どんな事が犯罪となるのか


図書券で賭けマージャンをしたら違法?合法?
2000年1月、新潟県で長期にわたり監禁されていた女性が保護された日、 新潟県警本部長や関東管区警察局長らが温泉でマージャンや飲食に興じていたということがあった。 新潟県警の説明によれば、そのマージャンは満貫を上がると図書券が1枚もらえるルールだったという。
刑法185条には、「偶然の勝負に関して財物を賭けてばくちをした者は、50万円以下の罰金または科料に処する。 ただし一時の娯楽に供する物を賭けた者はこの限りでない」と定められている。
それでは、この図書券は「一時の娯楽に供する物」にあたるのだろうか。 菓子類や果物などは「一時の娯楽に供する物」であるとされているが、図書券はそれに該当しない。 図書券はほかの商品券と同様に金券ショップで換金することも可能であり、金銭と変わりはない。 この新潟県警の一件は大事件の真っ最中に賭けマージャンに興じていたという倫理問題は別としても、 立件するほどではないが完全に違法行為なのである。

わいせつなホームページに
リンクを貼ったら罪になる?
  木に登った人を困らせようとして
はしごをはずしたら「監禁罪」
ホームページに猥褻な写真を載せた場合は、 「わいせつ物公然陳列罪」に問われる。 それでは、わいせつな写真を載せたホームページにリンクを貼った場合、どんな罪に問われるのだろうか。
リンクはHTML言語でリンク先のURLを書き込むだけで、リンク先のサイトにつながる。 そこにわいせつ画像があったからといって、リンクを貼っただけで、わいせつ物を頒布したり陳列したとは考えにくい。
しかし、直接罪を犯した正犯とはならなくても、幇助犯(正犯を応援する立場の者)になる可能性がなくもない。 ただ現実的には、リンクはホームページ上でリンクを貼っていないサイトをみつけるほうが難しいほど一般化している。 ということからリンクを貼っただけではリンクは幇助とならないと考えてもよいだろう。
  継続して人の自由を奪うと「監禁罪」が適用される。
たとえば好きな女性を道端で見かけ、両手を押さえつけて強引に車に連れ込むと「逮捕罪」、 車に乗せたまま走り続けると「監禁罪」になる。
一般には逮捕に引き続いて監禁が行われることが多いが、 人の自由の拘束がある程度継続しなければ、監禁とはいえない。 子供を逮捕しようとして飛びかかったものの、通りすがりの人に見つかってしまって退散したら罪には問われない。 逆に、親しい間柄でもドライブ中に「降ろして」といわれたにもかかわらず走り続けると、「監禁罪」になってしまう。
これまでの判例でも、水泳の達者な者でなければ泳いで逃げることが不可能な海上の沖合に 停泊している船に女性を閉じ込めたり、はしごをかけて木に登った人のはしごを取り去り、 下に降りられないようにした場合なども「監禁罪」とされている。

おもしろ半分に他人のパソコンに侵入したり、
掲示板にうっかり人のウワサ話を書き込んだら「ネット犯罪」
1999年8月に 「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」が成立し、2000年2月に施行された。 この法律では、企業やプロバイダーなどのサーバーに侵入したり、 IDやパスワードを盗むことを禁止している。このようなハッカー行為をすると、処罰の対象になると覚悟したほうがいい。
また別に最近問題となっているのが掲示板やチャットに、 勝手に他人の名前や電話番号、顔写真などを載せたりするというもの。 ほんのちょっとのいたずらのつもりで友達の情報を載せたとしても、それが立派な犯罪になってしまう場合もある。 誹謗中傷など、悪意を持って個人の情報を流したりするのはもってのほかだ。
チャットの相手についつい他人のウワサ話をしてしまうかもしれないが、 これは「広く世間に公開する行為」として取締まりの対象になる。 個人情報を勝手に公開して実際に何か被害が生じた場合は、警察が介入する可能性が高く、 掲示板やチャットの管理者は、掲示板やチャットに参加する際に行うユーザー登録の情報を 警察に提供することになるだろう。


「金を出さないと妻の親を殺す」といって
自分の親を脅しても「脅迫罪」にはならない
夫が自分の親に対して 「500万円出さなければ、妻の親を殺す」と脅したら、脅迫罪が成立するのだろうか。
たとえ親子といえども、金欲しさに脅せば、脅迫罪にあたるだろうという意見が多いだろうが、 実際は脅迫罪にはあたらない。 なぜなら夫の両親と妻の両親は親族ではないからだ。 脅迫の罪は、本人か親族の生命、身体、自由、名誉または財産に対して 害を加えるような言動をして人を脅迫した場合に処罰されるもので、 自分の親にとっては親族でない妻の親を殺すといっても脅迫罪にはあたらないということになる。

わいせつショーの舞台に上がっているときに
警察の手入れがあったら「公然わいせつ罪」
ストリップ劇場のヌードショーを見物していた客が舞台に上がり、 踊り子と生本番ショーを始めた。その時警察の手入れがあり、舞台に上がっていた踊り子達の身柄を拘束した。 そして、場内の証拠写真を何枚も撮り始めた。
客達は警察からショーの内容について聴取されただけで帰してもらったが、舞台に上がった男は警察に連れて行かれた。
過激なヌードショー(女性器を見せるなど)を見世物にしている劇場などは、 警察がときどき手入れをし、「公然わいせつ罪」の容疑で出演者や経営者を逮捕している。 観客としてショーを見ていただけなら罪にはならないが、 舞台に上がるなどしてショーに参加してしまうと罪に問われてしまうのだ。

死体から物を取ったら「窃盗罪」になる?
交際中の男女が口論となり、 女のアパートで男は女の首を絞めて殺してしまった。 男は怖くなってすぐに部屋を飛び出したが、本当に死んでしまったか確かめるため、 10時間ほどたった翌日、アパートに行ってみた。 そして女が死んでいるのを確認し、その時10万円を持ち逃げした。 さらに翌日女のアクセサリーやネックレスまでも盗み出した。後日、男は逮捕され、窃盗の罪で起訴された。
人を殺したあとに財物を盗む行為は窃盗なのか、 遺失物のような占有を離れた他人の物を横領する占有離脱物横領なのか。 この2つの罪の違いは、死者に所有権が認められるかどうかということになる。
判例や学説によると人を殺害したあとで、その被害者から財物を盗んだ場合は、 死者に所有権が認められるので窃盗罪となる。 人を殺害したあとで、別の第三者がその死者から財物を盗んだ場合は、死者には所有権がないので占有離脱物横領罪となる。
窃盗罪と占有離脱物横領罪では刑罰も大きく異なる。 前者は10年以下の懲役、後者は1年以下の懲役または10万円以下の罰金となっている。


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