葛飾ビラ配布弾圧事件
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裁判勝利をめざして

 6      第12回公判 06年6月2日 傍聴記
今回の裁判で事実調べは全て終わりとなります。荒川さんは3回目の証言を堂々と述べ、傍聴席の私たちはその見事な迫力に圧倒され感動を呼びました。
 以下、荒川さんの証言の一部を再現すると・・・・
 警察官の求めに事情聴取のつもりで応じたのに、その後23日間にわたり勾留されたことは納得できない、その上、自宅が家宅捜索され大変な衝撃を受けた。ビラ配布をした事実についてはすでに述べているのに強行された。押収する物は何も無く何を目的とした捜索なのか脅し≠ニしか考えられない。
 ビラを配ることの意味は、私なりの価値観を伝えたい、自分の思いと共産党の政策が一致するので、その活動を支援する一助として行ってきた。宗教者としては日常的に様々な悩み事の相談を受けるが、生活保護の相談には議員さんを紹介するなどして現実的な対応で解決をめざす。
 この間の木村・高橋証人(事件当時の都議団長・葛飾区議団長)の証言を聞いて、私の行為は住民と議会をつなぐパイプ役であったと理解した。アンケートに七〇〇を超える回答があったと聞き、私があのマンションに全部入れたならあと一人ぐらいの反応があったかもと思う。
 学者証人の市川正人教授の証言後、憲法の条文を何回も読み返した。21条をよく読めば私の行為が犯罪で無い事は明らかだ。松宮孝明教授の証言では、住居侵入には当たらないとはっきり言っていただいた。共産党は公党であり、共産党の政策に興味や関心のある人はいるはず。私はこれまで、ビラ配布中に住民に会えばこんにちはと挨拶し、ご苦労様と声をかけられる。ビラを入れるな等と言われたことは一度も無い。検察の方に言いたい!表現の自由を侵害する事件が相次いで起こっているが、ビラを配る事を全面禁止したいのですか?時の権力に批判的な意見を狙い撃ちする様な事はいい加減にやめて下さい。裁判官には憲法を守ることを基準に考えて頂きたい。と訴えました。
 検察側からは「今後もビラを配るのか」と聞かれ・・意地悪な質問ですねと切りかえし、その後の検察官の質問を封じ込めました。最後に大島裁判長から「ビラ配りの時には腕章をするなどしては」と問われた荒川さんは、間髪をいれずに・・今後考えて見ます・とやり返しました。お見事!!
 この日公判は40分で終了しました。〈中村初枝記〉
 7      第11回公判 06年5月19日報告集会
ご紹介いただきました立命館大学の松宮です。
荒川さんのこの事件、それからやや類似の事件ということで立川の事件がございますけれど、こういう形で東京近辺で従来問題にされなかったようなチラシ・ビラ、宣伝物の配布に関して住居侵入というものが使われて、実際に裁判になるということは、私のような刑法学者には、数年前までは、予想もしなかったことでして、こういう事件(事件というのはつまり、配りにはいったから事件なのではないですね。逮捕されたとか起訴されたとかいうのが事件なんですけれども)、この事件が今の日本で起っていいるということについては、市川先生と同様、私も日本における政治的な表現の自由という点で非常に危機を感じております。
私は刑法学者ですので、憲法の表現の自由ということだけじゃなくて、刑法の解釈をやっていますから、住居侵入罪というのはいったいこんなことで成立する罪なのかということは、本当に考えさせられる意味があります。
立川の弁護団からも一度、意見書を書いてくれといわれたことがあります。そのようなことでこちらの事件でも意見書と証言をさせていただいたわけです。
 ただ正直なところ私、裁判所で証言するのは2回目なのですが、とくに今回の場合、あまり、実際に現実に裁判所でこのような事件に即して、まだ現実感がないです。
 なぜ現実感がないかというますと、何でこんなばかばかしい事件につきあわなければならないのかわからない。こんなことで裁判になるとということがまず一番問題です。何でこんな事件で住居侵入に当たらないに決まっているのに、なぜいちいち自分が出ていって説明しなければいけないのかという思いがあります。
 申し訳ないのですが検察官に付いて言えば常識的な感覚でいえば、こんな事件取り合っちゃいけないという、それをまじめな顔で反対尋問されるので、まじめな顔で答えたのですが、内心「あんた本気で聞いているのですか」という気持ちになりました。そういうことも含めて一般、軍隊であれ警察組織であれ検察組織であれ、そういう組織に入ってしまって、そこで仕事をしていると、常識的な市民としての感覚が刑法の解釈にうまくいかされて来ない、ということになっているのではないか。
 一審はもうあと一回で結審してどういう結論になるのかということでは、私、正直なところ予断を許さないと思います。常識的にはそんなものあるわけないじゃないかと思いたくなるのですが、今の日本の法曹界、司法界に何が起るわかりませんので、油断のないように、ということが一つ。
 もう一つは一審で無罪を勝ち取っても控訴審は危ない。実は日本の裁判では、一審無罪判決で検察官が控訴したときに、控訴審で判決がひっくり返る可能性が80%あります。統計上。それはなぜかと申しますと、一審の無罪の論議を検察官は徹底的についてきてそこを攻撃するというのが控訴審で、弁護側は逆にやはりちょっと油断するのです。一審で無罪判決を勝ち取ったからということで。
いずれにしてもこの事件は一審で終わらないと思いますが、一審で仮に無罪としても、これは油断の無いようにしていただきたい。そのことをもうしあげて、ごあいさつに代えさせていただきます。
*これは06年5月19日公判後、弁護士会館の報告集会で学者証人として証言台に立っていただいた松宮先生の発言を守る会の責任で記録して文章化したものです。
 
