明けまして腰砕け。

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その1

 今年はザコからの脱出を目標に、元旦からハードな練習を積み重ねています。しかし6日に悲劇は訪れました。

 その日も、朝っぱらからロングトーン、リップスラー、スケール、と調子良く進み、
「よーし、次ぎはエチュード!」
と気合を入れ、譜面台を高くしようと前屈みになったその時! 

        グキグキッ!

その後しばらく天井を見あげたまま動けなくなった僕は
「今年もダメかなぁ・・・」
と、つぶやくのみ。

 涙が頬を流れては落ちていった・・・。

 つづく

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その2

 しばらく動けなくなっていた僕だが、「今年こそほザコからの脱出を!」と誓った事を思い出し、不屈の闘志で立ち上がり練習を再開したのであった。

 しかし、イタイ。1曲吹き通せないくらいイタイ。座って吹いても、立って吹いても、痛さはどんどん増すばかり。姿勢もどんどん悪くなる。結局この日は、激痛と戦いながら1時間程がんばったが、これ以上やっても意味ないと判断し、楽器をしまって横になることにした。 

 しばらく横になってテレビを見ていたのだが、なんだかジジイになったような気がして、情けなくなってくる。ちょっと姿勢を変えようとしても激痛が走る。
「やっぱり、さらうぞ!」
ともう一度気合を入れ、立ち上がろうとするが、ちゃんと立ち上がるまで30秒もかかってしまう。今までギックリ腰になった人の話しは聞いたことはあったが、実際自分が体験してみて、本当につらいものだという事がわかった。でも、ジジイのようになってしまった事を認めたくない僕は、もう一度気合を入れ直し、これなら大丈夫だろうとアルトを練習することにした。今年はもうアルトの仕事が3つ入っているしオーディションでも使うし、この機会に(?)バリバリさらっとこうと・・・しかし楽器が小さくなったところで結果は同じ事だった。あたりまえだ。

 またしても楽器をしまい、ふと鏡を見るとナンカヘンダ・・正面からよく見ると、腰を境に上半身が右に傾いてるのだ。うっそ〜本当に曲がってるぅ〜こりゃイタイわけだワハハハ・・・。

 明日は医者にいかなきゃかな。整形外科?接骨院かな?それとも整体?韓国式マッサージ・・?

 治るかなぁ・・・。

  つづく

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その3

 医者に行った。この日は休日だったが、立川相互病院に整形外科の先生が休日出勤してる、という情報を得た僕は、親友のT君にお願いして連れていってもらった。病院なんてもう何年も来てない気がする。大学4年の合宿で、泥酔して窓ガラスにパンチして血まみれになった1年生を救急車で運んだ時以来かなぁ。あの時は大変だったな〜結構大怪我だったしな〜、そういえばあの医者1年生が泥酔して熟睡してるのをいいことに「麻酔はいいか」なんて言ってチクチク縫ってたな〜。ありゃ笑ったな〜・・なんて考えていたら、あっというまに僕の番になった。

 診察は、すごくあっさりしたものだった。「あぁ軽いギックリ腰ですねぇ、痛み止めとシップ出しときますんでね・・一応レントゲン撮っときますか」なんて・・

こんなんで治るのかなぁ。レントゲンの写真では、ものの見事に背骨が曲がっていたではないか。「安静が一番です」って・・・。まぁしょうがないか、と一人さみしく帰宅の途につく僕の頭上には“韓国式マッサージ”の看板が・・。

  ここのほうがちゃんと治るんじゃないかなぁ

  よ〜し、ここは一発!!

 つづく

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その4

 韓国式マッサージは行きませんでした。今これを読まれている方々は「ホントは行ったんだろ」な〜んて思っているでしょうけど、一応僕にも韓国式や性感マッサージがギックリ腰を治す所ではないという常識を持ってる事を妊娠、失礼、認識していただきたい。

 医者に行くときは、親友T君の車で連れていってもらったのだが、T君は仕事のため帰りは自力で帰らなくてはならなかった。病院からモノレールの駅まで徒歩約10分ぐらいだろうか、しかし腰の曲がった僕は30分もかかってしまった。変な姿勢で歩く僕の姿はまるで犯人に刺された刑事が、自分の任務をまっとうしようと不屈の闘志で歩く姿そのものだった・・そう気分は織田裕二、見た目もまさに織田裕二だった。やっぱりな〜。

 そういえば、その織田君も今、椎間板ヘルニアと戦ってるそうだ。今日から始まるドラマ、ロケットボーイも、織田君の腰の具合が悪すぎて第三話が延期になったらしい。なんだか親近感が涌いてくるな〜っていうか友達?っていうか役者仲間だなこりゃ。がんばれよ〜織田君!

