ミニベロと共に

祖父谷峠・石仏峠・狼峠

2003年2月

出町柳駅〜満寿峠(×)〜祖父谷峠〜石仏峠〜狼峠〜出町柳駅 日帰り




 「北山へ行きませんか?」という嬉しいお誘いをいただいたのが、アタック3〜4日前だっただろうか。
「ぅーむ・・・」。ここ最近は何処へも行けず、旅への禁断症状が出始めていたとはいえ、今の時季はまだまだ雪が深いだろうし、ウキウキ半分!ソワソワ半分?、そんな微妙な冒険心は、いつものスタイル
(途中合流/途中離脱)で、さてさて何処へ向かうのやら?。


 4:00起床。最寄の駅から始発に揺られて北山の玄関口・出町柳駅へ。ポツリポツリ、小さな雨粒を時々感じる怪しげな天気ではあるものの、どうやら回復の兆しのようだ。駅の傍、毎度お馴染みの「おにぎり屋さん」でオニギリ4つを調達し、まずは1つ腹ごしらえ。

 出町柳を6:50、メンバーの皆さんより少し早めに出発し、まず向かった先が満寿峠。ウォーミングアップを兼ねてノンビリと賀茂川/雲ヶ畑川を約1時間、7:45に市ノ瀬橋を渡る。早刈谷林道を登っていき、舗装が切れダートに変わってから約500mほど進んだ左手に峠入口があった。峠入口には小さな道標が掲げてあったのだが、わずか踏み入っただけで熊笹の茂る鬱蒼とした道となる。しかもその先は、谷筋を幅1m×深さ1.5m程のU字状にえぐれた狭い道で、枝木が被さるように密集し、足元は未明まで降り続いた雨のせいで水流もあり、サイドに這い上がってみようにも滑落しそうで相当ヤバイ。・・・ということで、本日一本目から早々と撤退となった。このルート、鉈でも持参しない限り突破は無理ではなかろうか?。以前撤退した奥琵琶湖の権現坂越と同様の酷道で、しっかりと道標があるだけに余計に酷だと思わざるを得ない !?。

 さて、気を取り直し、元の市ノ瀬橋に戻ってきたのが8:45。ぼちぼちメンバーの皆さんがお見えになる時間ではなかろうか?と思いつつ、雲ヶ畑を抜け登っていく。途中、持越峠に薄っすらと虹が掛かっていたのには、撤退の無念さとは裏腹にチョット得した気分でニンマリと。
 岩屋橋に着いたのが9:00丁度。で!特に待ち合わせしていたわけでもないのに、その先で皆さんが集合されていました。そろそろ出発かという頃合の、余りにもグッドタイミングなランデブーに双方ビックリ !?。

 小梅谷の分岐より更に先まで舗装されてはいるものの、祖父谷林道の上部にはしっかりと積雪があった。昨日からの雨のせいか?、レオナルホドさんが事前に下見に行かれた時よりも、ペダリングには重たい雪質のようである。久々に味わう雪の感触に、序盤こそ喜々としていたのだが、ミニベロで、しかもノーマルタイヤでは余りにも非力か?と感じるにはそれほど時間はかからなかった。結局林道を進んでいる間、そのほとんどが『押し』で、時々『担ぎ』も加えたり。

 過去2回訪れたことのある祖父谷峠ではあるが、冬に挑むのは今回が初めて。林道が大きくカーブする分岐点には道標があり、峠道には目印のテープもしっかり付いている。だが、地理は判っているハズなのに、積雪のせいで、迂闊にも初っ端からポカミスを犯すこととなった。。ついつい沢を歩いていたのです・・・「おやっ?」と見上げたところに皆さんが居られました。(^^ゞ
 薄っすらと靄のかかる無機質なモノクロの世界を進むことしばし。
あたかも別の場所を訪れたかのように錯覚する白い撓み、そしてコレこそが!と改めて唸らされる4本の老杉。
祖父谷峠、11:20到着。名峠と呼ぶに相応しい、そんな雰囲気に「お〜」とか「ほ〜」とか言葉にならない感動の声が一つ二つ・・・
 誰もが「来て良かったぁ・・・」と口々に、しばし休憩。
そして老杉を仰いだり、ファインダーを覗いたり、ドッカリと腰を下ろしたり。熱いレモンティで一息いれていると、「さぁ、イシボトケ行きましょか〜」と、レオナルホドさんが声を上げる。

  「えっ?」

傍にいたまえださんは、サッサと軽アイゼンを装着し始めるし。私はてっきりココで引き返すのだと思っていたのだが、まてまて、どうやら本気らしい。
「この雪で大丈夫だろうか?」などと思案しているうちに、皆さん鞍部から登り始めるではないですか!。
【左】 祖父谷峠
城丹を分ける京都北山の名峠の一つ。
かつて5本あったと聞く老杉は、落雷の為か?・・・今日では4本に。

