Q 家族に喘息は誰もいないのですが、喘息になりますか?
A. なります。
喘息には大きく分けて2つの型があります。
1.アレルギーが原因のアトピー型atopic(小児喘息)
2.吸ってる空気(タバコ、大気汚染)に原因がある感染型non-atopic(大人の喘息)
の2つです。
<1.アトピー型>
もっぱらマスコミでとりあげられているのは前者のアトピー型であり、小児期に発症
しており(小児喘息)、ご存じのとうりハウスダスト、ダニなどで発作が誘発され、
家族に喘息やアレルギー性鼻炎などのなんらかのアレルギー疾患があります。
日本や世界の研究者は、主としてこの型の喘息を研究しています。
=慢性好酸球性剥離性気管支炎 (=好酸球が悪さしている )。免疫病理学的には
IL-5 mediated eosinophilic inflammationであり、accuired immune pathway獲得免疫経路
が関与。
・大人になった後に発症する喘息のうち、アトピー型は多くても50%以下(3割)しかない。
一方、後者の感染型or非アレルギー型 or non-atopic type の喘息の場合は10年、20年、
30年と長期間10年単位(NOT日単位や月単位や年単位のレベル)で吸ってきた空気
が原因でまず慢性細気管支炎を起し、その結果発症してくるのが感染型喘息です。
10年、20年、30年経過して大人になった後に発症しますので”大人の喘息”と言う
わけです。
=慢性好中球性剥離性気管支炎 (=好中球が悪さしている)。免疫病理学的には
IL-8 mediated neutrophilic inflammationであり、innate immune pathway自然免疫経路
が関与。→詳しくは下図参照。
・”大人の喘息”の50%以上(7割)は感染型である。
原因はタバコや排気ガスなどの大気汚染物質ですから、アレルギーとは
無関係であり(IgE,RAST陰性)したがって『家族には誰も喘息がいない
(なぜ私だけ?)』と言われるのが通常です。
この型の喘息の研究は殆どなされてないのが現状です。
今秋(2005.秋)から5年間かけて、幹線道路沿いの小学生1万6000人を
対象に、車の排気ガスによる大気汚染と喘息との因果関係の本格調査を 環境省が
実施する予定です。
私は特にこの型の喘息の早期診断(聴診とHRCT)と治療(エリスロマイ シンを加えた
オリジナルの治療)に10年前から力を注いできました。
学術的に興味のあられる方は --→慢性細気管支炎
・感染型喘息発症の免疫学的機序はinnate immunity自然免疫が関与します。

<3.ミックス型> Q.今の年になってなぜ又喘息?
大人になって発症する喘息の大半7割は感染型であり、アレルギー(アトピー型)の
関与は高々3割です。
このミックスタイプの場合、小さい頃は小児喘息があったが”良くなってい
た”(正確には自分で自覚できる程の症状が無かったという意味でしょう。
本物の喘息なら小児喘息であっても治る事は無いですので。)のに、
『今の年になってなぜ又喘息』と言われる方が多い。
この場合、小児喘息の方は一旦寛解状態にあったが、吸ってきた空気が原因で
10年単位で慢性細気管支炎があって、その結果感染型喘息が加わって今の年になって
又喘息が起こってきたと考えたらいいと思います。

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