交通事故相談室 〜大阪の弁護士による交通事故の解説。示談交渉、裁判、慰謝料請求、高次脳機能障害   過失相殺及び損益相殺
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過失相殺とは、被害者側に落ち度がある場合に、その分を損害額から割り引くことです。また損益相殺とは、被害者が事故によって既に何らかの支払を受けている場合に、加害者の賠償額から差し引くことです。
過失相殺、損益相殺〜大阪の弁護士が語る交通事故の実務(交通事故相談室)
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第1 過失相殺
被害者の運転する車に加害車両が追突したような場合は、加害車両が100%悪いことは明らかです。しかし、事故は多種多様であり、被害者側にも何らかの落ち度があることの方が多いと言えます。
これまで、膨大な交通事故の裁判例の集積によって、過失の類型化がなされてきました。その類型化は、(1)歩行者と四輪車、(2)四輪車同士、(3)単車と四輪車、(4)自転車と四輪車・単車、(5)高速道路上の事故、という5種類の事故に関して行われてきました。他方で、自転車対自転車や、自転車対歩行者の事故については、未だ類型化は行われておりません。

どのような場合に、どれだけの過失割合か、その判断をここで説明するのは大量の場合分けをしなければならないため、困難ですので、個別にお問い合わせください。

事故の過失割合を巡って、事故時の状況が争われることが比較的多いです。このような場合は、実況見分調書などを検察庁などから取り寄せることが必要になってきます。

第2 損益相殺
被害者が、事故によって、労災の支給を受けたり、加害者の保険会社からすでに治療費の支払があったりした場合には、最終的な加害者に対する請求から、これらを差引く必要があります。いくら被害に遭ったとしても、誰かの損失の上で、被害者が二重に利得するのは公平ではないからです。しかし、あらゆる被害者の利益が損失相殺の対象になるわけではありません。その利益の趣旨や公平の観点から、検討されることになります。
以下、損益相殺されるもの、されないもの、そして過失相殺と損益相殺の順序について解説します。
(1)各種社会保険給付
原則として損益相殺の対象となり、総損害額を過失相殺した後の金額から、支給された金額を差引きます。もっとも、以下のものは損益相殺の対象にはならず、差し引かれません。
 ・労災保険での休業特別支給金、障害特別支給金
 ・国家・地方公務員共済組合の弔慰金・災害見舞金
 ・雇用保険法に基づく就職促進給付
 ・自動車事故対策機構法による介護料
 ・特別児童扶養手当
 ・医療扶助給付(生活保護)
 ・雇用対策法による職業転換給付金
 ・身体障害者福祉法による装具類の対価、補助金・助成金
また、健康保険の療養給付、障害厚生年金、介護保険法の介護保険給付は、いずれも損益相殺の対象になりますが、過失相殺前に差し引きます。

これら社会保険給付等で、差し引かれるとしても、同一の損害項目からのみ差し引かれることになります。例えば、労災保険の休業補償給付や障害補償給付は、財産上の損害の補填のためにのみなされるものですので、これらによる給付額が財産上の損害額を上回る場合でも、精神的損害、すなわち慰謝料から差し引くことはできないとされています。

なお、損益相殺の対象になる年金は、その給付を受けることが確定したものに限られます。

(2)保険金
自賠責保険による給付は、当然、損益相殺の対象になり、差し引かれます。任意保険では、人身傷害補償保険金、所得保障保険金は差し引かれます。他方、傷害保険金、自損事故保険金、搭乗者傷害保険金は差し引かれません。また、被害者の加入している生命保険からの給付も差し引かれません。

(3)見舞金、香典
差し引かれません。


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