クーリングオフ制度


 ■ クーリングオフ制度の概要
クーリングオフ制度とは、一定の販売方法による契約の場合に、 期間内であれば、消費者側から一方的な契約の撤回や解除を無条件にできる制度です。
訪問販売や電話勧誘販売などは、購入意思がはっきりしないまま契約をしてしまうことがしばしばあります。 非常に不意打ち性の高い販売方法で、十分考える余裕もなく 業者のペースに巻き込まれて契約してしまうというケースが多発しています。
こうした場合に一度冷静になって考え(cooling-off)、不要であると思えば、 無条件で返品・解約ができるという制度がクーリングオフなのです。 つまり、訪問販売等で契約(申込み)をした場合、 『一定の期間内であれば、消費者が事業者との間で申込みまたは締結した契約を、 無理由・無条件で撤回・解除することができる』という消費者保護のための制度なのです。


 ■ クーリングオフ制度の効果
クーリングオフをすると、以下の効果が発生します。
@ その契約ははじめからなかったことになります。
A 損害賠償金や違約金を販売業者に支払う必要はありません。
B すでに頭金や申込金を支払っている場合は、 その金額を返してもらえます。
C 商品等を受け取っている場合は、 送料は販売会社の負担で引き取ってもらえます。

クーリングオフ通知は、内容証明郵便で日付を残すことが大切です。 クーリングオフは、その販売態様により、一定のクーリングオフ期間内に書面によって行う必要があり、 クーリングオフをした日付の証明が重要となってくるからです。
悪徳商法業者は、あの手この手でクーリングオフ逃れをしようとしてきます。 内容証明郵便を使わない限り、クーリングオフ期間内に書面が発信されたという確実な証拠を残すことができません。 業者側に「クーリングオフ通知書面なんて受け取っていない」等と言い逃れをされない為にも、 内容証明郵便による正しいクーリングオフ通知をすることが大切です。

クーリングオフは通知を発信した時に効果を生じます。消印がクーリングオフ期間内であれば有効なのです。 したがって、内容証明が業者に届くのがクーリングオフ期間後になってしまっても構いません。


内容証明郵便についての 詳しい説明はこちらから。



 ■ クーリングオフできる期間
クーリングオフできる期間は 取引内容ごとに法律で定められています。
この期間内であれば、相手の同意なしに無条件で解約できます。
取引の種類 クーリングオフできる期間 適用対象 根拠法令
訪問販売
電話勧誘販売
クーリングオフできることを 書面で知らされた日から 8日間 店舗外での指定商品・権利・役務の取引 (3000円未満の現金取引を除く) 特定商取引に関する法律
連鎖販売取引
(マルチ商法)
法定の契約書面の交付された日から 20日間 すべての商品・権利・役務 特定商取引に関する法律
特定継続的役務提供取引
(エステ・英会話教室など)
法定の契約書面の交付された日から 8日間 エステサロン・語学教室・学習塾・家庭教師等 継続したサービスを提供する取引 特定商取引に関する法律
業務提供誘引販売取引
(内職商法・モニター商法など)
法定の契約書面の交付された日から 20日間 仕事の提供を約束し、 仕事に必要な物品等の対価や登録料等の負担をさせる取引 特定商取引に関する法律
割賦販売
(クレジット・ローン契約)
法定の契約書面によるクーリングオフ制度の告知の日から 8日間 指定商品・権利・役務の店舗外での クレジット・ローン契約 割賦販売法
預託取引
(現物まがい取引)
法定の契約書面の交付された日から 14日間 特定商品・施設利用権の預託取引 特定商品等の預託等取引契約に関する法律
海外先物取引 海外先物契約締結日の翌日から 14日間 事務所以外での取引で、指定市場・商品の売買注文 海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律
宅地建物取引 クーリングオフ制度の告知の日から 8日間 宅地建物取引業者が売主である宅地建物の売買で、 店舗外での取引 宅地建物取引業法
ゴルフ会員権契約 法定の契約書面の受領日から 8日間 50万円以上のゴルフ会員権で、 オープン前の新規募集であるとき ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律
投資顧問契約 法定の契約書面の交付された日から 10日間 投資顧問業者(登録業者)との契約 有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律
保険契約 法定の契約書面の交付日と申込み日の、 いずれか遅い日から8日間 保険期間1年を超える生命保険・ 損害保険で店舗外で契約したもの 保険業法
注:上記は書面交付日(告知日)を1日目に含めた日数です。 (海外先物取引のみ翌日から起算)

