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       ごもくやわ
  五目夜話

     お時間がゆるせば、あれやこれやの夜話に
     しばらく、お付き合い下さい
 五目亭亭主 拝


  自費出版の仕組みと心得


「売れない」と知る

・・・それが

自費出版 第一の「心得」




  ・・・それでも

そんな「心得」なんかに負けるか!
書店、楽天も無用、正に自費&自主出版。
旧態の出版業界のご法度に、ちょっと触れながら
小説 ドン・キホーテさながらの無謀な「1,000冊」に挑む!
いいモノは、いつか認めていただけると信じるこの五目亭々主の
生産者−消費者直結出版、近社会の流通を問う実証実験は・・・


                   ただ今→
0■■■■■■■■■■500冊■■■■■■■■■
■1,000冊



この夜話で申し上げたいこと・・・

@1冊〜数冊までの思い出の本を印刷するのなら 1冊 =1万円
程度で制作が可能になりました。記念に残せます。しかし・・・

A素人の自費出版は名刺代わりの印刷物で 1冊も売れません!
書店に並べるほども大量に印刷してしまうと、 ゴミの山です。
(女子中高生を中心に広がっているケータイ小説は対象外です)

B全国紙に広告を出す共同出版業者に引っ掛かると、泣きます。
印刷するだけなら 500〜1000冊で100万円ほどの費用が、
「ほめ代」と営業努力(?)代込みで、 250万円にもなります。
(本は廃棄物にしてでも、「先生!」と呼ばれたい方ならどうぞ)

C本当に売れるものは商業ベースで出版社がリスクを負います。
あなたには費用などの負担は一切なく、著作料が入ります。
すごい作品を書く能力や時代をつかむセンスが必要。そんな
方が この夜話にたどりついておられるとは思えませんが …

Dこのように自費出版はあなたやグループの負担で印刷し、配る
ものです。 しかし、誰かに買っていただく出版もすてきな夢。
方法がないわけではありません。 ただ今、身を挺して挑戦中
(上記)ですが、作品の内容だけでなく実現への道も険しい!



(更新 2008/04/13)





目次
−−−−−−−−−−−
1.自費出版とは
2.印刷数量と予算
3.自費出版業者のこと
4.本の流通と原価・売価

あとがき (まとめとして・・・いい本なら)



その時、居酒屋のオヤジを相手に「今度、本を自費出版してなァ」って話しをしていました。
たまたま隣り合わせた同年配の男性から声を掛けられましてネ。

客 「自費出版しはったんですか?
   私も本を出してみたいなァと前から思うてましてね。」

私 「そうですか。最近、ご希望の方が多いと聞きますねェ。」

客 「どうやったら自費出版できるものかお聞きできませんか?」

私 「そうですなァ・・・どんな種類の本を出そうと思うてはるんですか?」

客 「田舎の○○○○の歴史です。
   少しづつ調べてきまして、どうやらまとまりかけてきましてネ。」

私 「飲みながらの話しですし、私も今回が初めての経験ですので、
   えらそうなことは言えませんが・・・」


■1■ 自費出版とは

ま、概略つぎのようにお話ししたんです。

          ・・・・・

当たり前のことですが『出版』ということは、絵でも写真でも文章でも本にして発行するということです。1冊でも、発行すれば『出版』と言えるでしょうが、関係者に配るだけとしても、やはり「何十冊」「何百冊」というのが『出版』のイメージですネ。
ご存知かとは思いますが、その出版には大きく分けて2つの種類があります。

   『自費出版』

   『企画出版』(商業出版)

『自費出版』の方は著者、つまりご主人がご自分の金で出版することです。出版するためには、印刷代やら何やらで100万円くらいかかると思われるといいです。もちろん、方法によっては100万円以下でも可能です。自費出版は「自分の書いた本が書店かどこかで売れれば・・・」という夢を感じさせる言葉ですが、ま、売れませんので全額自己負担です。

