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■01 人類史の中の日本文明(長文) ★ |
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●歴史再考 ●共産主義 ●心と健康 ●国際関係 ●人類の展望 |
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■歴史に虹を見よう、風を感じよう2002.12.20 「歴史とは、虹のごときものである」とは、上智大学名誉教授の渡部昇一氏の言葉です。虹は、近くで見れば、水滴の集まりです。しかし離れて見れば、虹の形が見えてきます。歴史を見るには、水滴つまり個々の出来事や史料を見ているのでは見えてこない、「虹」つまり全体の姿や流れを見る視点が大切だということでしょう。 ◆「虹」を見る眼を 人類史の「虹」を見た人として、私が指折るのは、『歴史の研究』のA・トインビー、『世界文化史』のH・G・ウェルズ、“愛のエラン”のアンリ・ベルグソン、“オメガ点”のティヤール・ド・シャルダン、“新基軸時代”のカール・ヤスパース、“文明の法則史学”の村山節(みさお)、『ターニング・ポイント』のフリッチョフ・カプラ、『ホワイトホール・イン・タイム』のピーター・ラッセルなどです。 彼らは、歴史学の専門家ではありません。国際関係の研究者(トインビー)、作家(ウェルズ)、哲学者(ベルグソン・ヤスパース)、人類学者(ド・シャルダン)、歴史の愛好家(村山)、物理学者(カプラ)、数理科学者(ラッセル)などです。こうした人々は、水滴的な事象を重んじる職業的な歴史研究者からは、さげすまれがちです。しかし、彼らは既成観念にとらわれない自由な見方と、総合的な判断力を持っています。そして、彼らが見せてくれる「虹」は、私たちに、人類の「来し方」と「行く末」を示し、今日いかに生き、行動すべきかを考えさせてくれます。 ◆東西総合の新しい文明が 渡部昇一氏もまた、歴史学の専門家ではありません。英語学の研究者です。しかし、氏もまた歴史に「虹」を見る眼を持っている人物です。氏は、『歴史の読み方』(祥伝社文庫)、『かくて歴史は始まる』(クレスト社)等の著書で、人類文明史に関する歴史観を発表しています。 氏によると、20世紀で最も重要な出来事は、日本が日露戦争に勝利したことです。それによって、400年間にわたって、西洋白人種が有色人種を支配してきた植民地主義が終わり、世界の歴史は、日本人の手によって、大きく塗りかえられました。そして、解放されたアジア諸国はいまや白人国に迫る繁栄を遂げているのだと。 さらに、人類の文明の歴史について、渡部氏は、次のような史観を述べています。文明は、エジプト、メソポタミヤから始まって、一方では、ギリシャ、ローマ、フランス、イギリスへと西に流れ、アメリカに至った。またインド、シナへと東にも流れた。次の新しい文明への動きは、日本から出る。文明が世界を西に回った東の果てに、また文明が東を回った果てに、残っている国、東西二つの長所を近代から現代にかけて巧みに取り入れて高度化してきた国、日本から、新しい文明が現れる。歴史的経験則から見ても、現在の客観的な情勢から見ても、日本の世紀がこれからやってくることはほぼ間違いない、と。 そして、渡部氏は、その時に、私たち日本人は、どうすべきかについて、主張します。日本人には、「日本が古来から蓄え高めてきた伝統を、新しい文明とともに、世界の多くの人々のために役立つように広めていく責任が生まれてきます。と同時に、文明を牽引する国家、そして国民としての気概が求められるようになるのです。そのためにも、21世紀を目前に控えた今、正しい日本観、歴史観を、それぞれが築き上げていく努力をすること、そしてそれを子供たちに伝えていくことが必要なのではないでしょうか」と。(1) ◆日本が新文明を先導する 渡部氏の言うとおり、人類の文明は、西から東へと、東から西へと、両方向に波及しました。そして、インドやシナで発展した東洋精神文明は、アジア大陸から見れば東の果てに位置する日本で、総合・深化されました。一方、西欧に発達した西洋物質文明は、欧米から見れば西の果てに位置する日本において、西洋の外では始めて消化・吸収されました。こうして、東西の両文明は、日本において出会い、融合する時を迎えたのです。そして、日本は明治維新によって、東西両文明の総合の上に成り立つ近代国家の建設に成功しました。その後のわが国の歩みは、西洋白人種による植民地主義を終らせ有色人種が独立・発展する道を先導するとともに、人類が対等の立場で人類の向上・進化をめざす道を切り開いてきたのです。 こうした人類の歴史の「虹」を眺めつつ、私は、世界人類は、20世紀から21世紀かけて、西洋の時代から東洋の時代へ、物質文明の時代から精神文明の時代へ、大きく転換して来つつあると確信しています。それは、人類発生以来、続いてきた対立・抗争の時代から、新しい共生・調和の時代へと、大きく精神的に向上していく動向であると感じます。また、これから21世紀に創出される文明は共存共栄・物心調和の文明となるに違いないと思います。