最新情報(2001年9月)
9月27日 失業率8月も5・0%、2か月連続で過去最悪
8月の完全失業率(季節調整値)が前月に引き続き過去最悪の5・0%となることが27日、明らかになった。8月は例年、求職活動が減るため完全失業率は下がる傾向があるが、今年は高止まりした。
働く意思があるのに就業できない完全失業者数は、前月より約20万人減って300万人強となる見通しだ。
政府は、小泉首相の掲げる構造改革により不良債権処理などを推し進めれば、失業者がさらに増加すると予想し、今年度補正予算案や臨時国会に提出する「緊急雇用対策法案」の早期成立で雇用対策の拡充を急ぐ考えだ。
完全失業率は、今年4月から上がり続けており、5、6月にはそれまでの最悪の水準である4・9%に達し、7月に調査開始以来初めて5%台になった。(読売)
9月27日 厚労省「解雇ルール」を検討へ 「クビ切り」拍車の恐れ
企業が従業員を解雇する際の手続きや要件を明確にする「解雇ルール」づくりに向けて、厚生労働省が検討に乗り出したことが26日、明らかになった。小泉内閣が進める規制改革路線の中で、企業が人を雇いやすい環境づくりを進
める意味合いが強く、日本の雇用慣行や労使関係の根本的な見直しにつながる。条件を明示すれば解雇しやすくなる面もあるため、「クビ切り」に拍車がかかる懸念があり、大きな論議を呼びそうだ。
厚労省がルールづくりの検討を求めたのは、労働政策審議会の労働条件分科会。今月19日の会合で、法整備を含む解雇ルールの位置づけ▽手続き・要件の内容▽契約終了の際にトラブルが発生した場合の迅速な解決方法、などを検討課題として示した。同省の審議会が解雇ルールを正式に検討するのは初めてで、金銭解決による解雇などの条件整備も議論の対象になるとみられる。
解雇については現在、労働基準法で30日前に従業員に予告すれば解雇できることになっているが、「社会通念上、相当と認められない場合は権利の乱用として無効」との最高裁の判例で、事実上、解雇権は厳しく制限されている。
さらに判例では、解雇が認められる場合として、(1)人員削減の必要性(2)解雇回避の努力済み(3)解雇対象者の選定が合理的(4)労使協議など妥当な手続き、の4要件を満たすことが必要とされている。個別のケースに
ついて解雇が認められるかどうかは、裁判所の判断にゆだねられているのが実情だ。
しかし、長引く景気の低迷で企業には雇用過剰感が強く、解雇をめぐる紛争も少なくない。また、ルールがはっきりせず、紛争処理に時間や費用がかかることが、企業が採用を手控えたり、外資系企業などの参入を阻害したりする要
因だとして、ルールの法制化を求める声が規制改革を推進する学者などから出ていた。
こうした声を背景に、小泉純一郎首相が今年5月、終身雇用を前提とした雇用制度の抜本的見直しを厚労省に指示していた。
ただ、経済界の中にも、この時期のルールづくりは「便乗解雇につながりかねない」との見方がある。また、労働組合側は、企業の安易な解雇に歯止めをかける逆方向の「解雇ルール」づくりを求めていることから、今後、審議会でも議論が紛糾するのは必至だ。(朝日)
9月27日 大和ハウス:管理職を半減へ 大半は営業の第一線に配置転換
大和ハウス工業は26日、約2700人いる課長級以上の管理職を、10月1日付で半減させる方針を明らかにした。管理職を外れる人員の大半は営業の第一線に配置転換する。間接部門を縮小し、営業を強化するのが狙い。これほ
ど大規模に管理職を削減し、配置転換する例は珍しい。
現在、管理職の比率は全従業員の約2割。これを約1割程度まで減らす。対象者は全国に80カ所ある営業拠点などに異動することになるが、手当などで給与は現在と同程度になるよう配慮する。
現在約5300人いる営業担当者は6600人程度に増える。同社は営業担当者の人員増加で地域に密着した営業活動を進め、現在の住宅販売シェア3%台から10%を目指す。(毎日)
9月26日 サラリーマンの年間給与、3年連続ダウン
民間企業の会社員が昨年1年間に得た平均給与は、前年より3000円(0・1%)少ない461万円で、3年連続でダウンしたことが26日、国税庁の2000年分「民間給与実態統計調査」でわかった。給与総額も3594億円(0・2%)少ない207兆1594億円となるなど、長引く不況の影響が色濃く反映している。
昨年1年間を通して民間企業に勤めた給与所得者は4494万人で、前年比4万人減。リストラの影響で2年連続で減少した。
平均給与の内訳は、給料・手当は380万3000円で前年より約5000円(0・1%)アップしたが、景気動向に左右されやすい賞与は80万7000円と約9000円(1・1%)の減少。給与全体に占める賞与の割合は21・2%で、60年以降では最も低くなった。
