第六話・第七話・号外・第八話・第九話
第六話
やっぱさー、毎日走るのって大変なことなのよね。この毎日ってとこが肝心なんだけどさ、熱しやすくさめやすい性格なもんだから、飽きてき おっと失礼、全然そんなこと無いですよ、あー楽しいな。
でもね、ほんとのところ、今日の分も明日走ればいいや、なんて思っちゃったりしちゃう訳でして、そうなってくると次の日も、明日三日分走るから、なんて事になってきて、気が付けばフルマラソンじゃきかないぐらいになってたりして。そうだ、ありだな。パチンコして負けても、明日取りかえせばいいや、とやってるうちに気が付けば、といっしょじゃないですか、こりゃ。いかんいかん、こりゃいかん。あー、この性格なんとかならんもんかね。前にもこんな事があった。一日百円貯金っていうのやってたんだけど、まるっきりいっしょでしたよ。ずっと続けてたら今頃 はあんた、こんなちまちま走ってないで、ラスベガスでどーんと一発勝負で、金髪ねーちゃんで、葉巻きでフェラーリってなもんですよ。うん?
わかった。ぼくって勝負師? なんかこー一発やってやるぞってな気持ちが強すぎるんでない。こー、ちまちましたことに幸せを見出せないのよね。酒飲んでてもわけわかんなくなっちゃうまで飲んじゃうし、車乗れば信号無視でつかまるし、だって黄色は進めで赤注意でしょ?
うそうそ、ほんとは夜1人じゃトイレにも行けないし、カラオケは自分じゃ曲入れることすら出来ないし、警備員をおまわりさんと間違えてどきっとするような、めちゃくちゃ気立てのいいやつなんですよ、ぼく。えへっ。
これからも、いやこれからは毎日ちゃんと走りますんで、末短く見守っていてくだされ。
: お知らせ :
まだ申し込み間に合いますんで、一緒に立川マラソン出る人募集してます。感動に飢えているそこのあなた、一緒に走ってみませんか? できればおねーちゃんがいいんだけど。
第七話はい、どうも、つかもとの、登場の、御無沙汰の、すまみせんでした。なかなかネタが無くて、随分と間があいてしまいました。だって、別に毎日走ってる訳でもないし、お外は寒い訳ですし、花粉なんぞも飛んでる訳なんですよ。ありゃりゃ、久々の日記でまたこんな内容なんですの? いいえ、違います。あれですよ、あれ。今回はちょっと凄いよ。ジャーン!!
つかもと けいじ 青梅マラソン 観戦日記!!!
行ってきました、青梅マラソン。ほんとなら私も走っている筈の青梅マラソン。我が心の師匠、高橋さんも出場したんですよ、あー、一緒に走りたかったなー。最初だけでも。
スタート地点は人でごった返していそうだから、3キロ地点に観戦ポイント決定。応援用の小旗も入手。2本。 あーっあーっ。 のどのウォームアップも終了。フルトーンでいけそうだ。12時スタート。5分もすれば、先頭が見えてくるでしょ。
きたーっ、先頭の人達はきっと招待選手なんですかね。別にマニアじゃないから名前もわかんないけど、とにかく速いし、からだでかー。足長いから一歩が大きい。初めて見るマラソン選手に、ちょっと感動。小旗をなびかせる。
先頭集団からちょっと遅れて第2集団がやってきた。 いたーーーーっ!! 高橋選手。
女子の先頭だ。表情もいいし、足も前にでている。調子はよさそうだ。観衆から割れんばかりの声援がとぶ。私もまけじと、がんばれーっ、と心の中で叫ぶ。あーあ、いざとなるとモジモジ君だ。そのあとは、一般市民ランナーがわんさかと走りぬけていく。それにしても凄い数だ。最後の方なんかもう、30分ぐらいたってからやっと通過していった。
ここでしばしの休憩。選手たちは、15キロで折り返してまたここを通ることになる。その間にそばを摂取。ビールは自粛。
先頭が帰ってきた。なんじゃこいつら、ぜんぜんスピード落ちて無いじゃん。ていうか、残り3キロラストスパートしてんじゃん。あんたたち、ほんとすごいよ。
高橋選手も帰ってきた。おー、女子ぶっちぎりの一番ですよ。後の情報によると、大会新記録だったらしい。やりますな、高橋選手。さすが師匠。
さて、ちょいと一般ランナーが気になり、私は電車に乗り、一路折り返し地点まで。その降り立った駅のホームで、とんでもないものを見てしまった。それは、上りの電車に乗り込む、短パン、ランニングにゼッケンまでついた選手である。おまけに、顔はおもいっきりトホホ顔である。あららー、リタイアですか。その格好で電車はめちゃくちゃ不自然でない。こっぱずかしー。
しかし、折り返し地点はもっと凄かった。 大の字で寝ているもの、ひたすら足をマッサージしているもの、バス停でバスを待つもの、もうなんでもありだ。あーあ、走り込みがたんないんだよねー、君達。どきっ、もしかして僕? こんなんなっちゃうの? 立川マラソンで。うわーーっ。
