求めてきました。昨年十一月には、生田正治郵政公社総裁が「(サービス残業は)経営の恥だ。かなり根気がいると思うが根絶していきたい」と答弁。通達にはこの答弁も紹介されていました。


郵政公社 未払い残業代支払い “是正の一歩”

 日本郵政公社で三十二億円の未払い残業代が二月十八日に支払われました。まん延していた違法なサービス残業(ただ働き)に、是正の第一歩となるメスが入りました。これまでの経過と今後の課題を探ります。(原田浩一朗)

130万円支給の例も
残る不満…申告は労働者まかせ


 今回、未払い残業代が支払われたのは、全国の約四十万人いる郵政労働者のうち、五万七千人です。一人平均五万六千円ですが、労働者によっては、五十万円から百万円を超える残業代が支払われました。

 都内有数の忙しさといわれる渋谷郵便局の貯金課で働く佐藤裕子さん(51)は、二〇〇四年四月から十二月までの九カ月分のサービス残業代を手帳の記録にもとづいて請求。三十三万円余の未払い残業代が支払われました。「一月以降は、仕事が終わると上司が一分単位で残業時間を記録し、きちんと残業代が支払われるようになりました」と喜びます。

 都内のある郵便局の課長代理(35)は、〇四年四月から十二月までの総額百三十三万円の未払い残業代を取り戻しました。

 一方、「是正はごく一部。郵政公社はサービス残業を根絶するために真剣に努力してほしい」との声が現場の労働者から上がっています。

 一番大きな不満は、日本共産党の塩川鉄也議員が二十二日の衆院総務委員会で指摘したように、本来なら使用者である郵政公社の責任でサービス残業の実態を調べて是正すべきところを、労働者の責任で「修正申告」をするよう求めたこと、〇四年十月から十二月の三カ月間に期間を区切ったことです。

 東京都内のある特定局で働く五十四歳の女性職員は、郵政産業労働組合(郵産労、全労連加盟)がつくった「出退庁時間記録表」で出勤時間、退勤時間を記録していました。これにもとづいて昨年十月から十二月までの三カ月分のサービス残業代を申告。その結果、約十一時間分、三万二千円分の未払い残業代が支払われました。

 しかし、まわりの多くの労働者は「記録をつけていないから申請はできない」とあきらめてしまい、七人の職員のうち、申請したのは一人だけだったといいます。

 労働者によると、サービス残業是正にとりくんだ局がある一方、郵政公社の通達文書を握りつぶし、まったく内容を知らせなかった特定局もあったといいます。

公社責任で調査を
 郵産労の山崎清委員長の話 今回の是正は、サービス残業代を申請した一部の労働者のごく一部が支払われたにすぎません。公社は、各種の業務で使う端末の稼働時間とか、いろいろな記録をもっているんですから、公社の責任で残業時間を調べ、少なくとも二年間はさかのぼって是正すべきです。そして、タイムカードなどの客観的な労働時間管理ができるように整備して、必要な人員を増やすべきです。


日本共産党繰り返し追及
2003年 4月1日 日本郵政公社発足
6月26日 小池晃参院議員が参院厚生労働委員会で質問
04年 1月23日 塩川鉄也衆院議員が埼玉県越谷郵便局を現地調査
2月24日 塩川議員が衆院総務委員会で質問
11月16日 塩川議員が衆院総務委員会で質問。生田正治郵政公社総裁は「(サービス残業は)経営の恥だ。かなり根気がいると思うが根絶していきたい」と答弁。
11月25日 塩川議員が衆院総務委員会で質問。越谷郵便局の超過勤務命令簿が白紙になっている事実を示し、生田郵政公社総裁に調査と是正を要求。
12月10日 東京・日本橋郵便局の課長代理が、未払い残業代の支払いを求めて東京地裁に提訴。中央労基署にも労基法違反として申告。
12月13日 郵政公社が「勤務時間管理に関する実態調査について」を通達。このなかで、11月16日の塩川議員の質問に対する生田総裁の答弁も引用し、同年10月から12月までの3カ月間のサービス残業を調査し、2月18日に支給すると明示。
05年 2月18日 全国約5万7千人の職員に約32億円の未払い残業代が支払われる。