業種別の平均給与をみると、製薬会社など化学工業が569万円(前年比1・8%増)で4年連続トップ。金融保険・不動産業の557万円(同0・1%増)、金属機械工業の545万円(同1・5%増)と続き、最も低かったのは農林水産・鉱業の326万円(同1・5%減)だった。
一方、給与所得者が源泉徴収された所得税は、1226億円増(1・4%)の9兆1754億円と、3年ぶりに増加。給与総額が減少したのにもかかわらず税額が増えたのは、16歳未満の年少扶養親族に対する扶養控除額の割増特例(10万円加算)が、99年で廃止されたことが主な原因とみられる。(読売)
9月25日 労災訴訟:腰痛発症で日航客室乗務員への補償認める 東京高裁
「腰痛などを発症したのは業務が原因」と、日本航空の元客室乗務員、塚本洋子さん(48)が、療養・休業補償の支給を認めなかった労働基準監督署に処分取り消しを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は25日、原告側敗訴の東京地裁判決を取り消し、補償の支払いを命じた。鬼頭季郎裁判長は「日常生活で発症する要因は見当たらず、業務に起因すると認めるのが相当」と述べた。
原告側弁護団によると、客室乗務員の業務と腰痛などとの因果関係を認めた司法判断は、初めてという。また、国内航空6社で、3人に1人の乗務員が腰痛などを抱えているとされ、判決は影響を与えそうだ。
判決によると、塚本さんは国際線や国内線で勤務したが、80年ごろ腰や首などが痛む症状が悪化した。82年10月に大田労働基準監督署に労災補償保険法に基づき療養・休業補償を請求したが、労基署は「業務上の疾病に当たらない」と不支給としたため、提訴した。
東京地裁は昨年9月、業務による慢性疲労を原因の一つに挙げたが「労働以外の影響も考えられる」として、原告側敗訴の判決を出していた。(毎日)
9月23日 日立製作所のただ働きを是正 愛知・尾張旭市の情報機器事業部 約600人が対象 厚生省通達を力に 数十万円支払いの人も
日立製作所の情報機器事業部(愛知県尾張旭市・旧旭工場)で、今年四月以降の不払い残業代が八月末の賃金支払い日に、労働者に支払われていたことが二十三日までにわかりました。
支払い額は、多い人で数十万円にのぼり、十万円を超える人も少なくありません。支払われた人数は明らかにされていませんが、対象となる労働者は、およそ六百人。
とくに開発設計部門では、深夜に及ぶ残業が常態化していました。七月に青年労働者が残業中職場の窓から飛び降り自殺するなど、一年間で二十代の労働者が三人も在職死亡しています。
日立では、「Eワーク」とよばれるニセ裁量労働制を導入。出勤も退勤時間も労働者の「裁量」となっていますが、三十時間分の手当が支払われるだけで、それを超える残業は「自己申告」です。そのため多くが申告せず、ただ働き(サービス残業)の温床となっていました。
情報機器事業部には、今年一月と六月、愛知県内の瀬戸労働基準監督署による立ち入り指導が行われていました。四月には、厚生労働省がサービス残業根絶にむけ、使用者に労働時間の把握を求める通達をだしています。
今回の是正の背景には、職場の労働者有志が労働基準監督署や当該労組にたいし、繰り返しサービス残業を根絶するよう働きかけてきたことがあげられます。
労働者有志の一人は、「『厚労省通達』の力は大きい。残業実態が監督署に伝われば、違法なただ働きはただせます。通達の趣旨の方向でサービス残業を一掃したい。会社はリストラ案を発表していますが、職場は人手不足です。サービス残業なしの経営計画を立てるよう、労組が役割を発揮してほしい」と語っています。(しんぶん「赤旗」9月24日付)
9月21日 派遣労働者の36%「正社員になりたい」
派遣労働者の約45%が今後も派遣スタッフとして働くことを考えている一方、約36%が正社員になるのを望んでいることが20日、社団法人「日本人材派遣協会」(東京・千代田)の調査でわかった。労働者派遣法の評価では、「職種の自由化」や「紹介予定派遣」が8割前後の高い支持を集めた。
調査は、仕事ごとに契約する登録型の派遣労働者を対象に、派遣元を通じて3万9200通の調査票を送り、9271通(回収率23.6%、有効回答9151通)の回答を得た。回答者の約95%が女性で、20代が40.6%、30代が46.9%を占めた。