 祖父谷峠から石仏峠まで、直線距離にして1.2km程ありそうだ。が、実際には尾根道をアップダウンしつつウネウネと。しかしながら"あの安曇川源流雪中行軍"を成し遂げられたメンバーからすれば、この道程は愉快に楽しめる域なのかも(!?)。「これは気合を入れて行かねばなるまいぞ!」と思うのは私だけか?。慌てて軽アイゼンを装着し、メンバーの皆さんを追う。

 鞍部から急峻な斜面を登って行くと、見覚えのある鉄塔基部に着いた。そこからは一昨年秋の記憶を辿って、道らしい地形を縫いつつ進んで行く。相変わらず薄っすらと靄がかかっているものの、視界は比較的明るく、目印のテープがあるので迷うことはない。積雪量は多いところで25cmぐらいか。未明まで降り続いた雨のおかげで、雪は程よく締まって歩きやすいと言える。だがしかし、自転車と共にではさすがに辛く、押すのもままならず延々と担ぎを強いられた。
「ジリッ、ジリッ」と鳴る送電線をくぐり、時には林道とも隣接しつつ、雪が無ければさぞかし愉快なシングルトラックなのに、・・・と思ったところで詰まらなくなるだけ。息も荒くなり、疲労を感じ始めた頃「楽しいですね〜♪」と加茂屋さんにラブコールを一発。たまには「どっ!」と笑える、そんな冗談も盛り込まなくてはヤッてられんゾ。

 ウサギか鹿か・・・雪上には所々に動物たちの足跡が続いていた。この寒々しい雪景色の中で、生命の営みを感じることができて、思わず「ホッ」と。そんな情景を目にするだけで、眉間の緊張も緩むというものだ。
「13:00までに着かなければ、戻るかエスケープしましょう」などと自重していたものの、石仏峠、12:30到着。

 井戸方面へ少し下れば 石仏がある 。雪に倒され埋もれていたので起こしておいた。難儀しつつ訪れた冬の峠の手応え同様、それは「ズシッ」と重かった。掌を合わせ、峠へと踵を返す。風が吹き抜ける峠はさすがに寒い。待っていただいたメンバーには尚更のことでしょう。 しかしながら「最初からビショ濡れでしたよ」と、さも涼しげに語る前川さんにはさすがにお若い!と思わされた。

 寒さも手伝って空腹感が増す。幾分は暖かいだろう林道へ出て、祖父谷へと戻りつつ適当な場所を探す。
13:10、魚谷峠への分岐を過ぎた先、陽の温もりを得られる所でようやく食事休憩。そしてオニギリを頬張り、しばし思案してみる。・・・
(自己流の)タイムリミットまでには「まだ時間があるな」、と。
さすがに「越える」のは厳しいだろうが、「ピストンで」という条件をつけ、ここから単独で狼峠へと向かうことにした。

 祖父谷方面へと林道を黙々と押し担ぐ。不安を感じることなく平気で進んでいける・・・そんなだだっ広い林道ではあるが、ピーク840mを巻くまでの登りが結構辛い。下りは?・・・おそらくMTBなら楽しいのだろうが、泥除け付きのミニベロでは全くお粗末なことで、ただただ黙々と
 林道と祖父谷峠との分岐点に14:10。そして狼峠への峠入口に14:20。ここへ下ってくるまでの間に、スクーターに乗った若者3人とすれ違ったのだが、「何処まで?」と訊くと、「行ける所まで」と曖昧な返事。まさか自転車のように担ぐわけにはいかないだろうし、すぐ戻ってくるだろうとあまり気にも留めなかった。
 さて、標高差約100m。特に難所が無ければ20〜30分で片付くだろうが、やはり雪が心配である。「ダメなら無理せず撤退すればよし!」と心に決めて、まずは祖父谷川を渡渉する。しっかりと道標があるので迷うことはないが、取り付きから急峻な道が続く。日陰がちな山道のため、部分的に凍結気味の箇所もありアイゼン無しでは不安だと感じた。
 峠に到着する少し手前で、先ほどすれ違ったスクーターのエンジン音が、そして峠に到着した時MTBのブレーキ音が、それぞれ谷の方から響き渡ってきた。「今、ここですよ」と、小さく呟き、狼峠、14:55着。一昨年の秋、魚谷側からのルートが判らずアタック出来なかったのだが、この冬ようやくリベンジを果たせて思わずニンマリ。だが生憎、風情や展望を楽しむにはイマイチ・・・の峠ではあったが。  (完)




コース最奥の石仏峠にて、メンバーの皆さん

左から、加茂屋さん、私(kero)、レオナルホドさん、まえださん、前川さん(前)です。
難易度の高い積雪期ゆえ、パーティの有り難さを痛感する・・・そんな一日でした。
皆さん楽しいひとときを有り難うございました&お疲れさまでした。
次回はフツーに走りましょうね。^^



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