解熱鎮痛剤について
みなさん、解熱鎮痛薬服用後、喘息発作の起こった経験はありませんか?
これがアスピリン喘息(AIA)です。
AIA;Aspirin-Induced Asthma=NSAIDs過敏症(or不耐症)気道型
NSAIDs (non-steroidal anti-inflammatory drugs);非ステロイド性解熱鎮痛剤。COX-1,2の
阻害作用∴PG合成阻害(抗炎症)作用を持つ。
COX-1:サイクロオキシゲナーゼ-1cyclooxygenase-1
肥満細胞=マスト細胞=mast cell
IgE=抗原特異的IgE抗体
【アスピリン喘息とは?】Aspirin-Induced Asthma(AIA)
成人後に発症する非アトピー型の重症喘息である。20才代〜50才代(平均30才代)に発症
することが多い。一度獲得したNSADs過敏症は一生続く。家族内発症は1%と少ない。
ベースにロイコトリエン過剰産生体質がある。
アスピリン(アセチルサリチル酸)だけでなく、アスピリン類似の化学構造をもつ添加物
(交差反応性を示す)およびNSAIDs非ステロイド性解熱鎮痛剤(COX-1阻害薬)の内服、注射、
坐薬、貼付薬、湿布薬によって引き起こされる喘息です(COX:サイクロオキシゲナーゼ)。
=COX-1阻害薬過敏症とも言える(PG合成COX阻害力と発作強度が相関)。
服用後2時間以内(30分以内が多い)に前駆症状{鼻炎症状(鼻閉、鼻水)、
結膜炎症状
(眼球結膜充血)、咳、顔面紅潮感、稀に皮疹、嘔吐、下痢}に続いて、 喘息発作を起こします。
軽症の場合は、軽い咳や鼻汁、眼の痒みだけの事もあり,
成人喘息患者の約10%に存在しま
す。(小児には希)。
<発症機序>
・アスピリン(COX-1>COX-2阻害薬)過敏症ではあるが,アレルギー学的機序にはよらない。
従って,通常のアレルギー検査(IgE抗体,皮内テスト)では診断できない。
ロイコトリエンLT(from 肥満マスト細胞,好酸球,好塩基球)が病態の中心的なメディエーターである。
体内のロイコトリエン産生の指標としては代謝産物の尿中LTE4が用いられる。LTの主な産生源は好酸球性
鼻茸である。
COX-2の選択的阻害薬は,安全に使用できる。アスピリンはCOX-1とCOX-2の両方の
阻害薬である。当然ながらトロンボキサンA2(TxA2=血小板凝集,気管支収縮作用)合成酵素阻害薬
の投与では気道収縮はおこさない。
NSAIDs過敏症(or不耐症)気道型と皮膚型が合併する(=混合型)頻度は少ない(稀)が,
アスピリンは両方を引き起こす代表的な薬である。
・COX-1:血小板凝集作用(TXA2=血小板由来=低用量高用量アスピリンで阻害される),胃粘膜保護
作用,血小板凝集抑制作用(TXI2=血管内皮細胞由来=高用量アスピリンで阻害される)を持つ。
∴COX-1阻害すると胃腸障害や血小板凝集抑制作用が出る(ただし低用量のアスピリンは血小板
のCOX-1を阻害することでTxA2の生合成を阻害し,血小板凝集抑制作用を示す⇔高用量の場合は
血管内皮細胞のCOX-1をも阻害するためTXI2の生合成をも阻害され,其の分血小板凝集抑制に
対する効果は減弱する。∴血小板凝集抑制作用を目的とする場合には低用量アスピリンを用いる)。
・COX-2:炎症に関与するPG(PGE2)を産生∴COX-2阻害すると炎症を抑える
【NSAIDs過敏症(or不耐症)皮膚型=NSAIDs過敏蕁麻疹・血管浮腫】
・慢性蕁麻疹の20〜30%。
・NSAIDs内服により蕁麻疹が誘発or出現したり,増強or悪化したりする。
・NSAIDsは,食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FEIA; food dependent exercise
-induced anaphylaxis)や即時型食物アレルギーの発症を誘発・増強する。
すなわち,アスピリンやカレー(ライス)摂取後にFEIAや即時型食物アレルギーが陽性に出る。
・ロイコトリエン受容体拮抗薬で抑えられない症例がある。ヒスタミンH1受容体拮抗薬の有効例が多い。
・・・>発症機序としては,「COX-1阻害→PGE2産生抑制によるヒスタミン遊離促進」説>ロイコト
リエン過剰産生説=皮膚型と気道型とで発症機序に違いあり!?