『企画出版』は出版社が企画して著者に原稿を書いてもらって出版することです。こちらは出版社のリスクです。作者にはリスクはありませんし、売れれば著者には印税が入ることになります。

これでは違いがはっきりしませんが、『自費出版』は趣味で金かけて本を作るということです。親戚、職場や同じ趣味の仲間にタダで配って差し上げる。そういう世界やと割り切る必要があります。グループで作った詩集や趣味で書いた小説などですネ。数部から数十部をみなさんにお配りする。それを「売れて儲かるかもしれない」と考えると、何百部の印刷に手を出しておかしくなります。プロが書いてもなかなか売れない時代に、素人が書いたもの、1冊すら買う人ないですわ。『自費出版』ではなくて『趣味出版』や『自費印刷』と呼ぶべきです。

しかし・・・自分史も含めて、一生の内に本の1冊くらい書き上げることは素敵な夢です。

安くなったと言っても、ゴルフを楽しめば1回何万円かいりますわ。あれと同じです。楽しみで本を作れば金がいるのは当然です。プロゴルファーはゴルフをして金を稼ぎ、アマはプレー費を払う。これも当然です。

そこで、本題の『自費出版』ですが、原稿さえあれば町の印刷屋さんで本にすることができます。ちゃんと表紙も付いた立派な本ですよ。お手軽なのは『簡易製本』という、ちょっとだけ厚めの紙の表紙を背にノリ貼り(そのへんのゴムノリではありません。しっかりした樹脂で貼ります)したものです。私の表紙はカラーで、印刷代が少し高くなりましたが、製本はこのノリ貼りの『簡易製本』です。汗に強いコーティング処理もしています。黒くヨゴれるほどに使い込んでみましたが、しっかりしています。


                                
                     ●こちらでお世話になりました
 淀川工技社(前田・山内さん)
( 自費出版したポケットサイズの本
 :約400ページ)


本文の原稿はワープロで、本のページの大きさにきっちり合わせて、天地、左右の余白も指定してあれば一番よろしいです。もし手書きの原稿やったら打ち直しの作業やら、何ページにどの文章を掲載するなんて作業が発生します。これもたのめばやってくれますが、料金がかなり高くなります。

表紙のデザインや挿絵も含めて、どの程度までの原稿をご自分で準備できるかということは大事なことです。

          ・・・・・

客 「そうですねェ。 私、ワードもできますんで、原稿はワードで書いています。
   サイズは本に合わせてないので、これからの作業になりますなァ。
   それができたとして、どれくらいの「お遊び」の予算(笑)が必要になるんで
   しょう?」



■2■ 印刷数量と予算

私 「文章とイラストか写真程度の原稿がデータで用意できて
   手のひらを少し広げたくらいの大きさの四六版という大きさ、そして
   印刷の色は黒一色、200ページ (厚さ 1.5cm) 前後の本としますね。
   ネットなんかで言われているのは500から1000冊で100万円から150
   万円程度ですねェ。やり方によっては50万円以下というサイトもありまし
   たが、そこまで下げるには印刷の知識と工夫が必要なようです。」

( 1,000冊の量 : ダンボール 10箱 / 約250kg)


客 「ウ〜ン、1000冊も刷らなあきませんか!」

私 「そこらになると、ちょっとややこしいことがありましてネ。
   1000冊やと、100万円ほどかかるということですが、今の技術やと
   1万円ほどで、1冊からでも本にできるんです。 10冊なら10万円で
   すみます。コンピュータを使ってプリントするんです。オンデマンドとか
   言いましてネ。100万程度掛かるものが10万ですむんですよ。 記念に
   残されるんやったら、10万円は手ごろではありませんか?」