 8      第11回公判 06年5月19日 配布資料
 葛飾ビラ配布弾圧事件第11回公判に参加下さり、ありがとうございます。本日の市川教授と松宮教授の証人調べが終わりますと、全ての証人調べが終わります。そして、次回の荒川さんの3度目の本人質問が終わると、事実調べが終了します。
 6月23日の第13回公判で検察官が論告・求刑を行い、7月10日の第14回公判で弁護団が最終弁論を行います。
最終弁論を終わると裁判所が判決日を指定します。一年余にわたってたたかわれてきた裁判もいよいよ最終段階を迎えました。裁判勝利のためにご支援・ご協力をお願いします。守る会では、7月19日午後6時30分から、かめありリリオホール(定員640名)で、裁判勝利をめざす決起集会を計画しました。
 
 ―本日の裁判
 本日は立命館大学大学院法務研究科の市川正人教授(憲法)と松宮孝明教授(刑法)が憲法の立場、刑法の立場からビラ配布の自由が保障されることを証言されます。お二人はそれぞれ意見書を作成され、すでに裁判所に提出されています。
 その意見書で、お二人は今回の荒川さんの行為は逮捕・起訴される行為ではないことを明確にされています。
 
 −第10回公判報告
 第10回公判は4月20日に、東京地裁104号法廷で開廷され、小林郁夫さんの証人調べが行われました。
 小林さんは、事件現場のマンションから近く、同じようにオートロックの無いマンションに住んでいて、マンションに配布されているビラの状況を調査した一人であり、調査に基づいて証言しました。また、どのビラが必要かは人によって違うもの。判断を管理人や管理組合がするものではない。旨証言しました。
 裁判所の強行によって行われた、荒川さんの2度目の本人尋問は、弁護団の事実に基づいた質問と荒川さんの丁寧な供述によって、荒川さんが逮捕・起訴されたことの不当性が一層鮮明にされました。
 
 9      第10回公判 06年4月20日 傍聴記
 今回の公判は、配布ビラの提供者で同じようなマンション住民である小林郁夫さん(日本共産党葛飾地区委員長)が証人でした。
 しかし、公判では、検事が「地区委員長としての年数を聞きたい」と質問しても「地区委員長として述べているのではない一住民としての証言だ」と弁護士から異議を述べ、裁判長もそれを認め、その後の検事質問は素人目にも、同じ質問を3回もするものとなり、おかしいと感じさせられました。
 この後の報告集会で、小林さんは「終わってホッとしたと同時に、思う存分言いたい事が言えず欲求不満で大変だった」と述べ、弁護士さんからも「共産党の代表としてではなくあくまでもビラの受け手の一住民として徹してもらった」と聞き、なるほどと思いました。検事は、日本共産党の組織問題に入り込みたかったが、それを全く許さなかった進め方は見事なものでした。
 引き続き荒川さんに対する尋問が行われ、これまた胸のすくような内容でありました。
 検事が「隣のライオンズマンションに不穏な考えがないのなら、オートロックでも入ってドアポストまで何故いれないのか」など陳腐な質問を行い裁判長にたしなめられる場面がありました。
 また入り口のドアについて「どうやってドアを開けたのか」と質問し、荒川さんに「手で開けました」と答えられ、傍聴者の失笑をかう場面もありました。
 圧巻だったのは、検事の「いつ頃からこうしたチラシを配っていたのか」の質問に対しての荒川さんの答えでした。荒川さんはしばらく沈黙の後、「高校生の頃からですので、かれこれ40年以上になります。」見事な第10回公判でした。
 渡辺キヨ子記
 
 10      第10回公判 06年4月20日 配布資料
葛飾ビラ配布弾圧事件第10回公判に参加下さり、ありがとうございます。この裁判
もいよいよ最終段階を迎えました。裁判勝利のために一層のご支援をよろしくお願いします。
 
―本日の裁判
本日はビラ配布の実態について、事件発生現場の近くで、同じようなマンションに住んでいる、小林さんが証人として証言します。小林さんは事件発生後@自宅マンションに配布されたビラを蒐集した状況、A投函されたビラをどの様に扱っているか、Bマンションの理事会ではビラ配布についてどの様に対応しているか、などマンション住民の知る権利についても証言します。その後、弁護団の道理ある主張をしりぞけて、大島裁判長は、通常の手続きにはない被告人質問を荒川さんに対して強行しようとしています。
守る会は4月14日の第3回世話人会で、裁判所の被告人質問強行の決定に抗議する「無罪判決要請決議」を確認し、去る18日に執行しました。公正・慎重な裁判の実現のために引き続きご支援・ご協力をよろしくお願いします。
 
―第9回公判報告
 第9回公判は3月9日に、東京地裁104号法廷で開廷され、都議会報告、区議団だよりを発行した、木村陽治元都議団長、高橋信夫元区議団長が出廷しました。 
木村証人と高橋証人は証言席で声を合わせて「宣誓」を行い、はじめに木村証人が証言しました。木村証人は「都議会で唯一の野党である日本共産党の議会報告がなければ、都議会での論戦の内容を都民に知らせられない」、高橋証人は「地域で配布されたビラを受け取ったマンション住民が集会に参加した。ビラは議員と住民の血流・ホットライン」と証言しました。
また、荒川さんを亀有署で最初に取り調べた北山新一警部補が、弁解録取書作成の経過を証言しました。逮捕された荒川さんを亀有署で引致したと証言する一方で、荒川さんに黙秘権を知らせなかったこと、弁護人への連絡について2時間もかかったことの理由を証言しながら、その理由が不自然なことが明らかにされました。
 
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