DIAS(2002.3.28)

真・提案
DIAS式 マイ・サウンドトラック-3
音を感じる風景

木下伸市
邦楽の夜明け
SHI-BU-KI

今、邦楽界がおもしろい。なかでも津軽三味線は若いスターが目白押しだ。今回は津軽三味線のトップランナー・木下伸市に、究極のレシピを作ってもらった。これが聴くヌーベル・キュイジーヌだ。

 昨年11月にアルバムデビューした木下伸市は「2000年津軽三味線全国大会歴代A級チャンピオン山田千里杯」初代チャンピオンという輝かしい実績と、ジャズギタリストの渡辺香津美やバイオリニストのロビー・ラカトシュとのジャンルを超越した競演や、エレクトリック三味線の導入といった先進性など、伝統と新しさを併せ持つネオ・ジャパネスクのリーダー的存在である。
 津軽三味線といえばじょんがら節だ。しかし、我々素人はじょんがら節といっても聞こえてくるメロディはない。はたして津軽じょんがら節とはなんだろう。
「2拍子5音階の曲を、じょんがら節といいます。同じように、3拍子5音階ではよされ節といいます。本来、じょんがら節というのは民謡ですから唄があります。その唄にそって、三味線でアドリブを入れていきます。津軽じょんがら節は、その三味線の演奏部分だけが独立してできたものなんです。テーマを取り除いてアドリブだけをつなぎ合わせたものだから、同じメロディがないんです。ですから演奏者が変われば違うじょんがら節になるんです」
 NHKの「トップランナー」に木下が出演して、番組最高視聴率を稼いだり、上妻宏光がカローラのCMに出演するなど、邦楽界全体がブームだ。昨今の邦楽ブームについては、
「そもそも、三味線を始めたころというのは民謡ブームで、テレビでもしょっちゅう民謡の番組をやっていました。僕もいつかは民謡で生活ができるようになりたいなぁ、なんて子供心に思っていました。やがて、東京に出てきて民謡酒場で働き始めるのですが、ちょうど1年ぐらいが過ぎたころ、ワーッと、それこそ潮が引くように、お客さんが来なくなった。そして、その状態がつい最近まで続いていたんです。黙ってその状態を見ていてもしょうがないから、いろんな活動をやってきました。そのひとつが今の邦楽界全体のムーブメントに繋がっていると思います。いつもチャレンジすること、それを忘れなければ、それがブームだろうが、ブームでなかろうが関係ないと思います」

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