即時型アレルギー急性期反応

『アレルギー慢性化(慢性アレルギー)⇒アトピー型喘息』の原因に興味あられる方は
即時型アレルギー慢性反応へ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜アナフィラキシー〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
⇒即時型アレルギーのうち,最も急激に多臓器に広がり,全身症状を呈している場合を『アナフィラキシー』と
いう。さらに意識障害,血圧低下があれば『アナフィラキシーショック』という。狭義のアナフィラキシーは下記@のIgE依存性のもの(IgEを介して肥満細胞を活性化する)を,広義にはAのIgE非依存性のもの,も含める:
IgE(=抗原特異的IgE抗体)を介するT型アレルギー反応によるもの(=IgE依存性)・・・食物,ラテックス,
蜂毒,ペニシリンアレルギーなど
・・・魚アレルギー(=IgE依存性)と鑑別が必要なもの・・・
(イ)ヒスタミンによるアレルギー様反応:鮮度の落ちた魚肉中に含まれるヒスタミンによるアレルギー様反
応。特に赤身の魚=サバ,サンマ,カツオ,イワシ,カジキ,マグロ。摂取直後から3時間後に吐き気
,顔面紅潮,発汗,頭痛,蕁麻疹などを引き起こす。ヒスタミンは加熱処理しても不活化されない。
また,
ほうれん草やトマトにはヒスタミンが多く含まれるので,ほうれん草やトマトなどを食べたときに
口の周りが赤くなったりする。
(ロ)アニサキスアレルギー:アニサキス自体が死滅していても起こしうる。加熱処理後も起こしうる。
IgEを介さない"アナフィラキシー様反応"anaphylactoid reaction(=IgE非依存性):
(イ)直接肥満細胞(マスト細胞)の脱顆粒を惹起する反応・・・X線造影剤,MRI造影剤
(ロ)アラキドン酸代謝異常が関与する反応(COX-1阻害による)・・・アスピリン喘息
(ハ)免疫複合体形成・補体の活性化による反応・・・γグロブリン製剤,血液製剤,輸血
IgG型アナフィラキシー:古典的経路(IgEを介する経路=マスト細胞⇒IgE⇒ヒスタミン)の他に
IgGを介する経路(好塩基球⇒IgG⇒PAF)が存在する。実際のアナフィラキシーでは,両経路が
混在している,と考えられている。
下図。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜end of アナフィラキシー〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・・・運動・NSAIDs・・・
⇒『運動負荷やNSAIDs内服』は食物アナフィラキシーの『誘発・増強因子』になる。たとえば,
食物依存性アスピリン誘発アナフィラキシー(FAIA; food dependent aspirin-induced anaphylaxis)
では,運動では誘発されずにアスピリン内服で食物アナフィラキシーが誘発される例もある。また,多量の小麦摂取で小麦アナフィラキシーが誘発されるが,何のアレルギー反応も誘発されない少量の小麦摂取においても,運動負荷やNSAIDs内服により小麦アナフィラキシーが誘発される例もある。
・・・運動・NSAIDs・・・
<食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FEIA; food dependent exercise-induced anaphylaxis)>即時型食物アレルギー(摂取直後〜1時間以内に出る)の特殊なタイプ。すなわち
食べただけでは症状が出ず,食べて運動(食物摂取直後〜1時間以内)しないと症状が出ない。
運動しないと症状が出ないため,食物アレルギーとしての認識が遅れたり,喘息が合併している場合
は運動誘発喘息EIAと混同されたりする。原因食物としては,成人では小麦,小児ではエビ,カニなどの
