人名・地名にちなんだ話

海底にある駅 アメリカにあるトキオ市
なぜアメリカは発見者の名前じゃないの? 巨匠ピカソは名前も個性的
女ばかりの後に男の子が生まれた 明治時代のおもしろい力士のしこ名
ペンネームの由来を当てろ! 「太平洋」と「大西洋」の違い
「コーチ」とはもとは町名であった サンドイッチ諸島はどこにある?

海底にある駅
海底にある駅といっても、関門トンネルや青函トンネルのように、その中に駅があるということではない。 大正12年9月1日午前11時58分、関東大震災とともに海に沈み、なお眠っている駅のことである。
その駅は神奈川県小田原市にあった当時の熱海線の根府川駅。 地震発生と同時に起こった山津波で、根府川駅は停車中の第109列車の乗員、 乗客合わせて111名を相模の海の中に押し沈めてしまったのだ。
いま、忘れ去られた根府川駅は、海岸線からおよそ70メートルの海底にプラットホームらしい コンクリート塊となって眠っている。 水深10メートル、荒い波もここまでは届くことなく、静かに眠っている。

アメリカにあるトキオ市
通りや街の名前に人名をもってくるのは、珍しいことではない。 しかしアメリカには、外国の都市名をそのまま借用した都市がいくつかある。
イギリスの首都「ロンドン」はオハイオ州、カンザス州、ケンタッキー州にあり、 「マンチェスター」はニューハンプシャー州にある。 花の都「パリ」はテキサス州、スペインの首都「マドリード」はニューヨーク州に、 エジプトの首都「カイロ」はイリノイ州にある。さらに中国の首都「北京」は「PEKIN」の名でイリノイ州にあり、 驚くことには、「東京」も「TOKIO」という町の名としてテキサス州にあるのだ。
こうした発想はアメリカ的というのか、日本人には考え及ばない。

なぜアメリカは発見者の名前じゃないの?
新しい発明や発見があった場合、たいていはその発明者なり、 発見者の功績をたたえてその人の名前をつけるのが普通である。
では、どうしてアメリカ大陸は発見者であるコロンブスの名前をつけなかったのであろうか? 実はコロンブスは死ぬまで、アメリカ大陸をインドだと思っていて、新大陸を発見したとは思っていなかったのだ。 そして、コロンブスより後に新大陸に渡った探検家アメリゴ・ベスプッチが、 新大陸であることをつきとめたため「アメリゴ」の名前から「アメリカ」と命名されたのである。

巨匠ピカソは名前も個性的
日本人の名前を漢字で書けば、たいていは4字か5字、長くても7文字で納まる。
ところで、長い名前といえばまず思い出すのが「じゅげむ、じゅげむごこうのすりきれ…」という 落語の中の「じゅげむ」君だろう。まさに長い名前の代表格だが、これはあくまで架空の人物。 ところが、実際にも正確に自分の名前を言えないほど長い名前の人物がいたのである。 20世紀が生んだ世界画壇の巨匠ピカソがその人である。
その名は「パプロ・ディエゴ・ホセ・フランチスコ・ド・ポール・ジャン・ネボムチエーノ・ クリスバン・クリスピアノ・ド・ランチシュ・トリニダット・ルイス・イ・ピカソ」。
縁起のよい祖先の名前を全部つけてもらったらしい


女ばかりの後に男の子が生まれた
世の親というものはなんとか我が家の後継者に男児の出産を願うものである。 子宝に恵まれはしたものの、どの子もどの子も女の子ばかり、 いいかげんに男の子はあきらめたというときに男の子が生まれたらどうだろう。 思わず、「しめた!」と大声も出ようというものだ。 親のそんな喜びをそのまま名前にしてもらったのが、同志社大学の創立者新島襄である。
新島襄は、女の子ばかりのあとに出生したので、おじいさんが思わず、「しめた!」と叫び、 それがそのまま幼名となったのである。 ちなみに「しめた」とは「七五三太」と書く。