就労希望の項目では、「今後も派遣スタッフとして働きたい」と答えたのが45.2%。「仕事が選べる」「ライフスタイルに合わせられる」などの声が多かった。派遣労働の総合評価でも「満足」「ほぼ満足」(計40.7%)が、「不満」「ほぼ不満」(計21.4%)を上回った。(日経)
9月20日 西鉄 労働条件改善 バス運転手にゆとり勤務 NHKニュース速報
福岡労働局から労働条件の改善を求められている西鉄は、バス運転手の退職者およそ百人を再雇用したり、土曜日のバスのダイヤを見直したりして、運転手のゆとりある勤務を図っていくことを明らかにしました。
これはきょう西鉄が記者会見して明らかにしたものです。
西鉄は先月三十一日に、バス運転手の休憩時間が不足しているなど労働条件に問題があるとして、福岡労働局から勤務体系の見直しなどを指導されていて、現在、改善策をまとめています。 改善策の一つとして西鉄は、来年の夏を目標にバス運転手の退職者およそ百人を嘱託として再雇用する方針で、すでに今年退職する予定の運転手から希望者を募っていることを明らかにしました。
さらに週休二日の浸透に伴い、土曜日のダイヤを日曜日並みに運行本数を減らすこと、通学の利用者が減る学校の夏休みや冬休み期間のダイヤの見直しを随時進めることで、運転手のゆとりある勤務を実現したいとしています。
西鉄はこうした改善策を来月上旬までにまとめて、福岡労働局に報告するとともに先にまとめた事故の再発防止策に沿って、運転手の安全教育や研修などを進めていきたいとしています。
西鉄の明石博義(アカシヒロヨシ)社長は、「安全が事業のベースだけに改善策を着実に実行し、事故のない西鉄バスを目指したい」と話しています。
9月19日 『給食調理で首、肩に痛み』 二審も公務災害認定 名古屋高裁判決
慢性的に首や肩が痛む「頸肩腕(けいけんわん)症候群」になったのは過重労働が原因として、名古屋市内の保育園で給食調理をしていた女性二人が、地方公務員災害補償基金名古屋市支部(支部長・松原武久市長)を相手取り、公務外災害の認定処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決の言い渡しが十九日、名古屋高裁であった。福田晧一裁判長は「業務(公務)と疾病との間に因果関係が認められる」として処分の取り消しを命じた一審・名古屋地裁判決を支持し、基金側の控訴を棄却した。
二人は名古屋市に住む厚味當子(まさこ)さん(62)と玉置朋子さん(57)。厚味さんは昨年三月、定年退職した。
業務が過重かどうかの基準について、基金側は「平均的労働者で判断すべきだ」と主張していたが、福田裁判長は一審判決同様、「個人ごとに判断すべきだ」と退けた。その上で「設備が不十分で、職員配置が不適切だったため、二人は過重な労働を強いられた。肩や腰などに負担がかかったという一審判決に誤りはない」と判断した。
判決によると、厚味さんは一九七六年十一月から、玉置さんは七七年四月から市の保育園業務士に採用され、保育園の給食調理や清掃に従事。二人とも数年後に肩や腰などに痛みを感じ、病院で頸肩腕症候群や腰痛症と診断された。その後、設備が改善され、二人は現在、回復している。
二人は八一−八二年に同支部に労災認定を請求したが、八九年に却下されたたため、九三年に提訴。名古屋地裁は昨年三月、公務災害を認める判決を出した。
厚味さんは判決後「基金に救われず、裁判所で救われた」と笑顔を見せた。玉置さんは「他の不十分な環境で働いている人のためにも、公務災害が認めら
れてうれしい」と話した。
主張認められず残念
地方公務員災害補償基金名古屋市支部の岩本豊事務長の話 判決内容を詳細に検討していないので詳しいコメントはできないが、基金側の主張が認められず残念。基金本部とも協議して今後の対応を考えたい。(中日)
9月17日 セガ「隔離部屋」訴訟和解 会社側が謝罪
ゲーム機器メーカー大手の「セガ」(東京都大田区)の元男性社員(37)が、「社内の隔離部屋に移されて仕事を奪われ、解雇された」として、解雇撤回を求めていた訴訟で、セガ側が事実上謝罪し、元社員を会社の都合による退職扱いにすることで17日までに和解が成立した。
労働組合側の説明などによると、元社員は98年12月、「パソナ・ルーム」と呼ばれる、窓がない小部屋に突然「異動」させられた。仕事の指示はなく、私物の持ち込みや昼食時以外に職場を離れることも禁止。結局、99年3月に「労働能率が劣り、向上の見込みがない」として解雇された。
和解の文書で、セガ側は「解雇について、十分な配慮が足りなかったことを痛感している」として、元社員の就職活動の支援を約束している。