甲殻類が多い。アナフィラキシー症状としては,流涙,鼻閉,蕁麻疹,呼吸困難,血圧低下,意識消失。多くは皮膚症状(皮膚の痒み,蕁麻疹,眼瞼浮腫,顔面紅潮)を伴う。
治療は,@原因食物の除去,A食後4時間以内の運動を避ける,BCOX1選択阻害薬NSAIDsや
関連食品添加物の除去・回避,Cエピペン(携帯のエピネフリン製剤)
花粉症で食物依存性運動誘発アナフィラキシーFEIAを起こす。
◇小麦小麦wheat⇔カモガヤ
カモガヤ orchard grassは交叉反応を起こす(下図)。
grain穀物(穀物用植物.例えば,トウモロコシcorn,コムギwheat,大麦barley,ライムギrye,小麦・米・トウモロコシは世界三大穀物 ),ハルガヤ(sweet) vernal grass,オオアワガエリ
チモシー timothy
<イネ科 >
イネ(米)、コムギ(小麦)、トウモロコシ、オオムギ、ライムギなど、狭義の穀物はイネ科に属する。その他サトウキビやタケなど馴染深い資源植物が多く含まれる。ススキやパンパスグラスもイネ科に属する。
イネ・
コムギ・
オオムギ・
カラスムギ・
ライムギ・
キビ・
アワ・
ヒエ・
トウモロコシ・
シコクビエ・
モロコシタケ(新芽)・
マコモ(新芽)・
サトウキビ(髄)・
ハトムギ(果実)
タケ・
ヨシ・
ススキ・
タケ・
ササ・
ダンチク・
シロガネヨシ・
シバ
・そのほか飼料・牧草
◇ジャガイモpotato(ナス科)、リンゴ(バラ科)で症状が出る場合は、イネ科の花粉症pollinosisを起こしやすい。
さて,交叉反応とは?下の図の意味は?(花粉症と
食物依存性運動誘発アナフィラキシー )
例えば,Aさんがカモガヤのイネ科花粉症があったとします。Aさんは,お昼にパンを食べ,その後徒歩にて帰宅途中に突然アナフィラキシーショックで倒れてしまいました。これは,食物依存性運動誘発アナフィラキシーです。
Aさんにはカモガヤの花粉症があるので血中にはカモガヤの抗体があります。このカモガヤの抗体と交叉反応する抗原=交叉抗原(=共通抗原)=小麦(パン)(下図)を食べ,かつ運動した(=徒歩にて帰宅)ので食物依存性運動誘発アナフィラキシーを起こしたと考えられます。

<即時型食物アレルギー>
食物摂取直後から1時間以内(2時間以内)に起きてくる症状を即時型反応ととらえられている。即時型反応は,
蕁麻疹,口唇浮腫,oral allergy syndrome(OAS),喘鳴,アナフィラキシーショックが代表的な症状である。血液
検査で抗原特異IgE抗体が証明されやすい。
食物を摂取後2時間以降から起こってくる症状は,アレルギー性好酸球性胃腸症による嘔吐,腹痛,下痢などの消化管症状,アトピー性皮膚炎がある.。
〈
平成9年度厚生労働省食物アレルギー対策検討委員会報告での年齢別の三大アレルゲン〉3歳児から中学2
年生まではいずれも鶏卵・乳製品・魚介類の順番で,成人ではエビ・カニ・魚貝・鶏卵の順。
(イ)クラスT食物アレルギー:腸管から食物抗原が吸収されておこる。感作抗原と誘発抗原は同じ。
(ロ)クラスU食物アレルギー:花粉の吸入感作やラテックスとの接触感作(感作抗原)後に,交叉抗原
性のある食物の摂取により,誘発される。よって感作抗原と誘発抗原とが異なる。花粉症の増加に伴い
増加して いる。たとえば,
・口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome, OAS)=野菜や果物などを摂取後15分以内に
口腔・咽頭粘膜,口唇の掻痒感,ピリピリ感,浮腫,イガイガ,しびれる,喉頭浮腫,水様性鼻漏,
結膜充血や下痢・腹痛などの消化器症状を認める。OASに引き続いて蕁麻疹や喘息,アナフィラキシ
ーショックを呈することもある。
花粉症で口腔アレルギー症候群OASを起こす。
