07/4/27死刑執行抗議・大阪報告


執行のニュースは突然に飛び込んできた。
大阪、東京、福岡で三名が執行されたことを昼前のテレビで流れた。直後にRさんから電話がある。
二人で話して、その日の夜に拘置所に抗議にいくこと、他の人たちにも呼びかけることにする。おおさかフォーラムのメーリングリストで執行のこと、行動のことを知らせる。
大阪で執行されたのは名田幸作さんだった。再審、恩赦を行っていることを聞いていた。フォーラム90の抗議声明で「名田さんは死刑確定後恩赦を5回、再審請求を4回申し立てており、最後の恩赦請求が本年4月17日に不相当となり、弁護人に再審請求の準備をする旨の手紙を出した直後だった」とあった。本人の法的な措置をとろうとするその権利を国は奪ってしまった。

この夜7時に大阪拘置所正門前にいく。既に来ていた人たちとで5人で、拘置所の敷地内に入る。既に正門の向こう側には制服の職員数人がぼく達を見ている。ろうそくに火を灯し、香を焚く。Rさんが持ってきた花束を門扉に挿す。アムネスティの人たちが持ってきた横断幕をひろげる。一言ずつ、門の中に向かって語っていった。職員に向かって。刑務官に向かって。名田さんに向かって。
語っている途中から、ぼくたちに出て行けと言う。

「ぼく達を見張っている職員の皆さん!あなた達は、今日の執行に携わっていないかもしれない。人を殺すことを直接にはやっていないかもしれない。でも、今日執行があることを知っていて、何もしなかったなら、あなたも、執行に携わった人たちと、人を殺したということにおいて、同罪や。せめて線香を灯し、殺された名田さんのことを想う時を持ちたいということでここにいるぼく達に対して、邪魔になるから敷地から出て行けといいつづけたあなた達、あなた達もみんな同罪やぞお」

門の前を離れようとしたら、花も持っていけという。それは名田さんに捧げたものやからそのままで置いててほしいというが、持っていけと言う。アムネスティのTさんが受け取る。そこから離れたぼくたちが死刑囚房横から中に呼びかけているうちに、Tさんは、執行室があるだろうといわれている建物のすぐ近くの木々の間に花束を置いてくれていた。

帰ろうとした時に、遅れて駆けつけた牧師のHさんが到着。聖書を読み、賛美歌を歌ってくれた。
たかが一時間ばかりのことなのに、なくなった人のことをゆっくり想う時を持つことぐらい、なぜあかんのかと思う。

これまでアムネスティの人たちが用意してきてくれ、大阪の死刑廃止のグループが賛同して、記者会見の場で読み上げてきた「抗議声明」。こちらが会見を申し込んでも今回も会見そのものが開かれなくなった。マスコミが死刑執行をニュースとしての扱いが小さくなってきている。死刑に抗議する声がかき消されて行く。何とかしなければ。

この日の執行で、大阪では、5年死刑執行が続いたことになる。東京からの情報で、長勢法相は「国会会期終了後あと3人執行する。昨年12月、今回とあわせて10人の死刑を執行する」とマスコミに漏らしているという。自分がハンコを押すことで執行に向けて動き出したというのに、人を殺すことを命令しているというのに何の罪悪感を感じていない。なんという奴や。

マスコミでは、ギャンブルのために母子を殺害した極悪非道の人のように書かれている名田さんだが、
お母さんがガンで、その入院代、病院に支払う必要もあってのことだったと聞く。そんなことマスコミは何も伝えない。宝塚の向井武子さんと執行された名田さんのことで話したことから、名田さんと面会したり、手紙のやりとりをしていたひとたちから名田さんのことが語られたり今回の執行への思いを語る集まり「名田幸作さんを偲ぶ会」をしようということになった。


 ★ 「名田幸作さんを偲ぶ会」 6月2日(土)PM2〜4
  宝塚・大林寺(宝塚市切畑長尾山13)阪急・清荒神駅から歩き15分/ 「刑死者の碑」があるお寺/会食しながら集まりを持ちたいと思います。
  各自飲食物少しずつのもちよりとします。
    提案者・坂口 誠也(かたつむりの会 рO6−6681−1067) 
         樋口 洋一(アムネスティ会員)


前のページへ
戻る
トップページへ
トップ
次のページへ
次へ