客 「ウ〜ン、100冊くらいは刷りたいなァと思うてます。」

私 「100冊ですか? 私がぶつかったような、むつかしい数ですなァ。
   オンデマンドでも100冊×1万円で100万円、印刷では1000冊まとめて
   100万円・・・そして、1000冊は多すぎていらない。
   大昔は印刷は『活字』でした。若い頃、印刷屋さんに行って見ました。
   4、5ミリ角でマッチ棒ほどの長さの四角な金属の棒の先に
   印鑑のように文字が飛び出した活字を弁当箱のような木の箱に詰めて
   いました。ご存知ですか?」

客 「私も見たことあります。」

私 「最近は、アルミ板に文字やら写真やらを写した『版』を作って、
   インクをのせてから、ゴムローラーに転写して紙に押し付けて刷るという
   方法になりました。このアルミ板の『版代』が高いものなんです。
   その上、これを大きな印刷機に人手をかけてセットして刷り始めたら
   アッというまに 1000枚くらいは印刷できてしまうんです。
   だから大量に刷れば安いんです。
   そんなすごい機械では100枚程度の印刷やってられませんわなァ。
   仮に100枚で止めたとしても、1000枚分近い料金がいります。」

客 「そうですかァ・・・」

私 「ところがね、コピー機ってのは『版』が不要で、きれいな原稿さえあれば
   1枚から印刷できますねぇ。」

客 「そうですなァ。普段は何とも思うていませんでしたが、コピー機って
   活字も版もないのに、ちゃんと印刷でけてますなァ・・・」

私 「このコピー機がエライ進歩してましてね。
   私らには印刷やらコピーやら区別がつかないようなレベルになっています。
   パソコンのプリンターでも印刷かプリントなんかようわかりませんでしょ。
   用紙の裏表にプリントして表紙を付ければそれで本になるんです。」

客 「オンデマンドというのはコピー機で印刷するということですナ。」

私 「その辺のコピー機というわけではありませんが、ワードから直接印刷
   します。本格的な印刷のように高価な『版』を作るというしばりはなくなる
   という話です。
   印刷屋さんに原稿を持ち込むと『版』から作る印刷ベースの話しで、たいそ
   うな見積りになってしまうし、コピー屋さんに原稿を持ち込むと1冊からでき
   るコピーの話しになる。 しかし、コピー屋さんではたくさん印刷しても、
   1冊あたりの手間は変わりませんから、さして安くはならないわけです。」

客 「私の場合やと、どちらがよろしいんでしょう?」

私 「数がたくさんあると印刷屋さんの方法の方が安くなりますが、
   100冊やとコピー屋さんのほうかなァ。
   その中間の方法もあって、アルミ板の代わりに紙で『版』を作ってしまう
   という印刷もあるんです。版を作る工程も中抜きされていて、工賃も
   アルミ版より安いそうです。ただ、紙はカラー印刷には不向きで、ちょっと
   精度も悪いようですが、文字だけの普通の本やったらわかりません。
   100冊やったら、この紙製版の印刷というのも方法です。」

(紙製版=ピンクマスター)
・・・本文の黒1色の印刷用
(アルミ製版=PS版)
・・・カラー表紙の印刷用


客 「その紙を使った版で本を100冊作るといくらくらいでしょう?」

私 「印刷屋じゃないので、よう言えませんが・・・
   200ページ、表紙は一色でいいとして、3〜40万円(@3-4,000)くらいと
   違いますか。そのあたりを目安にして、印刷屋さんとコピー屋さんの
   両方の業者に見積もってもらいはったらどうです?
   やり方次第なので印刷屋さんが普通のアルミ製版で見積もってしまうと
   100冊でも100万円(@1万円)近い見積もりが出そうですネ。
   いずれにしても、原稿はしっかりしとかなあきません。途中で追加やとか
   変更やとか言うてたら、どの方法でも、えらい追加費用が出て、「お遊び」
   なんて言うてられなくなりますよ。」

