| この絵は、ある人の法要のために描かれた。
その人が死んでから6年経つ。人生は、いろいろな人の死に巡り会う。
死ぬということはどういうことなのか?
「再生」の旅。身につけていたものを、少しずつ少しずつそぎ落としていく旅。
その向こうにどんな光が見えるだろう。
絵の真ん中あたりに斜右上にあがろうとしている人のかたちを見て欲しい。
彼の行く手には、未だ大きな森が広がっている。
さらに向こうに見える光の方角へ彼はたどり着けるだろうか、、、。
死んでいった人たちのことを思いながら描いた。
20代の頃、いっしょに登っていた山でひとりの友人を亡くした。彼は22歳だった。
互いに学生でしかなかったけれど、将来きっと良い仲間、良いライバルになっていけると思っていた。
それから1年して私の父が死んだ。私自身まだうんと若かったので、
当時は、このふたつの死に思いがけないほどのショックをうけてしまい、立ち直るのにかなり時間がかかった。
母親が死ぬ前にありありと霊が見えると言っていた。
看護している私のうしろに、たくさんの死んだはずの彼女の血縁の顔がならんでいるというのだ。
私には見えなかった。さらに彼女は豊臣秀吉や、ナポレオンまで来たと言っていた。
「どうしてアンタには見えないのかねエ?」と、
見ていることを、そこにいる息子と共有できないのを残念がってさえいた。
山で22歳の息子を亡くした人の、6年前の死。
この旅は生きている私達の旅でもあるのではないか。
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