Q1.自己破産は、どのような時に行うのですか?
A1.消費者金融からの借入れがある場合、長年取引を継続している時には、利息制限法による金利の引き直し計算によって、過払金が発生していることが多く、トータルとしての債務がゼロになったり、あるいはお金が戻ってくることもあるのですが、債務の圧縮が思うほどなく、通常のサラリーマンの場合、150万円以上債務が残ってしまう場合などに自己破産をお勧めすることが多いです。
Q2.債務の帳消しは、どんな場合に認められないのですか?
A2.自己破産手続を行うのは、最終的には借金の帳消し(免責)を得ることを目的とします。しかし、免責は、債権者にとっては大きな損失になるものですから、債務者に一定の非倫理的な行為があった場合には、免責が許可されないことがあります。この免責不許可事由は、破産法252条に定められており、
イ 債権者を害する目的で、財産を隠匿等した場合
ロ 特定の債権者だけを優遇して、申立直前に弁済などした場合
ハ 浪費又は賭博等があった場合
ニ 住所氏名、他者からの借入額などについて嘘を言って借金をした場合
ホ 虚偽の債権者名簿を提出した場合
ヘ 7年以内に免責を得たことがあった場合、民事再生手続を行ったことがある場合
などの場合に、免責は原則として認められないこととされています。ただし、多少の問題行動があっても裁判所の裁量によって免責が得られることも多いですし、債権者に一部按分弁済をすることによって免責を得られるケースも多数あります。
現在の免責不許可率は0.1%程度です。
Q3.同時廃止というのはどういう手続ですか?
A3.自己破産は、裁判所から選任された破産管財人が債務者の資産を換価し、配当するのが原則的な手続なのですが、債務者の財産が僅少で、破産管財人を選任する諸費用が上回ってしまうような場合は、破産管財人を選任せず、破産宣告と同時に破産手続を廃止するという決定を裁判所が下すことになります。このような場合を、同時廃止といいます。同時廃止にするか、破産管財人を選任するかの基準ですが、原則として事業を営んでおられた方については、財産が僅少であっても、破産管財人による調査の必要が生じますので、同時廃止は認められません。それ以外の場合ですが、20万円を超える高価な財産(現金の場合は99万円を超える場合)は、原則、同時廃止は認められません。
Q4.同時廃止の自己破産の場合の大まかな手続の流れを教えてください。
A4.弁護士が受任しますと、まず、債権者に受任通知を発送します。この通知によって、債務者への債権者からの督促は行われなくなります。債権額がどの程度あるのか、債権調査の必要があり、この調査期間、その他申立てに必要な書類の準備等で、1ヶ月程度を要することになります。その上で、自己破産申立を行うことになりますが、裁判所より追加資料の提出や事情の補足説明のための上申書の提出を求められるなどし、2〜3週間程度は必要になります。裁判所が判断のために必要な資料が調ったと判断した段階で破産宣告、同時廃止決定が行われますが、それから2ヶ月ほど先に問題がなければ免責決定が出されます。従って、弁護士が受任してから免責決定が出されるまで、4〜5ヶ月程度が必要となります。
Q5.破産申立に必要な費用はどのくらいかかりますか?
A5.同時廃止型の場合は、印紙・郵券代等として3万円程度の実費が必要になります。また、弁護士に依頼する場合は、非事業者の場合、弁護士費用として事案に応じて20万円〜30万円程度が必要となります。破産管財人を付けなければならない場合は、裁判所にこの他に最低20万円を予納しなければなりません。事業者の破産の申立てに関しては、事業の規模に応じて弁護士費用は異なって参りますので、詳しくは弁護士にご相談ください。
Q6.破産宣告を受けることによる不利益を教えてください。
A6.20万円を超える高価な財産(現金の場合は99万円を超える場合)は、それを換価して債権者に配当しなければなりません。
また、特に戸籍や住民票に破産したことが記載されるわけではありませんが、市区町村役場には、破産宣告を受けた旨の記録がなされます。これは一般には閲覧できませんので、過度の心配をされる必要はありませんが、公職に就く場合に、市区町村役場の発行する「破産なきことの証明書」の提出が求められる場合があります。
また、金融機関のブラックリストに事故情報として記載されますので、7〜10年間程度は新規の貸し付けを受けたり、クレジットカードを作ることが出来なくなる可能性があります。
弁護士や司法書士、公認会計士、行政書士、宅地建物取引主任者、証券会社外務員、生命保険外務員、損害保険代理店、貸金業者、警備員、税理士などの資格を有している人は、破産によって一時的にその資格を失います(免責・復権後は、資格制限は無くなります)。
なお、会社の役員も資格を喪失し、免責後、復権するまでは再び役員になることは出来ませんでしたが、平成18年の会社法の改正により、破産した場合、いったん役員を退任する必要はありますが、再度選任されれば、免責前であっても役員に再度就任することが可能になりました。
一度、免責決定を受けますと、7年間は原則として再度の免責を受けることはできません
Q7.免責が認められると、あらゆる債務を支払わなくても良いのですか?
A7.原則としてすべての債務を支払う必要がなくなりますが、以下の債務については免責されません。
イ 公租公課
ロ 養育費等の扶養義務に基づく債務
ニ 悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償債務
ホ 故意または重過失により、他人の生命・身体を害した行為による損害賠償債務
ヘ 知りながら債権者名簿に載せなかった債務
ト 罰金 |