客 「表紙はどうなんでしょう?」

私 「背をノリ貼りする簡易製本がお勧めです。
   無難なのは、ちょっと厚い色用紙に黒い文字だけで印刷されるものです。」

客 「書店で並んでいるようなものとは違いますねェ。会員名簿というような
   感じの仕上がりでしょうか?」

( 一般的な1色刷りの簡易製本
 :四六版 約60ページ)
( 私の出版した2色刷りの簡易製本
 :特殊版 約400ページ)

左右の簡易製本の仕上がりの違いは、原稿の違いです。

私 「(左は)書店に並んでいる市販本のようなカラー印刷の表紙と比べると、
   見劣りしますが、100冊ではこの製本が限界でしょうね。それで、原価が
   1冊で3〜4,000円も掛かりますから、絶対に売り物にはなりません。
   申し上げたように記念の品と割り切って下さい。」

   (注〜記念として残すため、あるいは試販のために、どうしても市販本と似
      た表紙にしたい場合は別途10万円程度の予算と、イラストを含めた
      表紙の原稿をご用意されれば、ある程度可能です。)



■3■ 自費出版業者のこと

客 「最近、新聞や電車に『自費出版の原稿募集』というような大きな広告が
   出てますが、あんな業者(*)はどうでしょう?」

   (*)2008年1月 新風舎が民事再生手続き開始を申し立て。支援を得られず
    破産へ。1000人を越える契約者の契約金が戻る可能性は低い。もっとも
    倒産までに出版にこぎつけた「セーフ」の依頼者は全額がムダになって
    いるのだから、どちらが損害が大きかったかというだけの話。
    「契約金の損害だけでよかったネ」となぐさめられたら、頭に来るだろう。
    この夜話を掲載し始めて1年ほどのできごとだ・・・この夜話にたどりつい
    ておられたら、被害は防げたのに! くやしい思いで一杯だ。

私 「あれはあきませんッ!
   最初にお話ししましたようにごく例外的な奇跡を除けば、自費出版は
   決して売れません。著名人の書いた本ですら売れない時代です。
   書店に並べますよなんて言っていても、すみにちょっとの間、置くだけやし
   彼らは売れないということは最初からわかってるんです。
   売れないのを承知で募集したり、出版説明会をしたりしてるのは、
   著者に『○○賞候補です』 『いい原稿ですね』 などと、くどいて出版させて
   儲けようとしているだけなんです。」

客 「売れないのになぜ儲かります?」

私 「印刷費用はもちろんですが、書店に並ぶようにするための営業経費を
   ご主人から先に取り上げてしまうからです。
   経費と言うてもほとんど彼らの儲けなんですよ。そら、若手の営業マンでも
   動けば交通費も日当もいりますが、ほとんど儲けと言うていいでしょ。
   印刷だけなら、印刷原価に利益を含めても100万円で済むコストも
   彼らにかかると250万円くらいにはなるようです。」

客 「ほな、私が直接印刷屋にたのめば、100万以下の印刷代を払うだけで
   済むのに、余分に金を取られるということですか?」

私 「彼らは100万もらうだけでも少しは儲かるのに、営業経費(他に名目あり)
   として150万ほどを請求します。先ほど申し上げたように、営業経費なんて
   本当のところは闇の中。実際はほとんど使っていないと思っていいでしょう。
   使っていりゃ、領収書を出してもらったらいいが、理由をつけて出しません。
   本が売れなくても儲かり、著者はムダ金を使わされるという仕組みです。
   表紙だけは立派なものを作ってくれますが、中身はどうでもいい紙くず扱い
   です。」

客 「たしか、構想さえあれば本にしてくれるようなことも書いてましたが、
   とにかく立派な表紙さえつければ、彼らの手元にはまちがいなく金が
   落ちる。そんな商売なんですかァ!」

