野生の棕櫚

1999年 227×130cm 油彩

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 フォークナー( 1899〜1962)の同名の小説からイメージした。
 物語の方は、「野生の棕櫚」と
「オールドマン」という
ふたつのお話が、
ひとつに構成されていて、
二つの話は、話の筋の上では
何の関わりも無い。

作中の登場人物「オールドマン」は
過去に殺人を犯して
刑務所にはいっている
無口で無愛想な大男だが、
性格は極めて真面目で、
行動は単純そのもの。
しかし、その真摯さは、
まったく周囲(と読者)の
予想を超え、
とんでもない結果を生む。

小説の主人公にしては、
あまりにも素朴で、
大洪水の中での勇気ある行動も
ヒロイックであるとは言い難い。
コミカルでさえある。

むしろ、その素朴さが、
倫理を超えているのだ。
それは本来、
ひとが持っていなければならない
純粋さ、美しさだと思う。

そして、その純粋さの悲劇が、
もうひとつの物語「野生の棕櫚」
のテーマになっている。

いづれにしろ「オールドマン」は
ぼくらのヒーローなのだ。

文明化され忘れられてしまった
過去の「遺物」に、
限りない愛着と憧憬を感じる。

2001・1/10記