明治時代のおもしろい力士のしこ名
しこ名とは相撲取りの名前のことだが、土地の名前や部屋ゆかりのものなど、 いずれも強そうなものばかりだ。しかし、明治時代には、なかなかおもしろいしこ名がいくつかあった。
  「黒猫白吉」…クロなのか、シロなのか
  「自転車早丸」…競輪選手みたい
  「武蔵坊弁慶」…いかにも強そう
  「文明開化」…時代を反映している
  「招き猫」…「おいでおいで」と相手を誘う?
他にも「浦島太郎」「凹凸太吉」「自動車早太郎」「電気燈」「仁丹」「沢の鶴」などがあった。
ふざけているようだが、本人は真剣だったんだろう。

ペンネームの由来を当てろ!
作家の使うペンネームにはなかなか面白いものがいくつかある。 父親から叱られたときの「くたばってしまえ」という言葉をそのままペンネームにした「二葉亭四迷」や 「エドガー・アラン・ポー」にちなんでペンネームを考えた「江戸川乱歩」などは有名だ。
他に、マージャン小説を書くときに使われている「阿佐田哲也」のペンネームは 「朝だ、徹夜」という意味だし、推理小説作家の「佐賀潜」は「探せん」にひっかけている。
それでは、「半村良」のペンネームの由来はご存知だろうか?
半村良はタレントのイーデス・ハンソンの大ファンで「ハンソン」を漢字にして「半村」、 イーデスを「良」と解釈して「半村良」を名乗ったのだ。

「太平洋」と「大西洋」の違い
海の中で最も大きいのが「太平洋」、ついで「大西洋」。 文字ではそれぞれ「太」と「大」を使っているが、どこに違いがあるのだろう。
「太平洋」という命名は、ここを最初に渡ったマゼランによるもの。 航海中、再三嵐に悩まされたマゼランだがここを通るときだけは嵐に遭遇することはなかったという。 そこで、「静かな海」と名づけた。 英語では、パシフィック・オーシャン。パシフィックは「静かな、平和な」という意味であり、 それならば、「太平」に通じるとして「太平洋」となった。
それでは、「大西洋」はどうか。 中国では元の時代、近隣のアジア諸国を「小東洋」遠くヨーロッパなどを「大西洋」と呼んでいた。 これをそのまま日本にもってきて、西にある大洋という意味で「大西洋」となったのである。


「コーチ」とはもとは町名であった
プロ野球はもちろん他のスポーツでも技術の向上にコーチの力は大きい。コーチは専門職でもある。 この「コーチ」という言葉はもともとはある地名、町の名前だったということをご存知だろうか。 その町の名は東ヨーロッパ、ハンガリーのコーチ(Koci)。
15世紀、この町ですばらしい馬車がつくられ、 この馬車にそのまま町の名である「コーチ」がつけられた。この馬車はすぐにヨーロッパ中に広がり、 「コーチ」をあゆつる御者のことをいつしか「コーチ」と呼ぶようになった。 この馬車をあやつる技術の難しいということから、スポーツの世界での技術の指導者に 「コーチ」という名がつけられるようになったのである。

サンドイッチ諸島はどこにある?
「クリスマス島」といった名の島があることからすれば、 「サンドイッチ諸島」というような名の島があっても不思議はないと思うであろう。 実際にその名を聞いたこともあるのではないだろうか。 しかし、「サンドイッチ諸島」なる島は、今はない。現在の「ハワイ諸島」がそれなのだ。
では、なぜ「ハワイ諸島」が「サンドイッチ諸島」だったのか。この島はキャプテン・クックが発見者だが、 このとき大英帝国の海軍大臣を務めていたのがサンドイッチ伯爵だった。 そこでクックは伯爵の名をとって「サンドイッチ諸島」と名づけたのだ。
このサンドイッチ伯爵、島の名としては消えてしまったが、 食べるサンドイッチとして世界中にその名を残した。



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