セガはほかに、千葉の工場閉鎖に伴う希望退職に応じなかった組合員5人の賃金3割カット▽子会社への転籍を拒否した組合員12人の配転という訴訟を抱えていたが、これについても、カット分の賃金支給や転籍先での給与制度の原則維持などを会社側が確約し和解した。
◇セガ広報室の話 労使が誠意を持って十分な協議をした結果、最善の方法が取れた。これらの件についてはすべて解決したと思っている。(朝日)
9月17日 労災不正受給:全国初の防止対策本部 大分労働局
大分労働局は17日、大分県内に振動障害を理由にした労災保険の不正受給をあっせんするグループがあるとして、県警などと全国初の労災保険不正受給防止対策本部を設けた。労災認定した数件は不正受給の疑いが強いとみて、年内にも詐欺容疑で佐伯署に告発する。
大分労働局によると、「不正受給が組織的に行われている」との投書を受け4月から調査。(1)佐伯労基署管内の申請で、倒産した建設会社名義の職歴証明が目立ち、偽造された疑いが強い(2)労災患者を救済する目的で作られたグループの会員に不正とみられる申請が多い――と分かった。グループの一部会員が不正受給の成功報酬100万〜300万円を受け取っているとの情報もある。
振動障害による労災認定は99年度に全国で912人。このうち大分県内は100人、佐伯労基署管内は65人に上る。同管内の申請件数は94年度まで一けただったが、90年代後半から増え始め、00年度は104件と全国343労基署の中で突出してトップだった。
木の伐採やトンネル工事の削岩など機械の振動に伴う末梢神経障害などが振動障害に当たる。労災認定されると、最高で年約700万円の休業補償を受けられる。(毎日)
9月17日 <労災申請>勤務医の自殺で遺族が 新宿労基署に 病院は認めず
東京都の立正佼成会付属佼成病院(大場英巳院長)に勤務する小児科医が99年8月、病院の屋上から飛び降りて死亡したのは過労自殺だとして、勤務医の妻(45)が17日、新宿労働基準監督署に労災を申請した。勤務医の過労死や過労自殺への労災適用は過去数例にとどまっている。
亡くなったのは中原利郎さん(当時44歳)。妻の代理人によると、87年から同病院小児科に勤務していたが、リストラによる医師数の減少で勤務時間が延び、24〜32時間の連続勤務となる当直を99年3月に7回、同4月には6回と、全国の小児科医平均の倍近くこなしていた。また、小児科の責任者として経営者から経営効率アップを迫られ悩んでいた。同4月ごろからうつ病にかかり、睡眠薬を常用していた。
妻は記者会見で「夫は死ぬ直前『命を削っている』『このままでは病院に殺される』とこぼしていた」と語った。病院は「過労自殺」と認めず、労災申請に協力しない姿勢を貫いている。 【井上英介】
9月10日 共産党:「リストラ反対・雇用を守る闘争本部」設置
共産党は10日の常任幹部会で、市田忠義書記局長を責任者とする「リストラ反対・雇用を守る闘争本部」の設置を決めた。記者会見した志位和夫委員長は、「日本で過剰なのは雇用ではなく労働時間。大企業は雇用を維持する社会的責任を自覚する必要がある。政府もリストラ応援の政策を転換すべきだ」と述べ、解雇規制の導入や失業者の生活保障拡充に向けて働き掛けを強める考えを示した。(毎日)
9月7日 労働時間、日本は6位後退・ILO2000年調査
国際労働機関(ILO)は6日までに、2000年の主要各国の平均労働時間で最も長かったのは韓国、先進国では米国がトップだったが、1990年調査で先進国中、最長だった日本は全体で6位に後退したとする調査結果をまとめた。各国労働者1人当たりの年間労働時間を国際比較したもので、1位の韓国が2474時間、2位はチェコの2092時間、3位が1978時間の米国の順。
メキシコ、オーストラリアに続き日本は1842時間で、90年調査の2031時間から大幅に短縮した。日本はバブル崩壊後の不況や構造改革の影響、情報技術(IT)革命のため労働時間が短くなったとみられている。米国は90年に比べると36時間長くなっている。先進国は労働生産性の向上に伴い労働時間は短くなる傾向が強いが、90年以降の好景気と低賃金の移民の流入などで労働時間が長くなったという。(日経)
◆当HP管理者のコメント
現在の日本の労働時間が減少しているというニュースには、二重のまやかしがあります。
1つは、最近どんどん増えているパート、アルバイト、派遣などの不安定雇用を含めた平均労働時間であるということです。現実には、週60時間、70時間といった超長時間労働は間違いなく増加しています。
2つ目は、日本が届け出ている労働時間統計は、事業者から集めたデータを基にしており、少なくとも年間350時間といわれる「サービス残業」が含まれていないということです。仮に公式発表の1842時間に350時間を足すと2192時間になり、韓国に次いで2位に躍り出ます。
