kazeno-cafe ブックレビュー                        本、その他


■特選・ベトナム関連の本(文庫が多いのは、ひとえに筆者の経済的事情による)
ベトナムぐるぐる k.m.p. 角川文庫 クリエイティブ系女性2人の体当たり旅行記。可愛いのかどうか微妙なイラストも満載。爆笑旅行記として、ガイドブックとして、大変重宝な一冊。大きい版もあり。
★★★★
ベトナム怪人紀行 ゲッツ板谷 角川文庫 コアなファンがいる西原理恵子一派によるアナーキーな旅の記録。当然、サイバラのマンガ入り。写真はカモちゃん。文章がくどいので好きじゃない、が、一読目は楽しめる。★★☆☆
忘れないよ!ヴェトナム 田口ランディ 幻冬舎文庫 作家、田口ランディのデビュー作。ちょっと出来過ぎやない?って思う部分もあるが、さすが作家だけあって読ませる。★★★☆
チュイ・ポン 三留理男 集英社文庫 ベトナムvsカンボジア紛争の写真集。何十キロもの機材をかついで世界の修羅場を駆けめぐってきたミトメだけに、臨場感はピカイチ。当時(1979)の複雑な国境状況もよくわかる。★★★☆
サイゴンのいちばん長い日 近藤紘一 文春文庫 1975年のサイゴン陥落に立ち会った新聞記者のルポ。ベトナム女性と結婚して親族がベトナムにいた著者だけに、観察者だけではなく当事者視点を持っていて面白い。ベトコンが一斉に進行してくるシーンは読んでいて映像が浮かんでくる。
★★★★
輝ける闇
夏の闇
開高健 新潮文庫 深い。なんて深いんだろう。従軍体験をもとにして、人間の深層にまで迫る、歴史的な2冊の本。もちろん、この作家の他の作品も必読。★★★★★

ベトナム戦記
開高健 朝日文庫 ベトナム戦争最前線のジャングルで九死に一生を得た作家の、ベトナム見聞記。単なる戦場ルポではなく、作家ならではの観察眼と洞察力でベトナムの文化や精神性にまで踏み込んだ不朽の名作。ベトナムに関心のある人は、絶対に読むべし。
政府軍兵士、ベトコン、アメリカ兵、仏教徒、サイゴン市民、山岳民族、農民、ジャーナリスト…全ての人が、愛しくなってくる。
★★★★★
開高健記念会         (WEBサイト) 開高健を偲び、記念するサイト
人間の集団について 司馬遼太郎 中公文庫 戦時下のベトナムを作家が歩き、思想する。洞察力の深さはさすが。旅が人を育てるのではなく、旅人の資質が旅の中身を決める、ということを思い知らされる。★★★★
ベトナムは、いま 大石芳野 講談社文庫 女性写真家による、ベトナム戦争終結から10年目の現地ルポ。枯れ葉剤の後遺症など目を背けたくなるような現実。反面、心癒される写真もある。
★★★☆
アジアパー伝 鴨志田 穣
西原理恵子
講談社 地の底を這うような生々しい人間模様。ベトナムだけではないが、アジアの民衆の悲哀に満ちたシュールな日常。続編、続々編も、シビアでお間抜けな夫婦の暴走は止まらない。★★★★
南ヴェトナム戦争従軍記 岡村昭彦 ちくま文庫 フォトジャーナリストによるベトナム戦争最前線のレポート。戦時下の庶民の日常風景から、ほんとに不思議な戦争たっだんだなあということがよくわかる。ナルな文章がマイナスポイント。★★★☆
ライカでグッドバイ 青木冨貴子 文春文庫 ベトナムで、そして世界的にも有名な戦場カメラマン、沢田教一。彼のベトナムデビューから戦闘に巻きこまれて亡くなるまでを追ったルポ。綿密な取材、緻密な表現。沢田とともに前線に立っている気がしてくる。プロの仕事です。★★★★
シクロは走るよ、力いっぱい! WCG編集室 トラベルジャーナル 堅い話から大衆文化まで、現代ベトナムの全体像をつかむのに最適の一冊。★★★☆
ちょとピンぼけ ロバート・キャパ 文春文庫 ベトナムで地雷に触れて亡くなった写真家の手記。第2次大戦従軍時の体験が中心。カリスマの素顔がのぞける。★★★☆