私 「 『共同出版』とか『協力出版』とか、ゴマカシの名前を使っていますが
   中身は同じようなひどい商法らしいです。『出版』という夢のような言葉を
   使ってほめちぎれば金を出すカモにしか見えてないんと違いますゥ?
   単純に・・・1人ほめたら250万入り、儲けが150万、ゴミが500冊から
   1000冊です。
   1日=3人ほめると年間売上25億、利益15億って計算できます。
   善意に考えれば、素人の原稿を本にして書店に並べてあげたんや。
   250万はその満足代や・・・ということでしょうな。」

客 「そら、私かてせっかく本にするんやったら書店に並んでほしいですわ。
   冷静に考えれば、そんな本、誰も買うてくれないとわかるんやけど
   そんな素人の夢を逆手に取ったあくどい商売ですなァ。」

私 「もちろん彼らは100冊なんて少量には対応しません。
   その上、書店のその手のコーナーに並んでも誰も買いませんから、
   著者は書店に並んだ自分の本を自分の金を出して買いまわるという
   二重の損をさせられることもあるそうです。
   金のあまったどこかのお金持ちがそれを承知でやって、
   クラブでママさんあたりに 『俺の本、そこの○○書店に置いてるで』って
   自慢するための250万なら安いかもしれません。
   美人から 『先生』 『先生』って、呼んでもらえますから。」

客 「そうですか! 説明会に行ってみようかなと思うていたところなんです。
   もうやめときますわァ。冷静に考えたら辻つまの合わない話ですわァ。
   ところで、立ち入ったことをお聞きしますが、ご主人も自費出版されて、
   結局はお知り合いにお配りになっているんですか。」


■4■ 本の流通と原価・売価

私 「私の方法は、ちょっと違います。 数冊は大事な 『しきたり』 ですんで、
   無理無理お受け取りいただきました。
   国立国会図書館への 『納本』 もしましたしネ。 でも、他はすべて買って
   いただいていますよ。」

客 「自費出版は売れないとおっしゃていましたが・・・?」

私 「そうですね・・・モノとやりようによっては売れます。
   素人の自費出版で売れるためには2つの条件があるように思います。」

客 「それは?」

私 「ひとつは当たり前やけど 『本の内容』です。
   誰が買いたくなるのかが目に浮かぶような内容でなきゃ売れません。
   ご主人、今お書きの本はどんな方がお買いになりますか?」

客 「 ・・・そうですなァ。書きたかったというだけで・・・
   誰が買いたくなるかって、あまり意識してませんわァ。
   田舎の友人なら付き合いで買ってくれるか・・・どうでしょう?(笑)」

私 「私は、私が買いたかったのに書店になかったから書きました。私と同じ
   立場の人やったらほしい本やなァ・・・と、今もずっと思っています。」

私 「もうひとつは書店ではなく 『自分で売る』ことです。」

客 「ご主人は本屋から売るのではないんですか?」

私 「書店からの流通に乗せるためにはISBNという図書番号やJANコード
   を取らなきゃなりません。本の裏側に印刷されてますよネ。

                              
                               ●日本図書コード管理センター
                                (ISBNは こちらで取得できる)

   実は、これはたいしたことと違いますが、流通経路がやっかいで
   書店に並ぶためには『出版取次』という本の問屋を通す必要があります。
   この『出版取次』という業者は日本でも数は限られてて、
   ご主人が「ちょっとすんまへん」というても相手にしてくれないそうです。
   そうなると、そこへ納入実績のある『出版社』まで必要になる。」

客 「まるで、口きき役ですなァ・・・ 古い体質や〜ッ!」

私 「そうですネェ。 書店、出版取次、出版社という3つの業者の儲け、
   そしてご主人のいくばくかの儲けを考えなければなりません。
   そうすると、本の定価は原価の3倍近くになります。
   例えばご主人の本が100冊30万円、つまり1冊3000円でできたとして、
   定価は8000円ほどになりますから書店では、とても売れません。」