サービス残業代は過去2年分請求可
 労働基準法第一一五条は、「この法律の規定による賃金、災害補償その他の請求権は二年間、この法律の規定による退職手当の請求権は五年間行わない場合においては、時効によって消滅する」と規定しています。サービス残業代は二年間は請求できるということです。

厚労省4・6通達
 厚生労働省がサービス残業を根絶するために〇一年四月六日にだした通達(4・6通達)では、「使用者は労働時間を適切に管理する責務を有している」ことを改めて確認し、そのための措置をとるよう求めています。


2005/2/22 医師自殺、過労が原因=最長月260時間超勤−行政訴訟で初の認定・水戸地裁
(時事通信) - 2月22日19時1分更新

 茨城県土浦市の土浦協同病院に勤務していた男性医師=当時(29)=が自殺したのは過労によるうつ病が原因だとして、東京都内に住む父親(75)が土浦労働基準監督署長を相手に、労災と認めず遺族補償不支給とした処分の取り消しを求めた訴訟の判決が22日、水戸地裁であった。松本光一郎裁判長はうつ病による自殺と業務の因果関係を認め、処分を取り消した。
 原告側によると、国を相手取った行政訴訟で、医師の過労死が認められたのは初めてという。
 判決などになると、医師は1989年10月から同病院に勤務。1日12時間以上の長時間労働が常態化し、休日がほとんどなく、深夜の呼び出しも頻繁にあった。うつ病になり、92年4月、同病院から東京都内の病院へ転勤した直後に、自宅で薬物自殺した。2年半の勤務で時間外労働は1カ月平均170.6時間、最長259.5時間、自殺する前月は204時間に及んだ。松本裁判長は「休養が取れていたことをうかがわせる証拠はない。業務で感じていた心理的負荷は、うつ病を発症させる危険性を内在させていると言える程度に強いと認められる」と述べ、うつ病発症とそれによる自殺が病院業務に起因すると判断した。


2005/2/20 派遣労働者5年で2.6倍 契約の9割6カ月未満
(2005年2月20日(日)「しんぶん赤旗」)

 厚生労働省が十八日発表した労働者派遣事業の二〇〇三年度事業報告書によると、派遣労働者数は二百三十六万人(前年度比10・9%増)となり、五年間で二・六倍に増えました。同事業の売上高は二兆三千六百億円(同5・1%増)。いずれも過去最多です。

 派遣労働者のうち、派遣会社に登録し派遣先で仕事をするときだけ雇用される「登録型」が、前年度比10・9%増の百九十八万七千人で大半を占めました。派遣会社に常用雇用される正社員は同7・9%減の十三万九千人でした。

 派遣契約の期間は、「登録型」を含む一般労働者派遣事業では三カ月未満が68・4%で、六カ月未満は全体の約九割(89・6%)に達しています。派遣料金は、全体平均では前年度比1・0%増え一万六千三円(八時間換算)となりましたが、専門的な二十六業種のうち十五業種で低下しています。アナウンサー(同15・1%減)、放送番組の大道具・小道具(同7・5%減)、通訳・翻訳・速記(同4・7%減)などです。契約期間・料金ともに、派遣会社と派遣活用企業との契約内容です。派遣労働者の賃金は派遣会社が二―三割程度の手数料を除いた額となります。

解説
改悪でさらに増加か
 派遣労働は雇用する労働者をほかに貸し出すしくみです。実際に派遣労働者を使う企業にとって、雇用責任を負わずに必要なときだけ活用できるため、大企業を中心に正社員やパートから派遣へのおきかえがすすんでいます。労働者にとってはきわめて不安定な働き方となります。

 一九八六年に専門的な十三業務に限って認められましたが、以降対象業務は拡大の一途をたどり、現在では建設・港湾など一部業務が禁止されているだけです。昨年三月、製造業務を解禁し、専門的二十六業務の派遣期間を無制限に拡大する法改悪がされたことから、〇四年度調査では派遣労働者がさらに増加するとみられます。

 畠山かほる記者


2005/2/19 裁量労働制 年60万円もただ働き 日本IBMに是正指導 JMIU申告受け労基署
(2005年2月19日(土)「しんぶん赤旗」)

 米IBM社の100%子会社で、情報通信大手の日本IBM(本社・東京)が三分の一の労働者に導入した裁量労働制について、労働基準監督署から厳しく指導を受けています。これまでもサービス残業(ただ働き)問題で指導された“前歴”がある同社。全日本金属情報機器労組(JMIU)日本アイビーエム支部は「無法をやめ、働くルールを確立せよ」と運動しています。
 原田浩一朗記者