そして、この人類にとって画期的な転換期において、日本という国が、極めて重要な役割をもっていると思います。(2) ◆その時には「神風」は吹かなかった 次に、日本を動かす「時の流れ」というものを考えてみたいと思います。 かつて第2次世界大戦のとき、多くの日本人は、「神風が吹く」と信じていました。しかし、神風は吹きませんでした。そんな迷信など最初からあるわけがない、と現代人は考えるでしょう。しかし、私たちの両親や祖父母の世代の多くは、神風を信じていました。それだけに、敗戦は、それまでの価値観の全面的な崩壊をもたらしました。それゆえ、今日、多くの人は、日本のもつ歴史的な役割についてなど、否定的に考える人が多いのです。 そこで神風なるものを、「時の流れ」と考えてみましょう。すると、その戦争の時、神風が吹かなかったのは、当然だったことがわかります。大東亜戦争は、時を誤り、自然の法則に外れた無謀なものだったからです。それは、戦う必要の無い戦争でした。戦う必要が無かったというのは、戦わずして平和と繁栄が得られる道があったからです。その道は、当時の日本の指導層には、伝えられていました。しかし、彼らのほとんどにはそれを受け入れる姿勢がありませんでした。そして、無謀な戦争に突き進んでしまいました。(3) ◆いま「神風」は吹いている しかし、「戦後、神風は吹いている」ということができます。そのしるしは、日本が、焼け跡のがれきの中から、短期間に奇蹟的復興を遂げ、世界一、二というまでの経済大国に発展できたことです。 敗戦日本の復興と発展を可能にした条件の一つには、旧敵国のアメリカが安保条約によって日本を守ってくれたことにあります。戦勝国が身銭を切って旧敵国を守ってくれるという、史上例の無い安全保障体制ができたのです。その下で、日本は平和を享受でき多額の費用を防衛にあてずに、経済の復興と発展を成し遂げることができました。 戦前は、世界の共産化をめざすソ連の南下政策による「北からの脅威」に対抗しなければなりませんでした。また日本を人種差別的に敵視するアメリカのアジア戦略に対して備えるためにも、膨大な軍事費を費やさなければなりませんでした。それに比べると、戦後は、日本を取り巻く条件が、日本にとって有利なようにすっかり変わってしまったのです。アメリカが日本を守り、旧ソ連に対抗してくれたわけです。 また、他の条件を見ると、戦後、世界に起こった出来事は、日本に都合の良いように働き、幸運、好機が続いてきたといえましょう。例えば、ブレトン=ウッズ体制の確立は、ほとんど資源のない貿易立国のわが国に経済的活路を開いてくれるものとなりました。また昭和25〜28年の朝鮮戦争や、40年代のベトナム戦争の拡大等による世界戦争の危機は、日本にとっては戦争特需による発展の機会となり、昭和48年のオイルショック(石油危機)は省エネによる日本経済の体質強化と技術革新の機会となり、1980年代のハイテク革命を促進したように……。 ◆「天の時」と「地の利」はある 戦後、振り返ってみた時には、戦争に敗けた我が国の方が、かえって勝った国々より良い結果を得ることとなりました。まさに追い風の勢い、「神風が吹いている」とはこのことです。これは神風、言い換えると「時の流れ」が、その方向へ流れているからなのです。 「時の勢い」というものが自然界にはあります。春がくれば、雨の日や風の日があろうと、いやおうなく日増しに温かくなっていくように。既に流れは、西洋から東洋へと移ってきています。過去約700年、西洋に中心がめぐっていた時代が過ぎ、今度は東洋人が「天の時」「地の利」を得て、活動大発展する時期に入っているのです。 戦前の日本の指導層は、この「時」を計ることができなかったのです。日本とアジアの発展の時を見誤って、焦り、戦う必要の無い戦争に突入し、破壊自滅してしまったわけです。東条英機らが描いた「大東亜共栄圏」構想は、花に例えれば、人工的に早咲きさせようとして、かえって散らせてしまったようなものです。それは、ナチスやファシストの覇道をまねて、力づくで無理矢理に進めたから、狂い咲きとなってしまったわけです。 しかし、日本は「時の流れ」に乗って、戦後、奇蹟的に復興し、旭日が昇るように今日の繁栄へと至りました。また隷属から立ち上がったアジアは旭日の光を受けるように成長発展してきました。「大東亜共栄圏」は「大東亜共円圏」として実現したと言われるほどです。 ◆下がった波はまた上がる こんなことをいうと、バブルの崩壊はどうなんだ、マネー敗戦はどうなんだ、ヘッジファンドに荒らされたアジアの経済は、デフレ・スパイラルはどうなのか、という疑問が出てくることでしょう。確かに、ここのところ、日本は凋落と低迷に陥っています。 しかし、これは、一時的な現象に過ぎません。下った波は、また上がるのが、ものの道理です。もちをつくのでも、きねがうすの底をつけば、今度は上へ向かうのです。決して、日本と東洋の季節が過ぎ去ったのではありません。「時の勢い」は、明瞭です。その、時のおもむく勢いを感知するならば、方向を見失うことはありません。「20世紀から21世紀へと、神風は吹いてきた」と言うことができます。そして、この21世紀には、一層この勢いが明瞭になっていくでしょう。 