   印刷所
    ↓
   著 者→出版社→出版取次→書店→消費者 となります。
   @3000                   @8000

客 「そんなことになるんですかッ!
   ほな、さっきの新聞広告の業者にたのむと・・・250万円として・・・
   原価が1冊2500円、書店へ並ぶ時はやはり6000円、7000円に
   なってしまうんですか!?」

私 「それは違います。印刷代が100万円としたら、原価は1000円です。
   書店での定価は2000円から2500円くらいでしょうね。
   残りの150万円はご主人が支払わされた営業経費という名目の業者の
   儲けですから、原価には含まれません。 本が売れたら、ご主人の儲けの
   中から、ご主人がぼちぼち償却する費用です。」

客 「売れなかったら、丸損の150万円ということですな。」

私 「そうです。売れなければ原価100万円の他にそれも損します。」

客 「全部こっちの責任やったら、『協力』とか『共同』出版というのはオカシイ
   ですなァ?」

私 「彼らは、売れるか売れないかもわからない、いい加減な・・・失礼ッ!
   原稿から、立派な表紙までデザインして、印刷して、書店に並べてあげた
   んや。ここまではウチの責任でやったんやから、ここからは著者の責任。
   ・・・だから、『協力』や『共同』や・・・と言うんでしょうな。」

客 「そら、ただでやってくれたんなら著者の『責任』と言うてもよろしいが、
   金を取っておいて、デザインするのも営業するのも当たり前ですわァ!
   そんなんを『協力』や『共同』やというのはダマシやと思いますな。」

私 「そうですね。いっそのこと 『有名書店100店、1週間陳列請負 150万!
   売れるか売れないかは、あなたの作品次第!』 とでも言ってくれた方が
   わかりやすいと思います。」

客 「それはわかりやすい。・・・でも、そう言うたのでは誰もたのまない。」

私 「そうですよね。 その150万円・・・並べた本が全部売れてもペイしない
   って・・・ 計算すれば、すぐにわかりますからネ。
   万一ですよ、すごく読まれる本で、例えば1000冊全部売れたとして、
   最終書店の売上げですら定価2000円×1000冊で、200万円です。
   ここから印刷と製本の原価100万円を引いた残りの100万円を
   出版社、取次、書店…そして、ご主人の4人でわけなきゃなりません。」

客 「万一、1000冊すべてが売れたという夢の話ですなァ・・・
   でも、マ売れたとして儲けの100万を4者で「均等に」割っても25万。
   私らの儲けとしては、きっと10万か20万しか残りませんなァ?

 夢の
 店頭売上
  200万円
 @2000X1000
 儲け
100万円
@1000
書店の儲け →@450円程度
取次の儲け →@200円程度
出版社の儲け →@200円程度
著者の儲け →@150円程度から150万円を捻出
 原価
100万円
@1000
100万円=
 @1000X1000冊

   1000冊全部売れても私らの儲けは15万円(@150X1000冊)ですから
   150万円の経費は取り返せませんなァ!」

私 「そうです。この経路だと1万冊も売れてやっと150万円を償却できます。
   自費出版では1000冊売れるなんて、夢の夢ですよ。 私はこんな流通
   経路にたよらず、自分のサイトを持っていますんで、わずかな経費で
   そのサイトからご希望の方に直接、少しづつおわけしています。」

客 「ご主人のホームページは、アクセスと言うんですか・・・
   どれくらいの人が見に来られてますんですか?」

私 「20ほどものサイトを開いてますので、いろいろですが、
   今回の出版のモトになっているサイトは一日に400人前後、
   年間で約15万回ということになります。」

客 「それはすごい人数と違いますか!」

私 「ハダカも何もないまじめなサイトとしては、かなり多いほうやと思います。
   この方法やと出版社、取次、書店なんていう業者抜きです。それでも
   受注、配送など事務的なことは人に頼まないけませんから、お金は
   いりますヨ。
   でもこの方法なら、原価に送料やら事務費用やらを加えるだけでいい。」