こんな発表を、何の問題意識もなく報道するマスコミの批判精神が問われます。だいたい、これを書いている記者自身、1842時間しか働いていないのでしょうか? マスコミは、もっと労働現場に目を向けるべきです。
9月6日 白木屋が社員に謝罪し、未払い残業代38億円を支払う和解 (9月7日「しんぶん赤旗」) →白木屋労働組合のホームページはこちら
社員に未払い残業代38億円
白木屋労組に会社が謝った
「頑張ってよかった」
勝利の和解
「最後までがんばって、会社に謝らせたよ」――白木屋(しろきや)など全国に九百五十店舗をもつ居酒屋業界最大手のモンテローザ(本社・東京都武蔵野市、従業員約二万人)に働く女性たちが、労働組合を結成して三年余たたかい、六日、未払い残業代計二十一億円の支払い、労働条件の大幅な改善を会社に約束させました。
これまでに会社に支払わせた未払い残業代約十七億円と合わせると、三十八億円になります。未払い残業代の支払い総額としては、過去最大の規模です。
この日、東京都内の東京弁護士会館でおこなわれた和解調印式には、支援の労働者ら約五十人が立ち会いました。東京西部一般労働組合白木屋分会長の有働昌子さん(27)は、「会社側の嫌がらせをうけて退職せざるを得なかった仲間たちに報告したい。本社以上に劣悪な条件で働いていた店舗の労働者にも運動が広がったこと、支援の輪が広がった結果だと思います。本当にうれしい」と語りました。
有働さんらが組合をつくったのは一九九八年五月。給料日直前に回覧板一枚で二万円も賃金が引き下げられるような労働条件を変えたい、と思ったからでした。
会社は、本社勤務の組合員に店舗(居酒屋)での深夜勤務を命じるなど嫌がらせをつづけ、七十人いた組合員が一時は三人にまで減りました。しかし組合員たちは、地域の労組や全労連青年部などの支援をうけてたたかい、店舗の労働者約百二十人が組合に加入しました。
職場にまん延していた未払い残業は、組合の調査で三十億円から四十億円にのぼっていました。組合は、未払い残業代の支払いを求めて労働基準監督署に告発。社長らが書類送検されました。国会では日本共産党が追及。会社は追いつめられました。
調印式には国会で質問した日本共産党の大森猛衆院議員もかけつけ、労働者と固い握手を交わしました。
和解内容
(1)会社は労働組合と全従業員に陳謝する(2)全国の店舗に休憩室を設けるなど十四項目の労働条件を改善(3)全社員への未払い残業代約二十一億円を支払う(支払い済み分を含めると計三十八億円)(4)解決金を支払う
白木屋分会 勝利和解
2万人の従業員に残業代と休憩室
若い女性の勇気 広がった支援の輪
いやがらせに負けず“たたかってよかった”
六日に和解協定を結んだ白木屋分会のたたかいは一九九八年五月、モンテローザ本社で働く事務職の女性たちが、ひどい労働条件を改善したいと労働組合を結成したことに始まります。
1分遅れたら1万円カット
当時、モンテローザ本社では、給料日直前に社内回覧一枚で一方的に一万円、二万円と賃金が引き下げられたこともありました。有給休暇は二週間前に申請しなければ認められず、欠勤一回で八万円の賃金をカット。JR中央線の相次ぐ事故など公共交通機関の遅れなどで一分遅れても遅刻とされ、一万円の賃金がカットされました。労働者の不満が渦巻き、約七十人の女性労働者が組合に加盟しました。
労組結成を嫌った会社側は、組合員に深夜勤務を命じるなど陰湿ないやがらせを続けました。その中で組合員の退職・脱退が相次ぎましたが、二十代の女性三人が分会の旗を守ってたたかいつづけてきました。
同社ではとくに残業代の未払いがまかりとおっていました。本来なら一時間当たり約二千円の残業手当を支払わなければいけないのに、半額の千円しか支払わず、残業をタイムカードにつけないよう指示。「つけたら処分する」と脅しました。組合の調査で、未払い賃金(サービス残業代)は三十億円から四十億円にものぼることが明らかになりました。未払い賃金の請求裁判(九九年七月)を起こし、三鷹労働基準監督署にも刑事告発(二〇〇〇年四月)し、今年一月には書類送検されていました。
毎週つづけたデモ・集会
この間、少数ではあっても不屈にたたかう女性組合員に大きな熱い支援の輪が広がります。三多摩労連、武蔵野三鷹地区労、東京西部一般などが「白木屋分会支援連絡会」をつくり、全労連青年部も全面的に支援。組合外の青年にも支援が広がりました。ほぼ毎週、本社最寄り駅前などでの宣伝や新宿、渋谷での大規模宣伝や集会、パレード、本社近くでの集会・デモ行進などをつづけ、会社を社会的に包囲していきました。