・OASの原因となりやすい花粉症:本方で最も一般的なスギ花粉症ではなく,カバノキ科植物(シラカバ),
ハンノキ属(オオバヤシャブシ),ヨモギによる花粉症である。
・交叉抗原性のある食物: @花粉症の人は下記表1を参照(足立厚子 アナフィラキシーショックを起こ
す新しいアレルゲン アルルギーの臨床27(13), 2007 表1より引用)
Aラテックスアレルギーの人はアボガド,クリ,バナナ,キウイと交差反応
する。キウイはシラカバともラテックスとも交差反応する。
⇒ラテックスアレルギー:天然ゴムの材料であるラテックスが,ゴム製品の製造過程で十分に洗い流されていない為に手袋などに残留し,皮膚などを通してヒトに感作することでラテックス特異IgE抗体が産生され即時型アレルギー反応を起こすもの。ゴム製品=日常の炊事用手袋,衣類,靴,テープ,タイヤ,玩具,家具,ゴム風船,コンドーム/医療用手袋,カテーテル,テープ,麻酔用マスク・バッグ,歯科用ラバーダム

【ピリンアレルギーとの相異点】 *( )内は商品名の一例
ピリンアレルギーの場合は、ピラゾロン系(スルピリン、メチロン、セデスG、サリドン、
アンチピリン)のみに反応し、アスピリンやインドメサシンなどの解熱鎮痛薬には
反応しません。
【アスピリン喘息の臨床像】
・アスピリン3徴=@アスピリン過敏A鼻茸・慢性(好酸球性)副鼻腔炎B気管支喘息,に
特徴付けされる1臨床群である。気道外病変を合併しやすく,AIAが全身性疾患である可能性が
提唱されている。アトピー型,非アトピー型喘息と同様に,AIAを気管支喘息の一病型or疾患概念
(a clinical distinct entity)として認識されるべきとの意見がある。
・NSAIDs過敏性と気道過敏性とは相関しない。
・NSAIDs過敏性は,喘息もしくは慢性副鼻腔炎発症以前にはなく,気道症状出現時に獲得される。
典型的な症状では、まず鼻炎が先行して発症し(30歳頃)、通年性の慢性鼻炎
・副鼻腔炎および鼻茸(好酸球性鼻茸副鼻腔炎)をきたし、鼻炎発症から約5年後に
気管支喘息が加わる(35歳頃)。鼻炎→好酸球性鼻茸副鼻腔炎→喘息→MSAIDs過敏(AIA)
特徴としては以下のとおりです。
鼻・副鼻腔症状{ 鼻茸(72%)・アレルギー様の慢性鼻炎(87%)および慢性副鼻腔炎
(97%)=ほぼ全例 }の合併が多い。
→副鼻腔炎の存在が否定されればアスピリン喘息の可能性は、かなり低い。
初期から高度な嗅覚障害(75%)が見られ、ステロイド剤の経口・点鼻によく反応する。
血中好酸球の増多(90%以上)。
喘息は通年型・ステロイド依存型・重症型が多い。
女性に多い(男女比2:3)
ロイコトリエン(LT)受容体拮抗薬(オノンetc)によって抑制される。=LTC4が気道収縮に関与。
DSCG(インタール)吸入により,急性気管支拡張を認める。
・好酸球性鼻茸副鼻腔炎・・・AIAのほぼ全例に(+)。血中好酸球数6%以上になるとESSしても
予後不良。ESS; endoscopic sinus surgery内視鏡下鼻内副鼻腔手術。手術前後にマクロライド療法。
画像診断=篩骨・蝶形骨・前頭洞に粘膜病変強く,上顎洞病変は軽度。篩骨の篩板の上には嗅球が
のっており、篩板の小さな孔を嗅神経が通るので,嗅覚障害は必発となる。
<気道外病変>
・しばしば気道外病変を合併する。AIA発症時から認められる症例もあるが,多くは治療により
喘息症状が改善した後に,末梢血好酸球増加を伴って発症してくる。ステロイド薬の全身投与が必要。
・AIAの気道外病変:好酸球性中耳炎(30%)、好酸球性胃腸炎(10〜20%)、好酸球性肺炎(10%)
,異型狭心症(アスピリンの投与で冠攣縮が誘発される。冠攣縮に好酸球が関与との報告)。
・AIA患者が消化器症状(心窩部痛,胃部腹満感,嘔吐,下痢)を訴えた場合,好酸球性胃腸炎を疑って,
