《 喘息診断喘息治療 》
喘息治療と慢性細気管支炎

月〜年単位に渡る咳と(または)痰を主訴とする
慢性細気管支炎の解説、当院には医博オリジナルの喘息診断法、喘息治療法があります。
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病院福岡県福岡市内科呼吸器科喘息Asthmaの病院華笑クリニック

Introduction
慢性細気管支炎
  



華笑クリニック
院長
 
松本 法親
               
                  慢性細気管支炎




<筆者の慢性細気管支炎の定義>

月〜年単位に渡る咳と(または)痰を主訴とし、HRCTにて呼吸細気管支レベル以遠(末梢)
が描出され(形態学的診断)、肺機能検査ではsmall airwaysの
閉塞性換気障害を示す
(機能的診断)disease。

(CRPマイナスであり、咳喘息でもなく、マイコプラズマ感染でもなく、花粉症による咳でもなく、Fletcherの慢性気管支炎の定義にも該当しないもの)

<主訴>
「風邪を引いて熱や鼻汁はおさまったが咳や(または)痰がずっと止まらない」が8割。
”ずっと”の期間は1〜3ヶ月の時点で受診される方が8割である。


<既往症>
「幼少期から風邪をひきやすい」、「気管支が弱いと言われている」など、
またそういった家族歴を持つ人が多い。


<病因>
原因としてはairborn由来(<-- HRCT)の何かと考えられる。男性の8割は
smoker(current or ex)であり、女性の8割はnonsmoker(never or passive)である。
女性の場合は、大気中の汚染物質(タバコの副流煙や排気ガスや焼却炉の煙など)が
原因と推測している。この点は、女性の肺癌の8割が、タバコと関係のない腺癌である
ことと類似していて興味深い(第32回日本臨床生理学会
総会H7.10発表)。

・大気汚染(屋外・屋内)

 屋外大気汚染・・・@産業スモッグ(二酸化硫黄)

            A光化学スモッグ(オゾン,二酸化窒素)

            B交通量多い所(二酸化硫黄+二酸化窒素の混合気,ディーゼル排気物質)

 屋内大気汚染・・・@暖房器具,建材(二酸化窒素)

            A室内汚染物質(ホルムアルデヒド)




<画像診断>
特徴的なHRCT(高分解能CT)所見

 終末細気管支伴走動脈のendpointを超えて多数の分岐構造(=呼吸細気管支〜=正常では見えない)が描出される。ただし非特異的所見である。    

 (第35回日本胸部疾患学会総会H7.5発表)


<肺機能検査>
Flow-Volume Curveの下行脚が下に凸(small airways=細気管支の閉塞性換気障害+)

下行脚が下に凸=V50/V25比が2.0より大(2.0で直線)


<治療及び経過>
第1選択はエリスロマイシンである。エリスロマイシンの少量400〜600ミリグラムの投与により、
9割の人は7週までの間に咳と(または)痰が改善する。HRCTの異常所見(呼吸細気管支が
見えている)の改善は、投与複3ヶ月目から始まり、12ヶ月目で8割の人が、15ヶ月目では
全例が軽度以上の改善を示す(第32回日本臨床生理学会総会H7・10発表)。

興味ある事は、エリスロマイシンによる
HRCTの改善効果は非特異的であり、喫煙の有無、
性別、初期重症度、アレルギーの有無、治療開始時年齢、疾患(慢性細気管支炎か喘息か)
は何ら改善効果に影響を及ぼさない
(第36回日本胸部疾患学会総会H8.4発表)。


<副作用>
 重篤なものはまず無い(DPBびまん性汎細気管支炎に対するエリスロマイシンの
少量長期投与ですでに確認されている)。これまで経験した副作用としては、2例が中程度の
肝機能障害出現のため1カ月以内で投与中止(ステロイド+肝庇護療法で回復)。
慢性肝炎(+)の場合でも悪化をみた例はない。ワーファリンやテオフィリンの血中濃度に及ぼす
影響も、少量投与では無い。ただしエリスロマイシンは消化管運動を更進させるため、
中には腹がグルグルいったり下痢を伴う場合があるが、この場合は錠剤をドライシロップに
変更することで解決できる。


<投与期間>
 再受診再治療となったケースが全例、投与6ヶ月以内の自己中断であることを考えると
最低6ヶ月以上、またHRCT上、全例が改善するのがは15ヶ月であることを考えると、
最低15ヶ月以上は必要と考えられる。ただし、少量投与による中止すべき副作用がまずない
ことを考えると
できる限り長期間内服し続けたほうがメリットが高いと考える。

なぜならば、エリスロマイシンによる改善の主たるメカニズムが、
気管支の免疫能の補充効果
(DPBですでに研究されている)によるものであることを考えると、慢性細気管支炎を起こす
メカニズムとして、
気管支系の免疫能の低下がベースに存在することが示唆され、
またこの免疫能の低下は、その原因が先天的であれ後天的であれ、
除去されぬ限り存続
するもの、と考えるからである。



 

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