世界は、西洋の時代から東洋の時代へ、物質文明の時代から精神文明の時代へ、対立・抗争の時代から共生・調和の時代へと、大きく変化していくのは、間違いのないことです。 ◆求められるのは「人の和」 ただし、いくら「天の時」「地の利」に恵まれていたとしても、「人の和」がなければ、その条件を生かすことはできません。実は、バブルの崩壊も、マネー敗戦も、平成大不況も、この「人の和」の乱れが、大きな原因となっているのです。 振り返ると、戦後の日本人は、敗戦のドン底から立ち上がって、食うや食わずの中で必死に働いてきました。政治指導者の数々の誤りにもかかわらず、国民の懸命な努力があったればこそ、復興と発展が実現成されたのです。 「天の時」「地の利」に加えて、そこに「人の和」があったので、この奇蹟が起こったのです。 しかし、日本人は、国際環境の僥倖(ぎょうこう)と他国に依存した安全保障の中で、自主独立の精神を忘れ、国民としての品性を失ってきていまいました。ものの豊かさに目がくらみ、物欲と利己主義に走って、「人の和」を失い、我利我利亡者の集まりになってしまいました。経済競争と受験競争の中で、人々の心は、バラバラになっています。政治家も、官僚も、経営者も、銀行家も、学者も、マスコミも、日本人としての精神を失い、国民は道徳的にはむしろ退化しているほどです。その結果、「第二の敗戦」「第二の占領」といわれる惨状を招いたのです。 ◆日本丸に帆をあげよう しかし、ゲームは終わってはいません。日本をここまで復興発展させてきた神風は、依然として吹いているからです。ここで、日本人は、他者依存の愚を改め、物欲と利己主義を反省し、「人の和」を取り戻すべきでしょう。 今日、日本の再生のために、さまざまな改革が唱えられています。しかし、いかなる改革も、国民の精神が変わらなければ成功しません。政治・行政・経済・税制・教育・医療等、どのような改革も、結局は国民の精神の改革にかかっています。この国民の精神改革は、失われた「日本の心」を取り戻すことから、始まります。すなわち、日本の精神文化の伝統を回復し、わが国の歴史に基づいた、固有の国柄を尊重することです。 そして、改革の中心課題は、国家の根幹をなす憲法を改正することです。憲法の改正なくして、国家・社会の根本的な建て直しはできません。戦後、外国から押しつけられた憲法を改正し、わが国の歴史・伝統・国柄に基づいた新しい憲法を制定することが、日本の再生の中心課題です。次に、憲法と一体となっている教育を、根本的に改革することが必要です。(4) このように、わが国の改革を推進することができれば、日本は必ず再生することができます。そして、世界の平和と繁栄に寄与し、地球の再生に貢献ができます。日本はそれを実現できる巨大な可能性を持っていると、私は思います。 20世紀から吹き出した神風は、吹き続けています。21世紀の世界の海を進む日本丸。そのマストに、心を一つに結び、白く大きな帆をあげましょう。(ページの頭へ) 註 (1)渡部昇一編著『渡部昇一の人生観・歴史観を高める事典』(PHP研究所) (2)このサイトの「基調」→「その3 21世紀を導く指導原理」 (3)このサイトの「基調」→「その2 大東亜戦争は、戦う必要がなかった」 (4)憲法改正は、拙稿「日本国憲法は亡国憲法――改正せねば国が滅ぶ」を 教育改革は、拙稿「教育基本法を改正しよう」を、ご参照ください。 |
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■アニメとマンガで「世界は日本化する」2000.12.25初稿、2007.4.10改訂 日本のサブカルチャーは、アジアの若者に広く深い影響を与えている。「かわいい」「すりあわせ」などの日本語が、外国でそのまま使われている。すしバーは、ニューヨークやロサンゼルスだけでなく、北京やモスクワにも広がっている。日本の自然の微妙な美しさを再現する大画面テレビが、海外の消費者の心をとらえている。 ●子供観・人間観の違いが もしマンガ・アニメの多くが、日本精神の深いところまで、よく表現しているものであるとすれば、マンガ・アニメの好きな子どもは、自ずと日本精神を身につけた日本人に育っているだろう。実態はそうは言えない。
マンガやアニメの文化の中で育った日本の若者が、海外に出て、自分の国の伝統や歴史を知らず、自分の無知に気づき、自分は何者かと考え、悩むという例は多くある。マンガ、アニメの作家たちは、現代の日本人であり、いまの日本人の多数が共鳴するものを書いている。現時点では、まだ多数が日本精神を忘れ、自らの伝統に無自覚である。日本人が受け継いできた日本精神には、現在の多くのマンガに表現されている以上に深く、もっと大きいものがある。これがマンガ、アニメに表現されているものを日本人の心の文化と呼ぶくらいでよいだろうという理由である。
参考資料 ・
東京財団のサイト 日下氏が会長をしていた東京財団は、マンガ・アニメに関わる研究を推進している。同財団は「日本を知る、日本を示す」と題した事業を行なっており、その中の「日本の思想研究事業」で、マンガ・アニメに関わる研究をしている。具体的には、以下のような研究がされている。 |
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