ステロイド薬の全身投与を躊躇してはならない=(プレドニン30mg/日5日間,症状ひどければベタメタゾン
4〜8mg/日点滴3〜5日間)。鎮痙剤,H2blocker,プロトンポンプインヒビターなどの胃薬は無効である。
正常〜軽度の胃十二指腸炎の所見を呈する例が多く,胃・十二指腸粘膜の生検により,好酸球浸潤を認める。
<eosinophil wandering>
治療した結果,好酸球がその場所から追い出され,次の場所へと,自らの集積する臓器を移動させること。
経口ステロイドでは全身の好酸球が抑えられるのでwanderingは起きない。経口から吸入ステロイドに変更すると,好酸球は気管支から追い出され,上気道へ移動し好酸球性副鼻腔炎を惹起する。鼻茸を手術して集積組織が除去されると,今度は中耳へ移動して好酸球性中耳炎を起こす。粘膜温存式の内視鏡下副鼻腔手術の場合,鼻茸は再発を繰り返すが,最大の集積組織であった下鼻甲介粘膜を除去すると,消化器へ移動して好酸球性胃炎と膵炎を起こすが如く。気管支喘息→好酸球性副鼻腔炎→好酸球性中耳炎→好酸球性胃腸炎。
【アスピリン喘息である確率】
1.解熱鎮痛剤による誘発歴(80〜90%)
2.ミント,香辛料,歯磨き粉で悪化(90%以上)
3.強い嗅覚低下(60%)
4.好酸球性鼻茸副鼻腔炎(50%)
5.成人発症,非アトピー型喘息で中等症以上(20%以上)
【以下の2項目以上を満たせば,アスピリン喘息である可能性は低い】
1.喘息発症以後,特に最近1〜2年以内の比較的効果の強い解熱鎮痛剤の使用でも発作無し
2.嗅覚正常=嗅覚障害がない
3.小児発症喘息
4.アトピー皮膚炎の合併
5.IgE(RIST)1,000以上,多種の抗原感作などの強いアトピー体質
【鼻茸手術後の喘息症状】
不変:半数
軽快:1/4
悪化:1/4
60%が再発
【安全に服用できる解熱鎮痛薬はありますか?】
100%安全な非ステロイド性解熱鎮痛薬はありません。しかし、どうしても解熱鎮痛を
必要とする場合、比較的安全に服用できる薬剤としては、アセトアミノフェンや塩基性の
解熱鎮痛薬(下述)などあります。
【アスピリン喘息の誘発物質には次のような物が考えられます】
a)作用が特に強いもの(酸性解熱鎮痛剤)
・サリチル酸系:アスピリン、バファリンA、ミニマックス、EAC、ドロビッド
モビラート軟膏、後藤散
・インドール酢酸系:インテバン、インフリー、クリノリル、ランツジール
・フェニール酢酸系:ボルタレン、ナボール、レリフェン
・プロピオン酸系:ロキソ二ン、ブルフェン、ソレトン、ナイキサン、フロベン
ニフラン、スルガム、アルボ、ミナルフェン、ペオン
イブプロフェン(エスタック)、ラポール、イブA、ナロンエース
・オキシカム系:フルカム、バキソ、フェルデン
b)作用が強いもの
・フェナム酸系:ポンタール、アンサチン、オパイリン、イダロン、クロタム
A発作誘発作用が弱いかほとんどないもの(主として塩基性の解熱鎮痛剤)
○アニリン系:アセトアミノフェン:高用量(1g)以上では注意(34%の出現率)。
650mg以下では6%以下の出現率。
カロナール、ナパ、ピリナジン、セデスG(上述)、アンヒバ坐薬、
コルゲンコーワ錠、ジキニンC・D、新ルルA錠、スカイナー感冒
○塩基性:セラピエース、ペントイル、メブロン、アナロック、ソランタール、
ノンフラミン
○アセトアミノフェン+エテンザイド:
新セデス錠、ノーシン、ハッキリエース、バファリンエル、パブロン解熱錠、
コンタック総合感冒薬、ナロン錠
○アセトアミノフェン+サリチルアミド:
PL、PA、エスタック糖衣錠、新エスタック
→(注)エテンザイド、サリチルアミドに反応する人がいるので注意!
Bその他の鎮痛薬、鎮痙薬
○モルヒネ、ソセゴン、鎮痙薬は心配ない。
CCOX-2の選択的阻害薬
○ナブメトン(商品名レリフェン)
@喘息を増悪させたり誘発させることがあるもの(AIAにコハク酸エステル型は禁忌!
