裏側を見る
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この作品のテーマは、旧約聖書の外典の中にある「ユディット記」からとった。彼女は、寡婦で子どももなく、僕(しもべ)の女とふたりで暮らしている信仰深い人だった。外敵に町が包囲された時に、彼女のとった行動と決断。最後に、敵の総司令官の首を持ち帰るまでのおはなしだ。とてもドラマチックな内容なので、昔から、ヨーロッパの画家たちに、好まれて描かれて来たし、聖母マリアの予見的存在!と見られていた。 私はというと、何の知識もないまま、池袋の本屋で初めて聖書を買ったのが1993年。精神的必要に迫られてということだった。しかし、驚く程いろいろな話が出てくる。ユディットにひかれたのは、女自身で女というものを正確にとらえ、客観視できるというすごさ。没自我の自己犠牲の行動。しかし、自分からでは無く、いつも神に導かれているという安心の中にいる。 美しさの2面性を教えてもらった。 この彫刻は、4角柱で、その4面に4つの彼女を彫った。あでやかに着飾った女を彫っている時は、わたしの子ども時代にすぐ近くにいたお金持ちの婦人が重なって見えた。深い祈りに跪く女のときは、シモーヌ・ヴェーユ(Simone Well フランスの思想家 1909〜43)のことを考えていた。 今は、ほんとうの戦いは、自分の心の中にあることを知っている。敵司令官ホロフェルネスに表象された世の中の悪意から、幼い無垢な子供達を守ること。安逸な生活への誘惑、欲望との戦い。もうひとつ踏み込んで、そいつらをやっつけたいなーと、元気になったこの頃は思う。ユディットは、生活する女の中にいる。
2001・1/10記
ユディット
1996ー1997年 20×52×17cm 大理石 4面彫り
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