ベトナム戦争と平和 石川文洋 岩波新書 従軍カメラマンが終戦後のベトナムを行く。戦争中の残虐な写真と、戦後の復興の様子、両方を知ることができる。ホーチミン(の遺体)にもう一度会いたい!と、自転車でサイゴン〜ハノイを往復したおばさんの話がいい!★★★★
ヴェトナム颱風 外山ひとみ 新潮社 1994年にスーパーカブで、ベトナム1万キロを縦断した女性カメラマンによる写真集。作った写真もあるけど、ベトナム人のナマの生活をとらえた写真が特に美しい。雑誌『AERA』2006年10月16日号の「現代の肖像」も、この人の仕事です。★★★★★
■好!・中国関連の本
パソコンで楽しむ 愛と友情のトンパ文字 東巴文字愛好会 技術評論社 雲南省・ナシ族に伝わる象形文字をCD−ROMに収めたもの。ただでさえ可愛い文字をCGでデザイン。見ているだけでユーモラスな気分にさせてくれる。このサイトの表紙にも使用。★★★★
香港世界 山口文憲 ちくま文庫 返還前の香港に暮らしていた作家の、ユーモアあふれる香港的日常のルポ。香港に対する愛情がひしひしと感じられる。★★★★
上海ベイビー 衛彗(ウエイ・ホェイ) 文春文庫 中国で発禁になったことで有名な、奔放な女性作家の自伝的小説。社会主義中国のイメージを覆す衝撃的な内容。作品としての出来は・・・? ★★☆☆
西蔵放浪(上下) 藤原新也 朝日文庫 一世を風靡した写真家のチベット写真ルポ。何気ない風景を切り取って意味を持たせる感性はさすが。でも詩人か思想家を気取ったような文章はあまり好きでない。★★★☆
夜と女と毛沢東 吉本隆明
辺見 庸
光文社文庫 思想界の巨匠と行動派作家の対談集。毛沢東の私生活について語った章がおもしろい。★★★☆
中国への旅 東山魁夷 新潮文庫 日本画の巨匠の小画集。いつもポケットに入れておきたい。★★★★
現代中国を知るための60章 高井潔司
遊川和郎 編
明石書店 エコノミスト、ジャーナリスト、大学教授など、その道の専門家が、中国の軍事、政治、経済、社会について解説する。現代中国の全体像を把握するのに最適の一冊。★★★☆
シルクロード
(1)〜(3)
篠山紀信 集英社文庫 奈良から中国大陸を横断してウルムチへ。さらには地中海を巡ってバチカンまで。写真界の巨匠が絹の道を行く。まだ平和だった頃のバグダットの写真がいまでは貴重。★★★☆
中国の赤い富豪 ルパート・フーゲワーフ 日経BP社 社会主義国・中国で、次々と世界的な大富豪が生まれているという驚き。2006年のトップ富豪は女性で、個人資産は何と34億米ドルだとか! 中国の膨張と矛盾に圧倒される。★★☆☆
ダライ・ラマ自伝 ダライ・ラマ14世 文春文庫 ンド北部の亡命政府で暮らすダライ・ラマ14世自信が、幼少から現在に至る波瀾万丈の半生を綴った。今のチベット問題の原点が何処にあるのか、実によくわかる。★★★★
ダライ・ラマに恋して たかのてるこ 幻冬舎文庫 ドラマ化で話題になった『ガンジス河でバタフライ』の著者による、チベット訪問記。さりげなくチベット人の中に入り込み、何気なく深いところまで浸透してしまう、取材力が素晴らしい。そして驚愕のラスト…★★★★
中国てなもんや商社 谷崎 光 文春文庫 気軽な気持ちで貿易会社に就職したOL.。取引先の中国から送られてきたのは、首の通らないTシャツにポケットのないズボン…。日本の常識が通じない中国ビジネスにイライラさせられながら、やがて中国に取り憑かれていく著者の、爆笑体験談映画にもなりました笑った後にはホロリとさせられる。
★★★★
大図解 九龍城 九龍城探検隊 岩波書店 こいつは凄い! 解体直前の香港・九龍城を正確に測量し、取材も重ねてその内側を超・緻密なイラストで再現した、熱意と根気と技術の産物。本当に画面から、住人たちの声が聞こえてきそうだ。
九龍城なき今、その歴史的建造物としての価値を伝える一級の資料と言える。★★★★★