 話しをもとに戻そう。30分も歩いた僕の腰は、もはや限界に達していた。とてもじゃないがもう歩けないと思った僕は、しょうがなくタクシーに乗ることにした。タクシーの中、親友のT君が心配して電話をかけてきてくれた。軽いギックリ腰だったと伝えると、「つらかったら、いつでも電話してくれ」と、何とも暖かい言葉をかけてくれた。なんていいやつなんだろう、今度T君に困った事がおきたら、真っ先に助けてあげようと心から思った。その夜も「メシは食えてるか?」と心配してくれた。ありがたいことだ。

 T君とは大学時代からの親友で、今でもアンサンブルを組んでるほどの仲良しである。しかしそのアンサンブルは、ここ3年ぐらい活動していない。理由はいくつかある。まず、編成が特殊ということ。それは、SAX,OB,TRB,PIANO,というものだ。仕事がきっかけで出来たアンサンブルであり、まぁ特殊といえば特殊なのだがやってみると結構面白い響きがして、僕にはすごく楽しいアンサンブルだった。しかしこの編成の為の楽譜なんて無いので自分達でアレンジしなきゃいけないのだが、メンバーの中でアレンジできる人(しようとする人)が誰もいなかったためレパートリーが皆無に等しいのだ。(いつも合唱譜を振り分けてやってた)もう一つ活動してない理由は、リーダーがちゃんとしてくれない、ということだ。リーダーは何を隠そうT君なのだが、彼の言うことが現実になるなんてことは、10のうち1ぐらいしかない。他の3人、A君、Tさん、僕は、リーダーの「連絡するよ」という言葉を信じ、いつまでも待っているのだが、いつまでたっても連絡は来ない。だから仕事もなければ、練習も、飲み会も実現していない。とてもやさしい心を持ってるリーダーだけど、ちゃんとしてくれないと困っちゃうよホントに。昔、A君と僕がイヤな顔ひとつせず、サンタやトナカイの着ぐるみを着て本番をしたことを思い出して欲しいな〜。今年は頼むよ、リーダー! イテテテテ・・・。

つづく

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その5

 何故ギックリ腰になったのだろう?

 ただ前屈みになっただけでギクッてなったということは今までの私生活の中でかなり腰に負担をかけてきたと思われる。今回はその原因を探っていこうと思う。

 まず、楽器を構える姿勢にあるのではないか?

 今、背骨が右に曲がってるのは、やはり姿勢に問題があると思う。トロンボーンの場合、右腕でスライドを操る構造上どうしても右肩を入れたような構えになる。(そうでない人もいるが)ボクシングのサウスポーのような構えだ。第7ポジションになるとそれはもっと極端になり、腰を右にギュッと捻った状態になる。これもひとつの原因ではないだろうか。これからは姿勢に細心の注意を払うとともに、一日おきに左右逆にして左腕でスライドを操作する日を作ってバランスをとらなければいけないと思う。

 もう一つ、楽器ケースの持ちかただ。これは一番の原因だと思う。後輩のO君にヤマハのダブルケースを借りていて(これがまた重い)去年の8月からほとんど毎日持ち歩いてるのだ。しかも自分でストラップを付け、ほとんど左肩に掛けている。たまにセミハードケースを持つが、やっぱり左肩にしか掛けてない・・・これは物心ついた時からの僕の癖だと思うが、楽器ケースに限らず肩に掛けるものすべて左肩にかけているのだ。これじゃあ体が右に傾いてしまってもしょうがない。

 今回のギックリ腰の大きな原因はこの2つだと思われる。やはり「チリも積もれば山となる」というか「継続は力なり」って感じで、かなり負担がかかってたのね。ところでギックリ腰の原因になるぐらい練習してるのに肝心のトロンボーンの方は、チリも積もれば山となっているのだろうか・・・なってない気がする。
どうしてだろう。

 明日は本番、大丈夫なのか・・・。

 つづく。

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その6

 ギックリ腰を患ってから初めての本番。だいぶ良くなってきてはいるのだが、長時間同じ姿勢を維持したり寒い場所などは非常に辛いのだ。(この腰の場合3分以上は長時間になる)だが、なんと本番は体育館。この季節の体育館音教と言えば、×××も縮みあがる程の寒さである。この現場に居合わせる男(生徒も含めて)は皆、×××が縮み上がってるに違いない。そう、まさに×××は、プールあがり状態なのだー!