客 「それでも、100冊では原価3000円だとすると、高い本になりますネ。
   買っていただくんやったら、直売でも1000円以下で印刷できるだけの
   数を刷らなあかんということですか。」

私 「そうです。」

客 「ご主人もやはり100冊程度では直売も無理でしたか?」

私 「エエ。 しかも400ページを超える本ですので、今お話した倍近い
   コストになります。売れ残りのリスクを承知で印刷の数を増やしました。
   特殊な分野の本ですが、売価はお買いになる立場を考えて、何とか
   3000円以下にしたかったのです。
   お買いになる方は 『買ってやっている』というお気持ちでしょうが、
   えらそうに言えば、社会貢献やと思わな、自費出版は無理です。
   私自身は使い勝手のいい本だと思っています。 書店にあれば私も買い
   たくなる本です。わずかですが、書店からもご注文が入っています。
   しかし 『自費出版は売れない』という覚悟はできています。
   売れなければ丸損です。出版のために使ったお金をペイできれば、
   それで大成功でしょうネ。
   もしその日がきたら、ここへ来て一人で自分を祝ってやりますよ。」

オヤジ 「その時は声掛けてェなァ。祝いや、安うしとくわ。」

私 「その時はちょっとでも儲かってんや。払うがな! 今や金ないのんは。
   今晩くらい、まけときィな。」

オヤジ 「・・・(笑)」

客 「その時は、私にも声を掛けていただきたいですなァ。
   いやァ、ずいぶん貴重なお話しをありがとうございました。
   少なくとも広告の・・・そうそう○風舎でしたか、あそこの説明会はやめて
   おきますよ。やはり、おかしい。」

私 「他にも文○○という会社も有名です。お気をつけ下さい。
   でも、失礼なことを言うてしもうたような気がしてます。
   私、歴史のことようわからんのですワ。
   すごい原稿やったら、ぜひ、いい出版社に持ち込んでみて下さい。
   出版社の費用で出版してくれることもあるわけですから。

客 「そんなたいそうな原稿と違います。
   失礼やなんて、こちらこそ横からすみませんでした。」

私 「自費出版でも印刷費だけで受けて書店に流通させ、売れたら、
   例えば、定価の5掛けとかで買い上げてくれる業者もあるそうです。」

客 「先ほどの、ややこしい業者と違うんですか?」

私 「定価2000円やと、例えば1000円で買い上げてくれます。原価が
   800円なら200円がご主人の儲けになります。1000冊売れれば
   20万円の儲けですから、先ほどの業者とは大違いです。」

客 「500冊やと半分の10万円ほどの儲けですなァ。 800冊やと (メモに計算
   しながら) 16万円ほどの儲け・・・でも・・・売れ残った200冊の印刷原価、
   16万円でチャラ! 何も儲かりませんなァ! 新聞広告の出版社のように
   売れても売れなくても損をさせる悪徳なヤツらよりは『協力』出版らしい
   ですね。 ・・・でも、その買い上げてくれる業者の場合、1冊しか売れなく
   ても、業者は儲かるんですよね? 
(伝票代など諸経費は無視の話)

私 「ご主人! 出版業界の仕組みにするどくなられましたねェ! 出版社が
   リスクを負う企画出版以外は、著者が出費(損)をする世界なんです。
   1000冊を完売できるスゴイ内容で、やっと利益が出るかナってものです。
   良心的な出版業者でも、売れないものまでリスクを負ってはくれません。
   慈善事業ではないんです。彼らは生き死にがかかっています。
   私らのやることはアマチュアのお遊び・・・趣味ですからね。」

客 「売れれば・・・は、もう忘れますわァ。今日はエエこと教えてもらいました。
   ご主人はアマチュア棋士がプロと戦っているようで、完売を声援しますヨ。」

私 「ありがとうございます。 どうぞ、原稿のほう、がんばって下さい。」

                                 (「あとがき」へつづく)



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