全国の店舗への要請や、インターネットのホームページでもよびかけ、約百二十人の店舗従業員が組合に加入しています。
この日の和解は、会社の攻撃で一時は三人になりながらも、労働組合の旗を守って無法な企業とたたかいぬき、労働者の支援の広がりのなかで手にした勝利です。約二万人の職場労働者の未払い残業代の支払い、労働条件の大幅な改善をかちとり、画期的な成果です。
未払い残業代は、退職者を含めて今回、会社が支払うのは二十一億円、これまでに要求にもとづいて十七億円を支払っており、会社が支払う未払い残業代の総額は三十八億円にのぼります。未払い残業代の支払い総額としては過去最大の規模です。サービス残業根絶の運動にとっても重要な前進です。
外食産業で違法行為横行
白木屋だけでなく、外食産業の多くで、違法行為が横行しています。
全国展開している外食産業四百二十社が加盟している日本フードサービス協会によると、四万八千店舗に四十九万人が働いています。そのうち75%がパート・アルバイト。正社員の七割以上が二十代、三十代。パート・アルバイトの平均年齢は男子二十三歳、女子二十九歳です。
労働組合もない、権利もない厳しい労働条件のなかで、これまで泣き寝入りをせざるをえなかった若者たちにとって、白木屋の女性らの勇気あるたたかいは、大きな励ましになります。(原田浩一朗記者)
胸張れる解決へがんばってきた
白木屋分会の組合員、荒木好江さん(28) 三人が欠けることなく解決できたことが何よりもうれしい。あいまいには終わらせない、会社にきちんと謝罪させ、胸を張れるような解決をしたいとがんばってきました。突然の配転や給与の減額に、家族が泣きながら電話をしてくる。こんなことは許せないという思いでした。会社のひどいやり方に「おかしい」というのは当然のこと。多くの若い人にも身近な問題として考えてほしいです。
多くの人が支えてくれた
白木屋分会の組合員、兎子尾(としお)美香さん(25) たたかいの中で結婚し、十月末には出産の予定です。二人が一緒にがんばってくれて、多くの人が支えてくれたから、たたかい続けられました。突然の配転命令や、いやがらせなどつらかったけど、解決の日が迎えられて本当にうれしい。ずっと応援してくれた夫に、喜びを伝えたいです。
和解協定内容
東京西部一般労組、同白木屋分会とモンテローザが結んだ和解協定の内容は次のとおり。
(1)会社の陳謝
会社は、副分会長への不当配転を命じたことや、残業代未払いなどの労働基準法違反で経済的、精神的に損害を与えたことなどを列記して陳謝する。全従業員にたいして、社長が陳謝する。
(2)組合の要求にもとづく労働条件の改善
すべての店舗に休憩室を設置する。異動は事前に通告し、移転を伴なう異動の場合は、本人と家族の旅費と転居費用を会社が負担する。個人の労働時間、残業区分別単価などを給与明細とともに毎月交付するなど。
(3)未払い賃金の支払い
在職者退職者全員に、未払い残業代を過去二年間にさかのぼって支払う(約二十一億円)。
(4)解決金の支払い
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株式会社モンテローザ 居酒屋業界最大手で、従業員は約二万人。全国で白木屋(しろきや)、魚民(うおたみ)など九百五十店舗を展開しています。本社は東京都武蔵野市。大神輝博社長。
9月6日 金属労協、ワークシェアリングの導入を検討
自動車や電機など金属関連産業の労組でつくる金属労協の定期大会が5日、東京都内で開かれ、仕事を分け合って雇用を確保する「ワークシェアリング」導入を検討するなどの来年度の活動方針を決めた。これまで労組は、ワークシェアリングに伴う賃下げについて踏み込んだ議論を行ってこなかったが、容認の是非も含めて話し合い、来年秋の定期大会までに結論を出す方針。また、連合の新事務局長に推薦されている草野忠義議長の後任議長に、鈴木勝利・電機連合委員長が選出された。(読売)
9月5日 “雇用守る責任 企業にはある” ラウ独大統領あいさつ 国際労組連合UNI大会で (9月7日「しんぶん赤旗」)
【ベルリン5日坂本秀典】ドイツのヨハネス・ラウ大統領は五日、ベルリンで開かれた技術・サービス分野の国際労組連合UNI(ユニオン・ネットワーク・インターナショナル、組合員千五百五十万人)の第一回大会であいさつし、「企業は利益をあげるだけでなく、人間の生活を支える重要な責任を担っている」とのべ、利潤第一主義に走る一部企業の姿勢を批判しました。