 「際限のないただ働き残業をねらったものだという私たちの主張が通りました」。門池二次雄さん(57)は話します。同支部の裁量勤務制度対策委員を務め、改善運動の先頭に立ってきました。

 裁量制は、実際の労働時間に関係なく、労資であらかじめ合意した時間を働いたものとみなして賃金が支払われる仕組みです。日本IBMでは、非民主的な選挙で選出された労働者代表と「労使協定」を結び、昨年三月から、約二万人の労働者の三分の一に当たる約六千四百人のシステムエンジニア(SE)に裁量労働制(専門業務型)を適用しました。

 門池さんらは、SEの労働実態を丹念に調べました。ほとんどの労働者がプロジェクトの一員として仕事をしており、仕事のすすめ方について裁量の余地はないことが明らかになりました。

深夜まで勤務
 「裁量制でSE一人平均月五万円、年間六十万円の残業代が吹き飛んでしまう。会社側に事実を突き付け、団体交渉で追及した」と門池さん。

 交渉で当初、裁量制の適用対象者とされた四十七人の組合員のうち、四十一人には適用させない成果を上げました。裁量制の実施以降も、出・退勤時間を記録し、ただ働きの強要は許されないとよびかけてきました。

 Mさんは、顧客のシステムの開発・運用にかかわるプロジェクトの一員として、顧客の職場で勤務しています。チーム作業のため、個人の裁量で仕事を進めることは不可能です。トラブルへの対応もあって、深夜まで勤務せざるを得ないことがしばしば起こりました。

 〇四年三月から九月までの七カ月間で、二百八十二時間余、金額で四十二万八千円の残業代が未払いとなっていました。

 Kさんは、顧客のシステムの運用、保守、開発のプロジェクトの一員です。突発的なトラブルに対応するため、顧客のシステムの稼働時間帯は常時勤務せざるを得ず、裁量の余地はありません。〇四年四月から九月までの半年間で二百四十時間余、三十一万六千円が残業代未払いでした。

 支部は、未払い残業代を支払うよう要求。労基署にも申告し、労基署が会社を指導しました。追い詰められた会社は、Kさんを昨年十月から、Mさんを同十二月から、裁量制適用対象者から外さざるをえませんでした。Kさんの昨年六月から九月までの未払い残業代を支払うと答えました。

 大歳卓麻社長は四日、「適切な勤務時間管理および長時間勤務の防止の観点から」「勤務の実態にのっとり、正確に勤務時間を記録・申告してください」とした電子メール(別掲)を社員に出しました。

 門池さんは「勤務時間をきちんと記録して迫れば、会社も是正に応じざるをえないということがはっきりしました。ただ働きの強要となる裁量制をやめさせるためにがんばります」と話します。

 是正がすすむ一方で、運動に冷水を浴びせる動きが強まっています。

法改悪ねらう
 政府は、今国会に労働時間を年千八百時間に短縮する目標を掲げた「時短促進法」を廃止し、時短の数値目標を降ろして「事業主の自主的な努力」に委ねる法改悪をねらっています。ホワイトカラー労働者の労働時間を規制の対象外にして、青天井で働かせることができるホワイトカラー・エグゼンプション制の導入も検討しています。

 同支部は、政府・財界の動きのねらいや本質を明らかにし、すべての労働者を対象に支部の職場新聞「かいな」を届け、運動を強化していくことにしています。

 大歳社長が社員に出した電子メールから
 裁量制の労働者が「恒常的に業務量が多く、個人では解決ができない」「管理目標時間を超えていることを理由に、申請した時間外勤務を受け付けてくれない」「自己の裁量による勤務時間の配分ができない環境にあるにもかかわらず、裁量勤務が適用されている」などの問題がある場合で、所属長に相談しても有効な改善策が取られないときは、直接、経営陣に問題提起する「オープンドア」や「スピークアップ」の制度を活用するようよびかけています。


2005/2/14 「過労自殺」で賠償求める 元スズキ社員の両親
(共同通信)


