相続手続 

 

 

相続が発生した場合の対応 
 相続が発生するような、予感がするとき、銀行預金が凍結されて引き出せなくなるということで、急いで預貯金を引き出しに行く人がいます。このような場合注意が必要です。どういうことか言うと、一つ目は税務署の問題です。二つ目は相続人間のトラブルです。
 このようなことが、私の経験でもありました。父親が病院で死期が近かった時に、意図は良く判りませんが、子供が銀行預金の引き出しをしました。相続税の申告が済み、しばらくたった頃、税務署より、何月何日に●●銀行の××支店で何時ごろCDコーナーで引き出した預金についてお尋ねしますという問い合わせがありました。要するにこの父親に引き出しをする意思表示が出来たかどうかです。子供が勝手に引き出して、遺産総額から除外したのではと、疑いを持ったわけです。
 本当に引き出しの必要な金(葬儀代等)であれば、隠すことはないのですから遺産総額に含めればよいのです。また亡くなってからも銀行によりますが、葬儀代などは引き出しに応じるところもあるようですし、仮に理由を告げず引き出した場合でも引き出し額と使途は明確にする必要性があります

 

 
  

 

 @ 相続人の確定の為、被相続人が出生した時から死亡時までの戸籍を収集します。何度も住所移転や本籍を変えていた場合など、この収集作業が一番大変です。

 

 
  

 

 A 財産調査をします。財産にはいわゆる資産と負債があります。銀行、郵便局、株式債券、共済、土地建物、貸付金、自動車、貴金属などを調べます。金融機関からは残高証明を貰うのが一番です。なお生命保険金と死亡退職金は本来の相続財産ではないのですが、みなし相続財産となり相続税法上の相続財産となります。

 

 
  

 

 B 相続税が発生するかどうかを検討します。

 

 
  土地の評価   
 (1)
宅地
 
  宅地の評価には「路線価方式」と「倍率方式」があります。市街地にある宅地は路線価方式で評価し、その他の宅地は倍率方式で評価します。
  • 路線価方式−国税庁が公表する「路線価図」に基づき、1区画ごとに評価する。
  • 倍率方式−固定資産税評価額に一定の倍率をかけて評価額を算出する。
 
    但し、小規模宅地等の減額の特例があります。

   被相続人もしくは被相続人と生計を一にしていた親族の事業用または居住用の宅地等(借地権を含む) については、一定限度の面積に限り、その評価額から一定割合で減額をする特例が認められています。              例 :  引き続き同居親族が居住する場合などは、240uまでは80%減額する等。

 
  
 (2)家屋
 固定資産税評価額と同じです。

 

 
 
 (3)上場株式
 次の4つのうち最も低い価額が評価額となります。
 (1)
課税時期(相続開始の日)の最終価格(終値)
 (2)
課税時期の属する月の最終価格の月平均額
 (3)
課税時期の属する月の前月の最終価格の月平均額
 (4)
課税時期の属する月の前々月の最終価格の月平均額

 

 
 
 (4)預貯金
 元金と中途解約利率による利息(源泉所得税相当額控除後)の合計額

   計算は銀行等に無理を承知で依頼します。

 

 
  (5)みなし相続財産 
 
  • 相続人が取得した生命保険金等のうち一定額(法定相続人数×500万円)
  • 相続人が取得した退職手当金等のうち一定額(法定相続人数×500万円)

 

 
      課税価格=相続財産+みなし相続財産−非課税財産−債務・葬式費用+3年以内に贈与を受けた財産 
      課税される遺産総額=課税価格の合計額−基礎控除額(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)

     ※この結果が、マイナスになるようであれば、相続税の申告はありません。

 
   
  
  C 遺産分割協議を行います。協議書には印鑑証明書が必要ですから、あらかじめ必要部数をとってもらいます。
  
  
  D 金融機関へ預貯金の名義変更を受ける者が出向きます。  
  必要なものは、遺産分割協議書と印鑑証明書、通帳証書、銀行印、戸籍謄本(被相続人の出生時から死亡時まで)

                                                           

 

 

    
  
 E 遺族年金の手続きはどうするか?
    必要書類は、裁定請求書及び未支給年金請求(社会保険事務所にある)に下記のものの添付が必要。
 戸籍謄本、住民票(世帯全員)、死亡診断書の記載事項証明、請求者の所得証明書   以上は、市役所で交付を受ける
 請求者の年金振込み希望の通帳、印鑑、請求者の年金手帳
 被相続人の年金証書、年金手帳
 代理人の場合は委任状
20歳未満の障害者や高校生の子供がいる場合は、在学証明書などが他にも必要です。

 

 
  

 

 F 不動産の移転登記をする。
 登記申請書に次の添付書類が必要
 出生から死亡時までの戸籍謄本と住民票、固定資産税の評価証明書
 遺産分割協議書、相続人全員の住民票と印鑑証明書、代理人の場合は委任状

 

  
 G 自動車の移転登録をする。
申請書は、陸運事務所で購入、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書、と被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本、被相続人の名前の車検証、代理人の場合は委任状

 

 ※不動産も自動車も、相続による場合は取得税は無税です。陸運事務所では県税の担当者が個人売買での移転登録と勘違いして自動車取得税を要求してくる場合がありますので気をつけて下さい。