同氏は、グローバリゼーション(経済の地球規模化)のなか企業合併やそれに伴う大規模な人員削減が起きているが、雇用を減らすような企業はそれで「強くなった」といえるのか、「経済活動と福祉は両立しなければならない」「人間は経済のためにあるのでなく、経済が人間のためにある」と強調しました。
また、国際化が進む今日、「ある国の労働者のたたかいが他の国々にとってどんな意味を持つかも問われるようになっている、自分の利益だけを考えるのでなく他人のことも考慮しなければならない」と指摘、この点で、UNIのように「労働組合の国際化は不可欠と思う」と述べました。
9月4日 消防隊員にも心の傷「惨事ストレス」 歌舞伎町火災
朝日新聞ニュース速報
44人が死亡した東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビル火災で、救助にあたった消防隊員らの間に放心状態などの「惨事ストレス」(CIS)が広がっている。せい惨な事故や事件の体験は、被災者・被害者だけでなく助ける側にも心の傷を残す。
煙が押し寄せ、狭い階段を消防隊員はなかなか進めない。暗やみを投光器で照らすと、10〜20人が折り重なるように倒れ、うめき声が聞こえた。
火災が発生した1日、東京消防庁の隊員は疲れ切った表情で語った。
消火・救助活動が一段落した同日未明には、すすだらけの消防服姿の若い隊員が、視線の定まらない様子でふらふらと現場から消防車へ歩いていた。
同庁によると、1日、火災現場に出動した救急・消防隊員の3人に1人、約120人が、3日までに「惨事ストレス」の症状を感じていたという。
内容は公表されていないが、関係者によると、「しばらく放心状態に陥った人もいる」という。多くの遺体がある現場に入って、においや被害者の声が体に刻み込まれ、その記憶がしばらくの間消えず、食事がとれない、眠れない、助けを求める人が夢に現れる、などの症状が続くという。
ベテラン職員によると、隊員は日常的にストレスを感じている。災害出動を拒否できない。社会からは「頼もしい」という目で見られ、職場でも「弱音を吐くな」と言われる。逃げ遅れた人を助けられなかったときは「申し訳ない。力が及ばずに悔しい」と悩み抜く。犠牲者の出た現場に花束を供えるのは、そのためだという。
今回は小さな焼失面積にもかかわらず、東京消防庁管内で過去最大の犠牲を出した。よりストレスは大きかったとみられる。
今年6月8日、大阪府池田市の小学校で起きた児童殺傷事件でも、惨事ストレスは報告されている。現場に出動した救急隊員らが、「目覚めるときに現場の光景がよみがえる」「悪い夢を見た」などと訴えた。
特に、被害者と同じ年ごろの子供を持つ30歳代の隊員に著しかったという。わが子と重ね合わせより強い精神的衝撃を受けたとみられる。
群馬県の多野藤岡広域消防本部の茂木利美さん(39)は、今回の火災を聞き、16年前を思い出していた。520人が死んだ日航ジャンボ機の墜落現場だ。
消防士になって4年目に、事故に遭遇。「もっと早く現場に着いていたら、助けられたかも」と悔いた。1カ月ぐらいは寝付けず、ヘリコプターの音を聞いたり、交通事故や火事の現場に向かったりする度、現場のにおいや惨状が思い出されたという。
「惨事ストレスという言葉もない時代。同じ現場を見た者同士しかわからないつらさだった」と振り返った。
「惨事ストレス」は、きわめてせい惨な現場に出動し、生命の危険を感じることによる恐怖や職業上の重責感から生じるとされる。日本で問題になったのは、95年の阪神大震災以降のことで、対策はようやく始まったところだ。
東京消防庁は今回、ストレス解消のため、職員同士に体験を語り合わせるなどのプログラムを実施した。少人数のグループになり、自ら胸の内を語ることで、ストレスの解消を目指す。ベテラン職員が聞き役になった。
大阪府池田市の児童殺傷事件でも、池田市消防本部が事件10日後から3日間、集団カウンセリングの場を持った。数カ月後に症状が現れることもあるため、継続して相談を受ける態勢を取っているという。
自衛隊も、来年から隊員向けの本格的なメンタルヘルス(精神衛生)対策に乗り出す。「公式の報告はこれまでないが、航空機事故や自然災害で死体処理などに当たった自衛官が、ストレス障害に陥ったケースがあると聞いている。隊員に任務の限界があることを事前に分からせることが大切」と、野村総一郎・防衛医大教授は話す。
