古今和歌集散歩とは ?
平成20年は、「源氏物語」ミレニアムで平安時代が
脚光を浴びました。平安時代の精神的な
バックボーンは、「古今和歌集」。
「源氏物語」のヒーロー『柏木衛門督』が、「古今和歌集」の
世界を取りとめもなく、散歩をするようにお伝えします。
「古今和歌集散歩」 今日の歌 (2012.2.9)
恋を深める女(巻第十五「恋歌五」)
七百六十番 よみ人しらず
あひ見ねば恋こそまされ みなせ川なにに深めて思ひそめけん
(口語訳)
あの人と逢わないでいると、恋しい気持ちがこみ上げてくるの。どうして、水無瀬川のように愛情なんてない男を、深く深く思い始めてしまったのかしら。
(柏木の思ひ)
関係が結ばれた途端に、男は、「よみ人しらず」さんのところへ訪れなくなっちゃったんです。「よみ人しらず」さん、男の心が浅かったことを恨んでも、結局は、自分を責めちゃうんですね。それほど男と過ごした一夜が忘れられなかったんです。
「あひ見ねば恋こそまされ」と恥ずかしさなんか問題にはしません。二句切れ、係り結びという強烈な表現。叫んでいるようですよね。その気持ちは、下の句へも続いてゆきます。近くを流れる水無瀬川のように水もない、愛情もない男に比べ、私の思いはどんどん深くなるって。女は、恋焦がれて我を忘れてしまうんですね。
小生、「よみ人しらず」さんのお気持ち、よく理解できます。女性を泣かせる男っているんですね。世間知らずで、一途な思いに燃える女の心を手玉にとって、あちこちの女を苦しめる男って許せませんよね。
何か、ご異議でも?「お前だって、落葉の宮様を泣かせたのではないか」ですって?
実は、その通り。親友の夕霧君の愛人となった落葉の宮様は、私の妻だったんですよ。でもね、魅力を感じなかったんです。許してください・・・。
(2012.2.9)
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