♀「えぇ〜じゃあ女の子の場合はどこがぁ〜?」

♂「どっどこってそれは、たったぶん、・・・かな?」

♀「え〜・・・じゃわかんない〜ちゃんとイッてよ〜」

♂「はっ恥ずかしいよそんな、◎◎◎なんて・・・」

♀「きゃ〜!◎◎◎だって〜、もうエッチィ」

・・・大変失礼致しました。

 実は今回、この本番でギックリ腰と戦いながら演奏する姿をリポートしようと思っていたのですが、特にこれといったハプニングも無く、演奏中も緊張感からか自分がギックリ腰だということを忘れてしまっていたので書くことがなく、先程のような下品な文章でこの場をつないでしまったのである。

 しかし、めちゃくちゃ寒かった。あれじゃあ演奏する方はもちろん、聴いてる方も鑑賞会どころではないだろう。一応小さなストーブが幾つか用意されていたが、まるで意味がない。みんな体を丸めて口から白い息を吐き、手をさするたびシャカシャカと音のでる防寒具を着込み手袋をしてるもんだから、拍手はボフッボフッ。これでは鑑賞会どころか我慢大会である。

 学校の行事予定や予算の都合など、しょうがないと思う事もあるが、これでは音楽鑑賞会の感想文が「寒かった」となってしまい、子供が音楽嫌いになってしまう可能性もあるだろう。少々極端な意見だったかも知れないが、聴衆にも演奏者にも気持ちの良い環境でなければ良い鑑賞会、音楽会にはならないと思うのだ。

うーん、いろいろ考えてたら腰が痛くなってきた。
そういえば、さっきからずっと同じ姿勢だー!
こんなに長時間同じ姿勢でいられるなんて・・・
これってかなり回復してない?(ギャル風に)

つづく

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その7

 随分調子が良くなってきた。腰の痛みも治まりつつあるし、体も真っすぐにちかくなってきた。横断歩道で小走りした自分に気が付いた時は、まるでドラマの主人公にでもなったような気がして嬉しさのあまりスキップまでしてしまったのだ。そういば織田君の腰はどんな具合だろう。まだ治ってないのか?まぁ今のうちにきちんと治しておかないと今年1年棒にふる事になるから、焦る気持ちもわかるけど無理しちゃイカンぞ、ドラマの事は全部この僕に任せてチミはゆっくり治療に専念してくれたまえ、フッフフフ、ワーッハッハッハッハ!!うーん健康って素晴らしい!こんなに幸福感を味わえるなら、もう一回ぐらいギックリ腰になってもいいかな〜っ!いいとも〜! な〜んちゃって、ってゆうか今回みたいな軽いギックリだったら、また再発する可能性は十分あるから心配ご無用だよ〜ん。

 と、ここまで書くのに相当な時間を要してしまった。どうも腰が治り始めた‘その6’から文章が散漫になってきたように思う。書くことがなくなってしまった時のつなぎに下ネタを使った事は、この連載すべてをつまらないモノにしてしまうぐらい逆効果だった。下ネタを使う場合は、趣味の良い下ネタを、隠し味として(これが難しい)使わなければ、ただの下品な文章になってしまい、読者に不快感を与えてしまう。‘その6’では音教の事を後半に書いたが、真面目に書いたつもりが全くインパクトのない文になり、無理やり面白おかしくまとめようとした、イッパイイッパイの文章になってしまった。

 つくづく自分には文才がないなぁと思うが、ここでやめたらパツキン日記のように中途半端に終わって(?)しまうし、せっかく楽しんで下さっている全国の皆様を落胆させてしまうので、これからも頑張ってこの連載を続けていこうと思っている。よーし、勉強勉強!

 えっ!パツキン日記って終わっちゃったの・・・!?

 つづく

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