日本でのこの分野の第一人者、中井久夫・兵庫県こころのケア研究所所長は、阪神大震災当時、神戸大学医学部教授だった。消火活動が十分にできなかったという消防職員や、避難所になった学校校長に症状が見られ、心のケアに力を入れた。 「職業だから当たり前という意識もあって、救援活動自体がストレスになるということは見過ごされがちだった」 米国ロサンゼルスなどでは、現場から帰ってきた消防隊員は心残りや無念さを打ち明けあい、最終的に「ベストを尽くした」というところまで持っていく「デブリーフィング」(使命解除)と呼ばれるミーティングに参加する。そうしないと、帰宅させないマニュアルがある。中井さんはこれを98年、日本に紹介した。
「現場の興奮を家庭に持ち込まないという考え方だ。ストレスの耐性には個人差があり、長期的には組織に内密で個人がケアを受けられる体制を整えることが必要」と話している。
◆惨事ストレス(CIS=Critical Incident Stress)
大規模災害や悲惨な事件現場で活動した消防隊員や救急隊員が、被災者や被害者と同じような心理的衝撃を受け、睡眠障害や集中力の低下などのストレス反応を起こすこと。
9月4日 自殺防止の総合対策策定へ 年間3万人超、厚労省が専門研究班
年間の自殺者が三年連続で三万人を超え深刻な社会問題になっていることから、厚生労働省は三日までに、自殺を防止するための初の総合対策を策定することを決めた。既に専門の研究班を設置、九月から具体的な検討に入った。
二○○三年度末までの三年計画。自殺者数の増加は失業率の悪化に足並みをそろえる傾向がみられ、雇用不安で自殺者増が懸念される中、若年層や中高年、都市や農村といった世代・地域別に具体策を探る。自殺防止に有効な新薬の開発を検討する別のチームも結成、多角的に対策を進める。
研究班主任研究者の堺宣道国立精神・神経センター精神保健研究所長は「日本では自殺の実態から具体的な防止策を導き出す研究が極めて少ない。社会情勢を踏まえた科学的な防止策を目指したい」と話している。
研究班は、精神科、法医学の医師や社会学者ら八人の中心メンバーに、各分野で支援する専門家十人の計十八人で構成。
遺族への聞き取りなどから自殺に至った背景やいきさつを分析するほか、「自殺の現場」に立ち会う機会の多い警察官や救急医への調査によって動機や手段などのデータを集約。@家庭や職場での人間関係Aうつ病や飲酒との関連性B直接的なきっかけ―などの観点からも分析を進める。
その上で、世代や地域で異なる生活環境の違いを考慮して個別に防止策を作っていく。
厚労省の二○○○年人口動態統計では自殺者は三万二百二十六人。年代別で最多は五十代で、全体の25・9%を占めている。
同省によると、地域別では過疎地の高齢者の自殺増加が注目されたことから、秋田、新潟両県などで自治体や市民による取り組みがある半面、都市での対策の遅れが指摘されている。
研究班には建築学の専門家も加わり、ビルの屋上や駅ホームの構造を自殺予防の観点から検証する。
同省は自殺防止に有効な向精神薬の開発や、自殺が社会に与える「経済的影響」の分析チームも結成。有識者懇談会を設置し、施策の方向性を議論する。
9月3日 安田病院:未払い賃金4千万円の支払い命じる 大阪地裁
診療報酬詐欺事件で摘発された安田病院(大阪市住吉区、97年に廃院)と系列2病院に勤務していた元ヘルパーら42人が、安田基隆・元院長=99年に死亡=らに、計約2億7000万円の未払い賃金の支払いを求めた訴訟の判決が3日、大阪地裁であった。松本哲泓(てつおう)裁判長はヘルパー側の主張を一部認め、安田元院長の遺族3人らに約4000万円の支払いを命じた。
判決によると、ヘルパーの勤務は、97年2月ごろには、隔日での午前8時〜翌日午前10時の連続26時間勤務が常態化していたが、病院側は労働基準法で定める時間外や深夜、休日の割増賃金を支払わなかった。
ヘルパー側は95年1月〜97年9月の未払い賃金を求めたが、判決は「97年1月までの賃金請求権は時効で消滅している」とした。(毎日)
9月2日 深夜勤務手当を過少支給 近畿郵政局 未払い分5000万円追給
近畿郵政局(大阪市中央区)管内の五十八の普通郵便局で、非常勤職員(ゆうメイト)の深夜勤務手当を過少支給していたことが二日までに分かった。同郵政局は千九百九十三人に未払い分の計約五千万円を八月から賃金に上乗せするなどして追給している。
ゆうメイトの深夜勤務は午後十時から午前六時までで、アルバイトの大学生らが中心。労働基準法によると、二日にまたがる勤務で、二日目が勤務日でない場合、「明け」の勤務時間は休日出勤扱いとして時給の35%を手当として支払わなくてはならない。
今年三月、給与などを話し合う同郵政局内の勉強会で、ゆうメイトの手当てが議題に上がり、各郵便局に照会。一九九三年三月から今年六月までに五十八局で過少支給を確認した。
ゆうメイトは、平均時給が九百円で、郵便物の仕分けやダイレクトメールの発送などをしている。(産経)