ここで一つ注意したいのが、 「契約日」から起算するのではなく、 「クーリングオフができることの記載された書面を受け取った日」から起算するということです。 もしも契約してから1ヶ月以上も過ぎていても書面を渡されていなければ、 まだ期間は始まっていませんので、クーリングオフで解約することができます。
電話で勧誘されて申込みをした場合にも、書面を受け取った日から8日間です。 「電話での申込みで契約は成立している。8日過ぎているからから解約できない」と業者が言ってきても 慌てることはありません。

さらに最近の法改正により、事業者がうそを言ったり脅したりして、 クーリングオフを妨害した場合、消費者は、 その妨害が解消されるまでクーリングオフすることができるようになりました。



 ■ クーリングオフ以外の解約・救済制度
下記の場合には 原則的にはクーリングオフすることができません。
@ クーリングオフ期間が過ぎてしまった場合
A 商品がクーリングオフ対象ではない場合
B 健康食品、化粧品及び履物等の消耗品を使用したり、一部を消費した場合
    (ただし、それでもクーリングオフができる場合もあります)
C 購入者が、セールスマンを呼び寄せて購入した場合
D 購入者が自ら販売業者まで出向いて契約をした場合
E 通信販売で購入した場合
F 3,000円未満の商品を受け取り、同時に代金を全額支払った場合
G 個人ではなく「事業者」として契約した場合(法人契約など)
しかし、上記に当てはまった場合でも、 販売業者側の悪質な行為や法律書面の不備などによって、 クーリングオフその他の契約解除・解約が可能な場合も多々あります。
このような場合は契約時期、契約の状況等により、個別に検証する必要があり、 法的な専門判断が必要となりますので、専門家に相談することをお勧めします。


代表的な事例をいくつか掲載しますので、ご参考にして下さい。

中途解約制度
エステ・語学教室・学習塾・家庭教師などのように 長期間にわたるサービス(特定継続的役務提供契約)は、クーリングオフ期間経過後であっても、 特別な理由なく、一定の解約手数料を支払うことで中途解約できる場合があります。

契約の取消
不実告知
重要な事項について事実と異なる説明をされたため、 誤認して契約を締結した場合には、契約を取消せます。

断定的判断の提供
「絶対に儲かる」などといった断定的な説明により、 誤認して契約を締結した場合には、契約を取消せます。

不利益事実の不告知
自分にとって都合の良い、有利なことのみを説明され、 不利益となる事実の説明をされなかったことで、誤認して契約を締結した場合には、契約取消ができます。

不退去
業者に「帰ってくれ」などと退去するように求めたにもかかわらず、 退去しないために、困惑して契約を締結した場合には、契約取消ができます。

退去妨害(監禁)
業者に「帰りたい」などと退去したいことを申し入れたもかかわらず、 監禁などの退去妨害をされたために、困惑して契約を締結した場合には、契約取消ができます。

詐欺・強迫
業者にだまされ誤解して、 または脅されて恐くて契約をした場合には、契約取消ができます。

未成年者取消権
親(親権者など法定代理人)の同意を得ずに未成年者が締結した契約は、 取消できる場合があります。
ただし、未成年(20歳未満)でも結婚している場合には法律上は成年者として扱われますので、 この場合には契約取消はできません。


契約の無効
消費者契約法による一部無効
事業者に著しく有利な特約や、消費者に著しく不利な条項は無効となる場合があります。

公序良俗違反
公序良俗とは、「社会的妥当性」という意味で、 契約内容や契約方法が社会通念に照らして不当な場合には、公序良俗違反として契約無効になる場合があります。

錯誤
錯誤とは、「勘違い」という意味で、 契約内容の重要な部分に錯誤があった場合には、契約無効になります。
ただし、ちょっと注意していれば勘違いを防げたような場合(これを重大な過失といいます)には 契約無効を主張できません。


契約の解除
合意による解約・解除
業者との間で合意が成立した場合には契約解除ができます。

債務不履行解除
債務不履行とは、相手が契約の内容どおりに約束を実行してくれないことをいいます。
具体例としては商品を引き渡してこないとか、商品に欠陥があったり、業者が倒産した場合などです。
このような場合には、相手方に対して履行の請求や支払拒否、契約解除、 損害賠償請求などをすることができます。



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