がんばろ。
<号外>
日記ではございません。スペシャルでナイスな号外でございます。
1699。 これ何の数字でしょう? それはですね、1699番 つかもと けいじ選手。
そうです、私のゼッケン番号でございます。送られてきました、第20回立川マラソン参加通知証。
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料金別納郵便 塚本 圭司 様 種目 男子49歳以下10km
ナンバー 1699
受付時間 AM9:00〜11:00
*受付の際、本状を提示してください。
受付と引替えに、ゼッケン・計測用ID
・参加賞をお渡しします。-------------------------------------------------------------
裏面には、集合場所や受付の仕方、注意事項が書かれている。熟読済み。
いやー、やる気復活。がんばれ、1699番。
第八話
今日は3月10日。いよいよ明日でござりまする。調子はといいますと、だめ。だって走り込んでないもん。まー、たまには走ってたけどね。もう今からどきどきしてる。寝れるかしら。
はい今日はもうおしまい。それでは、健闘をお祈りいたしてくださいまし。アーメン
次回、いよいよ完結編。本番当日の模様をお送りいたします。どうなることやら、お楽しみ。
第九話
いやー、まいったまいった。きついのなんのって。やっぱ長いは、10キロって。スタートしてからもう結構走って、そろそろ半分ぐらい走ったんでない、と思いきや、やっとこさ1キロ地点のカンバンが見えたときにはがく然としたよ、ほんと。絶対走りきれないって思ったもん。
その日の朝、緊張のあまり早々と起床。かるーくジョギングでもしようかとも思ったが、ここは体力温存。ゆっくりと朝食を取り、仕上げに腰に手をあててユンケルを飲む。なんか余計ドキドキしてきちゃった。気分を落ち着けて、いざ昭和記念公園みんなの原っぱ、集合場所へ。
をほーっ、みんな集まっとりますなー。準備体操する者、ダッシュしてる人、早々短パンにランニングのやつ、どの顔も真剣である。えーと、まずは受付すまそっと。このあたりから、さらに緊張度がパワーアップして、緊張ビーム出まくりである。出まくりのまま、受付でゼッケン、小冊子、参加賞のTシャツをいただく。もう後には引けない。しかたなく、ゼッケンを取り付け、ウォームアップ開始。入念に体をほぐしていく。骨がバキバキ鳴るのは、ちょっと恥ずかしい。
そうこうしてるうちに早くもスタートの時間が。アップを済ませスタート地点へと移動。トイレにも行っといた。まもなくである。
パンッ!! ちょっとちゃちいピストルの音とともに、一斉に走り出す。おすなおすなの大バーゲンセールである。少し走ったらどうにか車間距離はできたのだが、とにかくみんな速い。一緒のペースじゃとてもむりだ。自分のペース、1キロ6分のスピードはだいたい分かっていたから、ここは他は気にせず、マイペースでいくことに。あーあんた達はすごいねー、などといってる間にみるみる置いていかれてしまった。気付いたらまわりは、じいさんばあさんと体の細くない人のみとなっていた。彼らと勝負するのも情けないもんだ。
きつい。ほんときつい。3キロまではどうにかキロ6分でいってたのだが、3キロ過ぎたあたりからきた、膝に。左膝。こうなったらもうおしまいである。みるみるペースダウン。先程の彼らにもあっと言う間においていかれ、膝と格闘する一人旅となってしまった。顔はすっかりトホホ顔である。何度棄権しようと思ったことやら。
6キロ。ついに歩いてしまう。もうやめちゃおっかな。左足はひきずっている。が、この先に今回唯一楽しみにしている事があった。給水所である。やりたい、やってみたい。気力を振り絞って走りだす。
見えてきたっ!!夢にまで見た給水所。テレビで見たのと同じように、係員が水の入ったコップを差し出している。うまく受け取れるかがちょっと心配だ。
おっとっとーっ。ちょっとこぼしながらも無事、水ゲット。うがいをし、喉を潤し、コップを道ばたに投げ捨てる。うーん、これこれ。快感〜!! ラスト3キロ、張り切っていってみよー。
約1時間15分、ようやく辛く長かった旅の終わりが見えてきた。ゴール前にはちょっとした人だかり。足を引きずるも、可能な限り、いやそれ以上のラストスパートをかける。見上げた根性だ。えへっ。
ぐお〜〜〜〜〜るっっっ!!!
なんじゃ、この充実感。とともに、二度と走るもんかと心に誓いましたとさ。
おしまい