特に急速静注はきわめて危険!(濃度依存性に発作を誘発するので、急速静注の方
が点滴静注よりも危険度が高くなる。))
ソルコーテフ、サクシゾン、水溶性プレドニン、ソルメドロール
○リン酸ベタメタゾン(リンデロン)
リン酸プレドニゾロン(ドージロン)→製造中止
○リン酸ヒロドコルチゾン(クレイトン)→これも製造中止になった
○酢酸デキサメタゾン(デカドロンA水性懸濁注)
→(注)我が国で入手可能なリン酸エステル型ステロイドは、すべてパラベン(下述)、
亜硫酸塩(下述)が含まれているので急速静注はやはり危険!
◎AIAに対するステロイドの使用法は、(現状では)リン酸エステル型を点滴で投与
するのが最も安全である(P149成人気管支喘息の診断と治療1995)。
○吸入や内服のステロイド薬は非エステル型故、安全だが、添加物に反応する
事があるので注意!
・<タートラジン>
食品衛生法では、食用黄色4号と呼ばれている。
食品、医薬品の着色料でアスピリンと交叉反応性が認められる。タートラジン使用
薬品は1979年から1989年の10年間で19.8%から3.7%へと激減しています。
・<安息香酸ナトリウム>
練り歯磨き、食品、医薬品、化粧品の防腐剤:シロップ剤の26%、ドライシロップ剤
23%、水剤20%に使用されています。
・<パラベン類>パラオキシ安息香酸エステル類
食品、医療品、化粧品の防腐剤で接触性皮膚炎を起こす事で古くから知られている。
シロップ剤の77%、水剤の54%、外用剤の23%に使用されている。
パーマをかける時に使用する薬液にも含まれているので、パーマをかけると喘息発作が出る
方は薬液などに含まれるパラベンに反応して喘息発作を起こしている可能性がある。
注射剤についても
抗生物質、副腎皮質ステロイド剤、ビタミン剤などにかなり広汎に添加されている。
(注)ビソルボン吸入液にもパラベンが含まれているので注意!
(注)局所麻酔薬(局麻)は,静注用キシロカイン(=パラベンが含まれていない)を使用する方が安全。
∵@キシロカインによるアナフィラキシー(=免疫学的機序によらない)はバイアル剤に微量含まれる
メチルパラベンによると考えられている。A局麻薬によるアレルギー反応(=免疫学的機序による)は
,主としてエステル型の局麻薬(プロカイン,コカイン)に生じ,アミド型(キシロカイン,マーカイン)では
まれとされているので,アミド型の方がより安全。
・<ベンジルアルコール>:食品の香料、注射薬の無痛化剤
・その他のタール系アゾ色素:食用黄色5号、食用赤色2号、食用赤色102号
・<サリチル酸>AIAではサリチル酸に潜在的に過敏。
アスピリン(アセチルサリチル酸)は体内では肝で代謝されてにサリチル酸になる。
果実(トマト、キュウリ、ジャガイモ,イチゴ、柑橘類、ブドウ、ラズベリー、オレンジ)や
香辛料の多い食事(カレーライス)はサリチル酸含量がい。
・<サルファイト(亜硫酸塩の総称)>:ワイン喘息(ワインを飲むと喘息発作が出る方)の原因物質
→有機栽培ワイン or ビオワインで、醸造過程でサルファイトを使用してないものがあればいいです
が・・?→アルコール誘発喘息
酸化防止剤として、医薬品(カテコールアミン、アミノ酸製剤、静注用ステロイド、
気管支拡張剤の吸入薬)や果実酒(とくに赤ワイン)・乾燥果実・生野菜の酸化防止
剤、漂白剤、鮮度保持剤として、世界中で広く用いられている。
<その他>
環境内のさまざま化学物質(香水、化粧品、シャンプー、強い香料の入った石鹸、
防虫剤、防カビ剤)でも喘息発作の可能性があります。
【アスピリン喘息を予防するには?】
過去に解熱鎮痛薬で喘息発作を起こした方は医師、看護師、薬剤師にその旨お伝え
ください。初めて服用する解熱鎮痛薬は、服用後2時間程度喘息発作が起こらないか
気をつける事が必要です。