Page 7(Vol.121〜Vol.140)
Vol.121 『一絃の琴』・・・宮尾登美子 著 (講談社)
読み始めてすぐに「しまった」と思った。
出だしからとても退屈なもので、最後まで読み切ることができるだろうかという気さえしてきた。
しかも難しい漢字が多く読めない字もたくさん出てきて困ってしまった。(これは単に私の無知というだけのことなのだが)
土佐の上士の娘が旅絵師の弾く一絃琴に魅せられ、一生を一絃琴に捧げ尽くす。
その生き様を通して、明治女の妥協を許さない芯の強さとたくましさを垣間見ることができる。
前半の主人公は土佐一絃琴の盛名を響かせた市橋苗。後半の主人公はその弟子・蘭子。
この二人の確執を見事に描き出し、その内に秘めた互いの情念を赤裸々に表現している。
読み進むに連れてどんどん引き込まれていき、その一絃琴というものを一度聞いてみたいとさえ思うようになった。
第80回直木賞受賞作品。
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