(1)治療費
治療費は、必要かつ相当な実費全額について支払われます。つまり、必要性、相当性がない場合には、過剰診療、高額診療として認められないこともあることに注意が必要です。
鍼灸やマッサージ費用については、症状により有効かつ相当な場合、特に医師の指示がある場合などは認められる傾向にあります。
入院中の個室など特別室使用料や差額ベッド代については、医師の指示があったり、症状が重篤であるとか、空室がなかった等の特別な事情があれば認められます。
症状固定後の治療費については、一般的には認められません。しかし、その支出をしなければならないことが相当な蓋然性がある場合には、認められることがあります。
(2)付添看護費
入院の場合、医師の指示があったり、受傷した程度や被害者の年齢等により、必要があれば職業付添人の場合は実費全額、近親者付添人の場合は、1日当たり6500円程度が損害として認められます。症状が重かったり、被害者が幼児であるような場合は、1〜3割の範囲で増額が認められることもあります。また、仕事をしている近親者が付添いのために仕事を休まざるを得なくなった場合には、休業損害相当額を参考に付添看護費用が認められたケースもあります。
通院の場合、症状から付添が必要な場合や、被害者が幼児の場合は、通院付添費として、1日について3300円程度が損害として認められます。
(3)入院雑費
1日について1500円程度が認められます。
(4)交通費
通院に要する交通費は、通常、電車、バスの料金を基準に認められますが、タクシー利用がやむを得ない場合は、タクシー代が認められます。自家用車を利用する場合には、ガソリン代や高速道路料金、駐車場料金等の実費相当額が認められます。なお、看護のために必要なのであれば、近親者の交通費も、損害として認められます。近親者の見舞いのための交通費について、当事者の心情からして理解できるとして相当額を認めた判例がいくつかあります。
(5)将来介護費
医師の指示や症状の程度により、必要があれば将来介護費が認められます。職業付添人は実費全額、近親者付添人は、1日について8000円程度が認められます。このような将来介護費は、遷延性意識障害、失調麻痺・高次脳機能障害等の脳機能障害がある場合、脊髄損傷などがある場合に認められることが多いです。
(6)装具費
義歯や義眼、義手、義足、その他相当期間で交換の必要があるものは、将来の費用も原則として認められます。また車椅子などの介護用品や器具も同様です。
(7)葬儀費
葬儀費用は原則として150万円までが認められます。仏壇、仏具購入費、墓碑建立費については、被害者が若年で死亡した場合には、不測の損害という側面が強くなりますので、一定限度で認められることがあります。
(8)損害賠償請求関係費用
診断書料等の文書料、成年後見開始の審判手続費用、保険金請求手続費用など、必要かつ相当な範囲で認められます。
(9)弁護士費用
裁判になった場合は、認容額の1割程度が被害者側の弁護士費用として認められ、加害者の負担となります。
(10)遅延損害金
事故日から支払日まで年5%の割合による遅延損害金を請求できます。ただし、訴訟になる前の任意交渉での解決の場合は、保険会社は遅延損害金はカットするよう求めるのが通例です。
(11)その他
医師等への謝礼は、社会通念上相当なものであれば、損害として認められることがあります。
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