 自動車メーカーのスズキ(静岡県浜松市)に勤めていた課長代理の男性=当時(41)=が2002年に自殺したのは過酷な業務やストレスが原因として、男性の両親=浜松市=が14日、同社に約9100万円の損害賠償を求める訴えを静岡地裁浜松支部に起こした。
 訴状によると、男性は1983年の入社以来、座席シート部門に勤務。02年2月に経験のない四輪車体設計部門に異動、課長代理になった。その後「成果が上がらない」「会社でいじめられている」と悩みを漏らすようになり、同年4月、会社の屋上から飛び降り自殺した。
 両親は「慣れない仕事のストレスや1カ月で144時間の残業でうつ状態になったのに、会社は診察を受けさせたり労働時間を少なくする措置を怠った」と安全配慮義務違反を主張している。
(共同通信) - 2月14日19時31分更新


2005/2/10 「1%クンの店」強制捜査 残業代不払いの疑い
(高知新聞2005年02月11日付)

 残業代などの賃金不払いが全国的に問題化している中、高知労働局は10日、労働基準法違反(違法な時間外労働と割増賃金不払い)の疑いで、食品スーパーチェーン「1%クンの店」(本部=高知市南御座、中山土志延社長)の本部や社長宅など同市と香美郡赤岡町内の計5カ所を家宅捜索した。平成5年と13年に割増賃金不払いなどで同社に是正勧告を行ったが事態が改善されないため、司法警察権を行使して強制捜査に踏み切ったとしている。取材に対し、中山社長は容疑を否定している。

 同局の調べによると、同社は労基法36条に基づき、時間外労働は1人1日3時間、1カ月42―45時間を限度とする労使協定(三六協定)を締結。しかし、15年初めごろから16年6月ごろにかけ、正社員ら約10人に対し、1カ月当たり1日3時間を超える時間外労働を計190回、月の協定時間を超える労働を計約550時間行わせ、割増賃金計約46万円を支払わなかった疑い。

 同局はこれまでにも同社に是正勧告を出していたが、15年に入り複数の正社員らから「時間外労働が長く、割増賃金も支払われていない」などの苦情を受け、内偵を開始。給与明細や聞き取り調査を基に悪質な労働実態が続いている状況を把握したという。

 この日の捜索で同局は、タイムカードや賃金台帳など関係資料を押収。強制捜査の対象となった約10人以外にも多数の従業員が違法残業を強いられ、不払い額も多額に上っているとみて、慎重に調べを進めている。

 「法令違反認識ない」

 中山土志延社長の話 これまで賃金などのことで行政指導された記憶はない。各人の労働時間はきちんと把握している。社として残業することが決まれば、その分の賃金も払っている。法令違反の認識はない。

 司法警察権 事業主が労働基準法や労働安全衛生法などに違反し、是正に応じないなど悪質、重大なケースの場合、労働基準監督官が刑事訴訟法に基づき犯罪捜査し、検察庁に送検する権限。違法な時間外労働や割増賃金不払いに対しては、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金。

 まだ多い泣き寝入り

 長引く不況に伴い、県内でも残業の賃金不払い問題は深刻化している。高知労働局も県内企業に対する監視を強めており、割増賃金の適正な支払いを求める是正勧告は近年増加。今回のような強制捜査に至るケースはまれで大半の企業が勧告に従い、県内で年間1000人以上の労働者が救済されているという。しかし一方で、同局の労働基準監督官らは「まだ多くの労働者が泣き寝入りしている」とみている。

 平成14年、同局の割増賃金不払いの是正勧告に応じたのは80社で、1240人分、計4709万円が支払われた。それが15年は104社で1899人分、計5252万円に増加した。

 同局は「厳しい経済状況下、人件費抑制は収益確保の一番手っ取り早い方法」と賃金不払いが横行する背景を指摘。「一度是正しても、再び不払いを始めるケースも少なくない」と監視強化の必要性を強調する。

 同局には「定時の終業時間に、上司が勝手にタイムカードを押している。残業してもただ働きだ」「労働基準監督署には『時間外なし』と偽りの資料を提出している」といった内部告発が後を絶たないという。

 ただ、そうした不正行為を調査し是正勧告するには、被害者を特定しなければならない。

 しかし「実名の相談は一部。企業側の“報復”を恐れ、相談をちゅうちょしている人は多いはず」というのが監督官らの実感だ。

 同局は「とにかく実名で具体的な事例を相談してほしい。相談者が特定されないよう、プライバシーなどは厳守する」と呼び掛けている。

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