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★変奏曲シリーズ全編紹介
「鬱蒼と枝葉の茂った大木」と竹宮さんご自身をして書かれた「変奏曲」シリーズ。視点を変え、語り手を変えて、幾度も繰り返し描くことによって一つの世界が組み上げられていきます。こんなシリーズモノを読むなら、あなたならどこから読みますか。以下の紹介が、その一助になれば幸いです。
T<変奏曲をこれから読むあなたへ>
<あらすじちょっとだけ>
ウォルフの演奏会のあと、楽屋からなにげなく外をながめた評論家ボブは、人目を惹くほどの美少年を目撃する。その美しさは名状しがたく長く心に残る。そんなボブの前に、ある日偶然にも少年は現れた。彼の名はエドナン。「ウォルフのような音楽家」になり、さらに彼を追い越すべく、故郷も家も捨ててやってきた留学生だった。エドナンの意志を理解し、パトロンとして支援を始めるボブ。やがて二人の天才は邂逅するが…。
<あらすじちょっとだけ>
才能・環境ともに恵まれた貴公子ウォルフ。だが実は、彼は孤児だった。交通事故で両親を一度に亡くし、妹と生き別れになったのちのウォルフの生い立ちが描かれる。一旦は、リヒター伯爵に才能を見込まれ、順風満帆の音楽家としてのスタートを切るが、彼を待ち受けていた運命はさらに過酷で厳しいものだった。
<あらすじちょっとだけ>
エドナンの息子ニーノは、ある日幼い頃の夢を見る。そこはユング・フェルン、亡きウォルフの邸宅。ウォルフの忘れ形見アレンとの親しい交友が蘇る。だが、彼の心に残っているのは、むしろ鍵をかけ閉ざされていたウォルフの居室に漂う芳香と、父・エドアルドが遠くて懐かしいものを追うように室内にめぐらす視線だった。
<あらすじちょっとだけ>
大きな演奏会が終わった。曲目は、ウォルフの年齢にはあまりに勝ちすぎた荷と評されたブルックナー八番だ。ただしウォルフは、指揮者として完璧にこの山をも乗り越えた。
<あらすじちょっとだけ>
養護施設でウォルフと生き別れになった妹、アネットの恋愛物語。マネージャー・アダムス氏が、ウォルフに依頼されて見つけ出した唯一の肉親は、スペイン・アンダルシア地方で何も知らずに元気に暮らしていた。そして、ここからアネットの恋物語が始まる。ヒターノの子供レオンとの初恋、異国の地からやってきた兄との不思議な恋、なんとなく受け入れた優しい貴公子ペーターとの穏やかな恋、そして火花散るようなエドアルドとの激しい恋の行方は…。
<あらすじちょっとだけ>
「変奏曲」全体のストーリーが、一章「エドアルド」、二章「ヴィレンツ音楽院」、三章「ウォルフ」、四章「カタロニアへ、そして…」の四章構成で描かれる。
V<変奏曲をもっと楽しむための掌編>
<あらすじちょっとだけ>
音楽界のホープ・美貌のヴァイオリニスト エドアルド・ソルティ、世界にオートクチュールを開く若き実業家 アラン・マーチン、人ぎらい&女ぎらいのへんくつ財産家 ホルバート・メチェック、この三人がある日、一つのゲームをした。今から車で追い越す五人目の人間を、老若何女問わずにカードにする。一週間なんとかみんなでつきあって、最初に自分を好きだと言わせた者が勝ち。掛け金は五万シリング。さて、誰が勝つでしょう?
<あらすじちょっとだけ>
評論家ボブの美術館めぐり旅行に、勝手にくっついてきたエドナン。ボブが仕事で忙しいのをいいことに、旅の先々で女の子をナンパしまくる。ところが恋が成就し始めると、いつのまにかボブが近づいてきていて、きっちりぶちこわしていく。怒るエドナンにボブ曰く「もしそれが、ホントの恋ならじゃまされたって続くはずさ」。けれどとうとう、「じゃまされても続く恋」の相手も現れるのであった。どうするボブ!?
<あらすじちょっとだけ>
音楽界の大御所が集う、エドナンを家長とする家に馴染まず、飛び出していった息子のニーノ。行方不明になっていた彼は、コペンハーゲンの片隅で、現代音楽家として新たな人生を歩み始めていた。ある日、新聞に載った、新進音楽家を紹介する小さなコラムを見つけたボブは、ニーノの下宿を突然訪問する。そこで出会ったのは、自分の道を見つけ、自分の足で歩み出そうとしているニーノ青年だった。
<あらすじちょっとだけ>
家を出て行方不明になっていたニーノは、仲間を得て、現代音楽家として人知れず、自分だけの道を歩み始めていた。その小さな演奏会をボブは、ニーノに会うために訪れる。驚くニーノとその仲間たち。しかし久しぶりの嬉しい再会の中にボブは、いつのまにかニーノに染みついてしまった、我を抑え込む彼の性質を見出した。ニーノ自身を解き放ちたくて、ボブは思わず、長い取材旅行への同行を誘う。そして二人だけの旅が始まる。
<あらすじちょっとだけ>
あまりにも才気走った父・エドアルドの側で育てられたニーノは、気が弱く、すぐに自分の感情を表現できない控えめな性格の少年に育った。片やウォルフの忘れ形見アレンは、エドアルドの分け隔てない愛情を一身に受けて、素直でおおらかな少年として育った。ニーノは感情の表現が下手で、いつも父の愛情に充分に応えきれない自分を感じていた。しかしそんなコンプレックスも、アレンは丸ごと理解し包み込んでくれた。だからニーノはアレンが好きだった。
ただし「カノン」で興味深いのは、屈折していたのがニーノだけではなかったという点です。エドアルドの愛と期待に応えるべく、むしろ複雑に深く屈折していたのはアレンのほうでした。ねじ曲げられずにいられなかった二人の息子の人生を描いたという点で、「カノン」は、「変奏曲」より一歩、地に足のついた作品といえるでしょう。
<あらすじちょっとだけ>
ボブの取材旅行に同行し、パリに入ったニーノは、原因不明のストレスによって胃穿孔を発症する。しかし、胃に穴の開くほどのストレスを何に対して感じているのか、ニーノは一言も口に出そうとはしなかった。詮索をあきらめたボブは、ただ黙って旅行を取りやめ、ニーノに自分の屋敷「椿館」に来るように提案する。故郷・ヴィレンツに帰り、エドアルドの待つ自宅ではなく、「椿館」に住んで、ゆっくり自分の音楽を始めるようにと。そしてニーノの心は恢復を始める。
(by ななお)
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★「『変奏曲』作品別収録本リスト」も見てみます?(^^)//
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